DJI、Zhiyun、FeiyuTech、Gudsenからミラーレス向けジンバルの新製品登場

2018年はDJIやZhiyunのDSLR用ジンバル新製品で大いに沸いたが、2019年はミラーレスカメラ用ジンバルが話題だ。

DJIは、Ronin-Sの重量のほぼ半分となる1.1kgの軽量化を実現したコンパクトなミラーレスカメラ用片手持ち3軸ジンバル「Ronin-SC」を発売。ペイロードは2.0kg以下で、新ポジションロックシステムを特徴とする。ジンバルのバランス調整が完了すれば、即座に撮影可能だ。

Zhiyunは、本体重量約980gと軽量ながら、ミラーレスカメラ用片手持ち3軸ジンバル「WEEBILL-S」を発売。合計総重量3kg前後のペイロードに対応し、CRANE 3 LABやWEEBILL LABでお馴染みのスリングモード(吊り下げ持ちグリップ)への変形機構を搭載。2019年中発売予定の別売ワイヤレストランスミッターを組み合わせれば、フルHD(1080p/30fps)の低遅延映像をジンバルからスマートフォンに伝送可能など、高い拡張性を特徴としている。

DJIのRonin-SC(左)、ZhiyunのWEEBILL-S(右)

FeiyuTechは、本体重量1.1kgと軽量なミラーレス/一眼用ジンバル「AK2000S」を発売。最大ペイロード2.2kgで、ローアングル撮影やジンバル操作の安定性を向上させる「バーサタイルハンドル」を付属。また、カメラの着脱が簡単に行える「クイックリリースプレート2.0」や、持ち運び/カメラの設置がより簡単になる「軸ロック機構」、新しいグリップデザインを採用している。

Gudsenは、デジタル一眼レフカメラに対応したハンドヘルドジンバル3軸スタビライザー「MOZA AirCross 2」を発売。バッテリーを含む本体重量は、約1.05kg。0.3kgから最大3.2kgのペイロードに対応し、プロユースのデジタル一眼レフカメラまで搭載可能。専用アプリMOZA Master Appを使うことで、搭載したカメラのバランスを自動調整し、ジンバルのリモートやフォロー制御やモーションタイムラプス撮影も可能。

FeiyuTechのAK2000S(左)、Gudsen TechnologyのMOZA AirCross 2(右)

なお、平和精機工業は同社初の小型カメラ用3軸電動ジンバル「TH-G3」を発表したが、発売は2020年1月のため、今年のノミネートは対象外となった。

平和精機工業からビデオ雲台三脚とビデオモノポッドの新製品が登場

平和精機工業は、ビデオ雲台三脚とビデオモノポッドの新製品を発売した。

ビデオ雲台三脚「TH-Z」シリーズは、小型カメラ用三脚システム「ALLEX」の後継機種だ。ALXシリーズより耐荷重が強化され、なおかつ軽量コンパクトになった。ヘッドは、75mmボール三脚とフラットベース三脚、どちらにも取り付け可能なデュアルヘッド仕様。ManfrottoやSachtlerのカメラプレートと互換性があるスライドプレートは便利だ。

三脚システムの「TH-Z」と、TH-Zのヘッドの「TH-ZH」(右)

モノポッドでは、ビデオモノポッドの「TH-M」とビデオヘッド「TH-X H」付きセットモデル「TH-M KIT」の2種類を発売。TH-Mは、自立性能はそのままに利便性や操作性、メンテナンス性をさらに改良したHFMPの後継機種。ミニ三脚部分をフットペダルでロックさせると、ポール部分が回転しなくなるパーフェクトロックを採用。HFMPでは操作がしづらかった、ミニ三脚ロック時のヘッド部分のパン操作をスムーズに行うことができるようになり、マニュアルフォーカスとパン操作の両方を駆使した撮影を快適に行えるとしている。

ビデオモノポッド「TH-M」(左)、ビデオヘッド「TH-X H」付きセットモデル「TH-M KIT」(右)

ATOMOSから7インチHDRモニター兼レコーダーや同社初の小型モニターが登場

ATOMOSは、「SHOGUN 7」と「SHINOBI」を発売。SHOGUN 7は、7インチHDR、映画制作用モニター/レコーダー/スイッチャー。SHINOBIは、NINJA Vと同じHDR 1920×1080ディスプレイとカラー処理を搭載したATOMOS初の小型モニター。NINJA Vよりも軽い196gを実現し、バッテリーを中央に搭載することでバランスを取りやすくなっている。

ATOMOSのSHOGUN 7(右)とSHINOBI(左)

Blackmagic Designから5インチおよび7インチのモニタリング/収録ソリューション登場

Blackmagic Designは、5インチおよび7インチのモニタリング/収録ソリューション「Blackmagic Video Assist 12G」を発売。ProRes、DNx、Blackmagic RAWに対応しており、SDカードに収録が可能。7インチモデルはSDカードスロットを2つ搭載しているため、収録中でもフルになったカードを交換できる。USB-C拡張ポートも搭載しており、外部USBフラッシュディスクに接続して、直接収録も可能。

Blackmagic DesignのBlackmagic Video Assist 12Gの5インチモデル(左)と7インチモデル(右)

IDX、連結するIPLシリーズと小型軽量化を実現したImicroシリーズのVマウントバッテリー発売

アイ・ディー・エクスからはバッテリーの新発売が相次いだ。

1つ目は、Vマウントタイプリチウムイオンバッテリーの「IPL-150」と「IPL-98」。昨年の展示会からすでに展示を開始していたが、今年7月発売のため今回のエントリーとなった。特徴はPowerLinkと呼ばれる、ブロックのように繋げて最大4個まで連結が可能なところで、大容量・大電流供給が可能だ。

もう1つは、Vマウントマイクロタイプリチウムイオンバッテリーの「Imicro-150」と「Imicro-98」。Imicro-150で重量は約750gと軽量・小型で、最大出力154W(14A 11V時)のパフォーマンスが特徴。2つのD-Tap、V-Torchも搭載している。

Vマウントタイプリチウムイオンバッテリーの「IPL-150」と「IPL-98」(左)。Vマウントマイクロタイプリチウムイオンバッテリーの「Imicro-150」と「Imicro-98」(右)

PRONEWS AWARD 2019 配信/スイッチャー部門ノミネート製品

以下がカメラサポート・アクセサリー部門のノミネート製品となる。

  • DJI「Ronin-SC」
  • Zhiyun「WEEBILL-S」
  • FeiyuTech「AK2000S」
  • Gudsen「MOZA AirCross 2」
  • ATOMOS「SHOGUN 7」
  • ATOMOS「SHINOBI」
  • Blackmagic Design「Blackmagic Video Assist 12G」
  • 平和精機工業「TH-Z」
  • 平和精機工業「TH-M」「TH-M KIT」
  • アイ・ディー・エクス「IPL-150」「IPL-98」
  • アイ・ディー・エクス「Imicro-150」「Imicro-98 」

何が受賞するのか…?発表は、!?

PRONEWS AWARD 2019 カメラサポート・アクセサリー部門受賞製品発表

カメラサポート・アクセサリー部門
ゴールド賞
Ronin-SC

DJI

ゴールド賞は、DJIのRonin-SCだ。DJIは、2018年に初の片手用カメラジンバル「Ronin-S」が大ヒットしたが、ジンバルとグリップの重量は約1.84kgと重く、長時間の撮影には使いづらいという声が多く上がっていた。

Ronin-SCの受賞ポイントは、このRonin-Sの欠点である重量の問題を解決したことろだ。本体重量はRonin-Sが約1.84kgだったが、Ronin-SCでは1.1kgと大幅に軽量化が図られている。電車でジンバルを持っての現場移動などもしやすくなった。ただし、最大ペイロード2kgと減少しているので、ランピングのないF2.8大口径ズームレンズには向いていないと言えるだろう。

Ronin-Sの機能で注目をしたいのは、スマートフォンのRoninアプリとRonin-SCが連携して被写体に合わせて動く「Active Tracking 3.0」の搭載だ。ジンバルを使いこなせない初心者でも、美しいアングルの撮影が可能になる。しかも、頼もしいぐらいに追従してくれる。ミラーレス向けのジンバルを検討するならば、Ronin-SCのActive Tracking機能をぜひチェックしてみてほしい。

カメラサポート・アクセサリー部門
シルバー賞
SHOGUN 7

ATOMOS

シルバー賞は、ATOMOS「Shogun 7」だ。これまでのATOMOSのデバイスは、カメラと一緒に組み合わせて使うモニター兼外部レコーダーというイメージが強かったが、Shogun 7では、7インチHDRモニター兼レコーダーからスイッチャーまで、さらに幅広いワークフローをカバーする機能をコンパクトなボディに凝縮しているところが受賞理由となった。

もっとも興味を惹かれるのが、4入力のスイッチャー機能。最大1080p60の4つのライブHD-SDIビデオストリームに対応し、4つのビューモードでストリームのモニターが可能。適切なストリームをタップすることで、ソースの切り替えができる。わざわざスイッチャーを用意しなくてもスイッチングが可能で、小規模なライブ配信ぐらいならばShogun 7で運用できるかもしれない。

Shogun 7には、高輝度3,000ニットによる高輝度HDRタッチスクリーンやDolby Vision HDR出力など、いろいろな機能を搭載。競合製品はないと言えるところも、受賞のポイントとなった。


Vol.03 [PRONEWS AWARD 2019] Vol.05