6KフルサイズCMOSイメージセンサー搭載や使いやすさが特徴のシネマカメラ「PXW-FX9」

大賞
XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-FX9」

ソニー

毎年大晦日の恒例、いよいよPRONEWS AWARDを発表。PRONEWS独自の視点から、ソニーのXDCAMメモリーカムコーダーPXW-FX9をPRONEWS AWARDの大賞とした。

映像業界では、ミッドレンジクラスのシネマカメラが話題だ。シネマカメラといえば、ハイエンドクラスのものという時代も変わり始めた。ハイエンドの世界で普及していたフルフレーム6Kセンサーをミッドレンジクラスで実現したからだ。

シネマカメラのミッドレンジクラスには、キヤノンのEOS C500 Mark IIもほぼ同時に市場に参入。ソニー、キヤノンとも、6Kフルフレームセンサーや高度なオートフォーカス、手ぶれ補正を搭載。それに加えてC500 Mark IIでは、フルサイズセンサーの5.9Kを内部RAW記録やユーザーによるレンズマウント交換対応を特徴としている。

一方、FX9は拡張ユニットを使ってRAW記録対応で、フルフレーム6K(6008×3168)スキャンからダウンサンプリングによる解像感をもった4K映像収録が可能。技術仕様の比較では、EOS C500 Mark IIが優位だ。それでもFX9の大賞を後押ししたのは、ミッドレンジクラスのベストセラー機であるFS7/FS7 IIシリーズ後継モデルであり、価格の面でもFX9が優位のためだ。

FX9の特徴を改めて紹介しよう。FX9は、ソニーのαシリーズ、シネマカメラのVENICE、FS7の使い慣れた技術を1つにパッケージにしているのを大きな特徴としている。

αシリーズからは、高速なオートフォーカスを継承。位相差検出方式とフォーカス精度の高いコントラスト検出方式を兼ね備えたファストハイブリッドAFの搭載。シネマカメラにもドキュメンタリー、イベント系では確実に使えそうな高性能AFが標準搭載されるのは注目点だ。フルサイズでは被写界深度の浅さゆえにフォーカス合わせが問題となっていたが、FX9ならばオートフォーカスに頼った撮影もできそうだ。

VENICEからは、デュアルベースISOを継承。高感度耐性は高く、ISO800とISO4000でほぼ同じノイズレベルを実現。ワイドカラースペースは、S-Gamut3/S-Gamut3.cine/BT.2020を搭載。VENICEの開発を通じて得られた知見を元に作られた「S-Cinetone」によって、VENICEの色に非常に似ているのも特徴だ。

FS7からは、使いやすさを継承。特にFS7で大好評のバリアブルNDフィルターをフルサイズ対応にリニューアルし、INPUT LEVELダイヤルは4チャンネル分搭載。マルチファンクションダイヤルの操作性が優れているのも大きなポイントとなっている。

2020年の展望

映像業界を取り巻く制作環境は、目まぐるしい変化を遂げている。2020年はいったいどんな新製品やサービスが登場し、業界がどのように変わるのだろうか?まず、2019年を振り返りたい。

PRONEWSでは、今年もNAB2019やCine Gear Expo、Inter BEEを取材してきた。そこで見えてきた2019年の最も特徴的な出来事の1つは、各社から6Kシネマカメラの登場だ。これまでの6Kシネマカメラといえば、REDの6K RED DRAGONのような劇場公開作品などの高いクオリティの映像を制作する現場が使用する特別な存在だった。ところが、今年はS1HやBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kなど個人でも購入できる6Kシネマカメラが各社から登場。編集時により余裕をもった映像制作が実現可能になってきている。

トキナーやキヤノン、シグマ、ツァイスからは、個性的なルックやフレア表現を特徴としたシネマレンズ登場も印象的な出来事だった。

2020年にPRONEWS的にもっとも注目したい動向の1つが、フルフレームミラーレスカメラのRAW出力と外部レコーダーによるRAW収録だ。ニコンは2020年12月にミラーレスカメラ「Z」シリーズを対象に、RAW動画出力機能の有償設定サービスを開始。外部レコーダーのProRes RAW収録に対応するようになり、12ビット収録のよる高度なカラーグレーディングをミラーレスカメラでできるようになってきた。2020年には、S1HもRAW出力に対応予定だ。ミラーレスカメラからRAW出力とProRes RAW記録の普及は、ビデオグラファーにとって大きなアドバンテージになるはずだ。

2020年の放送業界では、4K8K放送の普及を進めてきた東京オリンピックが開催。その一方で、2020年は第5世代モバイル通信システム(5G)が本格的に普及を開始し、VR、AR、MRの普及もこれまで以上に広がっていくのではないかと予想される。2020年は、映像業界にとっては目まぐるしい1年となりそうだ。PRONEWSは来年も映像業界に役立つ情報を皆様にお届けできるよう尽力していきたい。

PRONEWS 編集部


Vol.05 [PRONEWS AWARD 2019] Vol.00