txt:荒木泰晴 構成:編集部
フィルム現像出しの依頼方法
現在、映画フィルム現像を業務とするプロ向けの現像所は2か所。「株式会社IMAGICA Lab.」と「株式会社東京現像所」だ。以前の特集で東京現像所を紹介しているので、今回はIMAGICA Lab.に依頼した。
撮影済みのフィルムケースは、赤テープで封をする。フィルムは全暗黒で撮り扱うので、テープの端は手探りで判り易いように折り返しておく。
では、初めて16mmカラーネガフィルムの現像を依頼する手順を追って見て行こう。
電話で予約する
営業担当の「岡田浩二(おかだ・こうじ)」さんへ連絡し、不在の場合は、連絡先を伝えれば、折り返し電話をくれる。
分からないことは遠慮なく聞こう。
「初めて現像をお願いするんですが、どうすればいいですか」が、基本。
すると、
IMAGICA Lab.:こちら(IMAGICA Lab.の東京映像センター)へお出でになってください、ご希望の日時はいつでしょうか?
カメラマン:4月2日の午後2時頃がいいんですが
IMAGICA Lab.:はい、分かりました。場所はご存知ですか?
カメラマン:いいえ、何しろ初めてなもので
IMAGICA Lab.:そうでしたね。JR五反田駅と大崎駅の丁度中間くらいで、目黒川の傍にあります。住所と地図はネットに載っていますから、ご確認ください
カメラマン:はい、伺います
IMAGICA Lab.:カンピョーはお持ちですか?
カメラマン:それは何ですか?何しろ、初めてなもので
IMAGICA Lab.:すいません。こちらへお出でになった時にご説明しますので、安心してお出で下さい
と、大抵はこんなやり取りがあって、IMAGICA Lab.へ出かけて行く。
IMAGICA Lab.の東京映像センターに行く
IMAGICA Lab.のビルを見ると、初めての人はビックリ。
「現像所ってこんなにデカいのか。ビルの1室かと思ってた」
と、石原、荒木両君の感想。
ロビーに入るとまたビックリ。「ホテルみたい」と、石原さん。
ロビーの奥に受付がある。
「すいません。フィルムの現像をお願いしに来たんですが、岡田さんに予約してあります」
「連絡しますので、少々お待ちください」
と、岡田さんがやって来る。
「いらっしゃいませ。では、カンピョーを書いてください」
と、付箋のような紙をくれる。
カンピョーは「缶表」と書いて、フィルムケースに貼る現像指示書で、項目を埋めていけばOK。
「何を書いていいかわからなければ、質問してください」と、岡田さん。
書き終わると、裏紙を剥がしてフィルムケースに貼る。これで現像に出す準備は整った。
ロビーのテーブルを借りて、缶表を記入
「では、素材管理センターにご案内します」
東京映像センター1号館警備室横を奥に入る
いったんロビーからビルの外へ出て、東京映像センター1号館警備室横奥の別の入り口から入ると、素材管理センターのカウンターがある。
受付をしていただいたIMAGICA Lab.の永海さん(右)
■IMAGICA Lab.東京映像センター内・素材管理センター
受付時間:月曜日~金曜日9時~21時
「では、こちらで受け取ります」
別の入り口からはいるのはちょっと面倒だが、受け渡しをきちんと映像で記録していて、トラブルがないようにしているため。
「受取証です。今、午後2時ですから、今日の夕方大阪に送り、明日の朝から現像して、ラッシュを取ります。余裕をみて、中2日、3日目の午前中にお渡しです。試写されますか」
「試写をお願いします」
「では、試写室の空きを確認してご連絡します」
「よろしくお願いします」
IMAGICA Lab.の東京映像センターには、現在はフィルム現像設備はなく、全て同社の大阪プロダクションセンターに集約している。フィルムは大阪プロダクションセンターに送って作業をするため、仕上がるまで時間の余裕が必要だ。
今回は、フィルムで試写するためにラッシュを焼く。
ラッシュとは、明るさや色彩の調整をしない、石原さん、荒木君が撮影したそのままの状態の画面をチェックする、素焼きのポジプリント。
残念ながら、東京現像所では16mmのラッシュ取り作業ができなくなったため、今回、IMAGICA Lab.を選択した理由でもある。
これで、手続きは終わり、後は現像の仕上がりを待つばかり。
txt:荒木泰晴 構成:編集部