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ARRIが祭を開催。その理由とは?

ARRI Japanは、東映株式会社 京都撮影にて参加無料のワークショップイベント「ARRI祭」を開催した。ARRI主催のイベントといえば、有料トレーニグの「ARRI Academy」や「ARRI ASIA HOUR」などの映画製作者向けトレーニングやセミナーがお馴染みで、ドイツのお硬い会社が「なぜ祭?」と思ったのではないか?漢字を使ったネーミングもARRIらしくない。その疑問の答えはARRI Japanの存在にある。

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イベントの名称は「ARRI祭」。日本人には親近感のある名称だ

ARRIは2019年9月、日本初の支店となるARRI Japanをオープン。国内にビジネスの活動拠点を開設し、製品内覧会開催や3社の販売会社と提携を発表。ARRI祭開催など、多様な活動を展開中だ。

ARRIは映画撮影業界をけん引する唯一無二の存在だが、敷居が高くてなかなか手の届かないブランドであった。今後はARRI Japanの登場によって、デモ機体験が容易になったり、価格などについてもわかりやすくなるように変わるという。目指しているのはいつも隣にARRIがあるようなイメージで、ARRI製品がこれまで以上にいろいろな現場で撮影機材の候補となるように取り組んでいる最中とのことだ。

時代劇の美術セットの中でセミナーを開催

そんなARRI Japanが主催する初のイベント、ARRI祭の様子を紹介しよう。一般的なメーカーの自社イベントは、都内のホールやセミナールームで行われるのが一般的だが、ARRIのイベントはちょっと違った。ARRI祭の会場は映画やテレビドラマの名作を数多く生み出してきた京都市右京区太秦の東映京都撮影所。時代劇の聖地とも言われ、衣裳部や小道具などの充実度で高い評価を得ている撮影所だ。

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東映京都撮影所は、受付を済ませてセキュリティを通過すると、道の左右に11棟のステージがズラッと並ぶ。それらのステージの中には、サスペンスドラマシリーズの「科捜研の女」に登場する研究室の専用セットや、最近では薄桜鬼のドラマでは牢屋を建て込み、撮影したこともあったという。

ARRI祭の会場は、お白洲を再現したステージ7となる。昔からずっと作りが変わらない時代劇のパーマネントセットで、驚くべきは、「遠山の金さん」や「大岡越前」のレギュラーステージとして使われた場所ということも嬉しい限り。奉行が罪人を裁く名シーンの撮影に使われステージで、映画業界定番のARRIのイベントが行われたのは偶然ではなく必然だったのかもしれない。

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「この桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろ」という名シーンもここで撮影が行われた

奉行所のセットがセミナー会場であることは、なんとも不思議な感じがする。セットの床は白い砂利のままで、その上に約50席の椅子が並べられ、廊下にスクリーンや大型モニターを設定してセミナー会場としていた。

ARRI祭は入場無料で、3日間の登録者数は約50名。入場には事前申し込みが必要で、想定人数を超える方から申し込みがあったが、人数を制限して開催したという。4月中には、参加できなかった人向けのイベントの様子を動画配信予定とのこと。

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来場者に渡すネームストラップとノベルティがセンチュリースタンドに掛けられているのも映画撮影所ならでは
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ARRI祭の会場の様子

業界で活躍中の登壇者やゲストに注目

ARRI祭は、集まった登壇者やゲストも多彩だ。「今際の国のアリス」が話題の河津太郎氏や、「シン・ゴジラ」にて第40回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した山田康介氏、「Fukushima 50」で日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞した照明技師の杉本崇氏、有名ミュージシャンのMVを数多く手掛ける山田智和氏、日本アカデミー賞作品賞&主演男優賞の「ミッドナイトスワン」の撮影にも参加したTRINITYオペレーターの木村太郎氏などがワークショップに登壇。さらに「相棒」シリーズで有名な映像監督の会田正裕氏も来場。錚々たるメンバーがARRI祭に集まっていた。

1メーカー主催のワークショップで、これだけ一線で活躍するクリエイターが勢揃いすることは珍しいことだ。やはり、映画を撮影で支えてきたARRIのイベントだからこそ実現可能だと言える。ステキな人々との出会いも他のイベントにはない唯一無二となったといえるだろう。

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撮影監督の河津太郎氏と山田康介氏による「ラージフォーマット:The Major Film Studios‘ Choice」
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撮影監督の山田智和氏による「なぜARRIで撮影するのか」
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照明技師の杉本崇氏と撮影監督の河津太郎氏によるARRIライティングワークショップ

ちなみに、ARRI祭会場は50人規模の入場者数が限界だったが、東映京都撮影所にはその倍以上の広さを誇るステージ11(310.5坪)もある。東映京都関係者によると、そこの会場を使えば、もうちょっと規模の大き目のイベントが開催できる可能性もあるとのこと。

ARRI祭開催を体験すると、ARRI祭の東京開催を期待したいところだ。また、国内には存在しない、映画撮影に関連したカメラ、レンズ、照明になどの展示会も待望してしまう。

次回は、Signature ZoomやOrbiter、TRINITYなどにフォーカスを当てて詳しく紹介していく予定だ。

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