2021年11月10日に、クラウドベースの中継システム「M2 Live」の提供を開始すると発表。M2 Liveのシステム一式をソニーブース内で展示している。
M2 Liveの特徴は、スマートフォンやカメラエンコーダーなどから、ストリーミングデータをクラウド上の中継システムに送信し、ブラウザ上で展開されたソフトウェアベースのスイッチャーGUIでスイッチングを行い、配信プラットフォームや汎用デコーダーなどに出力を行う、汎用性の高いクラウド中継システムだ。
会場に展示されているM2 Liveのシステムは、PXW-Z750の映像を現在開発中のトランスミッターで映像信号を出力。ネットワークカメラのBRC-X400からSRTプロトコルで出力。もう一台のPXW-Z280はHDMI出力をスマートフォンに入力、開発中のモバイルアプリケーションを介しWi-Fiを経由して出力。
それぞれの出力信号を、クラウド上の中継システムに入力、WebブラウザベースのスイッチングGUIでスイッチング操作を行い、スイッチャー再集団出力のモニターに出力されている。
かねてから、ソフトウェアベースのスイッチングシステムでも、スイッチングソフトウェアをインストールしたPCなどのスペックに依存する場合が多々あったが、M2 Liveは根本的なスイッチングシステム自体がクラウド上にあり、Webブラウザ上に展開されたスイッチャーのGUIを操作してスイッチングを行うため、PCなどのスペックに依存する事は少なく、基準を満たしていればハイスペックのPC等を新たに購入するなどの初期の投資が抑えられ、短期間でシステムを導入することができる。
また、Webブラウザベースのスイッチャーということもあり、同一プロジェクトで同時にスイッチャーGUIを操作する事もできるため、長時間の番組等で人員の交代も別の場所でそのまま行うことができるのも、クラウド中継システムM2 Liveの特出すべき点だろう。
もちろん、音声のミキシングや、キーヤーを使用してロゴやテロップの挿入なども行える。
M2 Liveを使用することで、中継システムはよりコンパクトに汎用性が高くなったわけだが、問題なのは現場のカメラマン等とのコミュニケーションが円滑に撮れるのかということだろう。
実はその辺も考慮されており、スマートフォンを利用したインカムアプリ「コールサイン」を使用すれば、中継元のカメラとインカムをワイヤレス化、身軽に中継に挑むことができるわけだ。
番組制作がどんどん縮小傾向にある中、身軽な中継スイッチングシステムとしてのM2 Liveの真価は今後発揮されるだろう。