ソニーブースの注目製品は、11月16日に発表されたばかりのシネマカメラ「VENICE 2」だ。VENICE 2は8Kモデルと6Kモデルの2機種をライナップしている。
VENICE 2のハイライトは、やはり8Kモデルの存在だ。新開発の8.6Kフルサイズ、フルフレームのセンサーを搭載。6Kモデルは従来のVENICEと同様センサーを搭載。
また、8Kモデルと6Kモデル共通の特徴は、本体で16bitの新リニア記録に対応。X-OCNと呼ばれるソニーオリジナルフォーマットを外部レコーダー不要で記録可能となる。ならびに本体側で4K ProRes収録が可能。本体は従来機に比べて全体的にコンパクトになっている。
筐体の設計に関しては、VENICEのデザインを継承。初代VENICEのUIをベースとして、ユーザーの声を拾い上げて改善しているという。多くの現行の周辺機器にも対応しており、シネマアクセサリーやビューファインダーなど、そのまま活用可能。また、好評のセンサー部分が伸びる「VENICEエクステンションシステム」については、6Kモデルはそのまま使用することができる。
ちなみに、現行のVENICEはSxSのスロットと背面に別売のポータブルメモリーレコーダー「AXS-R7」を搭載することでAXSメモリーカードをセットしてX-OCNの記録を可能にしていた。VENICE 2では、X-OCNの記録を本体で撮れるようにしてほしいという要望に答えて、ボディにAXSのメモリスロットを搭載。こちら側でX-OCNならびに4KのProResなどのハイエンドフォーマットの記録を可能にしている。
初代VENICEでは、AXS-R7を背負わせたとき縦長の奥行きが長くなったが、VENICE 2では44mmの小型化や重量も同じ6Kサイズのセンサーのモデルで410gの軽量化を実現。よりキューブデザインに近くなり、ジンバルとの相性も向上している。
VENICE 2 8Kに関しては、8.6Kの水平画素あるセンサーを新たに搭載。もっとも大きい解像度の「8.6K 3:2」のモードは、30コマの記録が可能。また、国内の8Kの番組制作ではカメラ側で8K60Pの撮影可否がひとつ大きな指標としているが、VENICE 2では「8.2K 17:9」や「7.6K 16:9」の放送画角において8K60Pの記録を可能にしている。
さらに、「5.8K 6:5」はVENICEの1つの売りで、アナモフィックを使ったときにあとからカットする必要なく対応できるモードをサポート。こちらは48コマ記録が可能。
初代VENICEは、Dual Base ISOと呼ばれる2つの基準感度を切り替えるのを特徴としており、ISO50とISO2500の切り替えが可能。VENICE 2では、さらに高感度特性が向上しており、基準は800、上側は3200となり、若干感度がアップしている。
また、VENICE 2の発売に合わせてAXSメモリカードの新モデルAXSカード「AXS-A1TS66」の発売を予定している。名称の下二桁の数字は転送ビットレートで、AXS-A1TS66では最大6.6Gbpsの書き込み速度を可能としている。
AXS-A1TS66は、8Kモデルの8.6K30P、8.2K60P、6Kモデルの3:2でかつX-OCNの最高画質の6K 3:2 X-OCN XTで撮りたいときに必要となる。
VENICE 2の8Kモデルは2022年2月発売予定、6Kモデルは2022年2月3月発売予定としている。