バルコ:disguiseとコラボレーションメイン写真

バルコブースの注目は、disguiseとのコラボレーションで実現したLEDウォール型xR(バーチャル)スタジオのデモコーナーだ。

コーナーには、約3m✕3mのLEDディスプレイを2面で構成。こじんまりとした広さだが、モニターを通してみるとさすがはxRスタジオ、そんな現実世界の狭さは感じられない。その外側もレンダリングをしているので、この狭さとは思えないぐらいの広がりを得られる。しかしLEDがパッて消えると、その瞬間に現実に戻される感覚になる。これはどこでもドアを閉じたときに近い感覚だ。

今回のスタジオデモは、ある意味スペースも含めてかなりミニマムに近いセットだ。disguiseのレンダリングエンジンは「rx II」1台、サーバー「vx 4」1台のシンプルなセットで実現している。

バルコ:disguiseとコラボレーションメイン写真

デモはフルHDのシステムで組んでいるが、さらにCGのレイヤーを重ねたい場合や解像度を4Kにアップ、プロセッサを足したり、サーバーを増設すれば自由にスケーリングできる。そういう意味では、今回のミニマムベースに組んだものだが、そのままスケールアップ可能だという。

カメラは、シネマカメラとPTZカメラの2種類でデモが行われていた。企業のスタジオであればPTZカメラのようなシンプルなセットで、よりコンパクトで、リーズナブルなシステムが組める様子を見られるようになっていた。

バルコ:disguiseとコラボレーションメイン写真

トラッカーは、シネマカメラ側にはRedSpyを搭載。床に反射マーカーシールが貼られており、それで位置や高さ、その他を正確に計算してトラッキングが行われる。

バルコ:disguiseとコラボレーションメイン写真

ちなみに、今回のようなxRの場合は、実際にカメラで撮った3D空間とレンダリングされている3Dの空間の位置と色を正確に合わせる必要があるが、disguiseのシステムは色や位置のキャリブレーションを短時間で正確にセッティングが可能だという。

特に、色に関しては照明を変えるとカメラの設定が変わったりするので、その都度カラーのキャリブレーションが必要になってくる。そういったキャリブレーションのアクションは、disguiseのシステムではある程度自動化されている部分があるので短時間で可能としている。

特にバーチャルスタジオでは、シーンが変わると調整が必要になる。照明が変わったぶんだけ変える色を調整をdisguiseはスムーズに実現できるという。

xRスタジオのデモコーナーの様子。カメラを通して見える左のモニターの様子に注目してほしい

また、バルコのLEDディスプレイに関しては、独自のプロセッサーを使うことによって、発色特性を最大限に活かすことが可能としている。

LEDディスプレイは、輝度が一番明るいときに一番キレイにみえるのは当然だが、実際は落として使うことが多い。しかし、輝度を落とした際にコントラストの低下や夜景の映像が黒ベタ化、色のバランスの崩壊などが起こるモデルがあるが、バルコのLEDはどの輝度領域でもコントラストも崩れずに表現できるのが強みだという。