業務用のマルチメディアディスプレイからビデオ切替器からスイッチャー等、映像業界では何かとエーディテクノ製品に助けられることが多いと思うが、2021年8月に発売を開始した「MV1330」にはBlackmagic Design社のATEM Miniシリーズユーザーは助けられることになるだろう。

MV1330はフルHD解像度(1920×1080)13.3型IPS液晶ディスプレイを搭載し4面マルチビューが表示できるATEM Miniシリーズ専用のキャリーケースだ。

ATEM Miniシリーズを使用する時に不自由なことは、ATEM MiniシリーズにはHDMI出力が1系統しかなく、その1系統の出力でプログラムOUTとマルチビューOUTのどちらか片方しか選択できない点だろう。

MV1330ではATEM Miniに入力される前のHDMIを4系統それぞれをMV1330のモニターとATEM Miniに分配することで、ATEM MiniのHDMI出力はプログラムOUT表示にできるようにハードウェア的で解決している。展示のように小さめのフィールドモニターを備え付ければ、MV1330とほぼ一体化するのでテーブル上などで移動させるときも面倒はない。

エーディテクノブースレポート説明写真

MV1330とATEM Miniシリーズの入出力および電源ポートなどは、同じように配置されているので普段からATEM Miniを単体で使用しているのであれば、配線などで間違う事もないだろう。また液晶モニターにはアンチグレア処理が施されており、反射も気になる事は少ないであろうし、モニターフードとまではいかないが、ケースとしての性質上モニター側に枠が多少飛び出しているので、角度を変えれば直情の光などは遮断する事が出来るだろう。

MV1330はただのATEM Miniシリーズのキャリーケースというよりも、ポータブルのスイッチャーボックスといっても過言ではない。