配信ソリューションのノミネート発表

配信ソリューション部門は、IPクラウド、スイッチャー、エンコーダー・デコーダーを表彰する。

今年もこの部門の目玉はスイッチャーだ。ライブ配信の業界は、2020年に始まった新型コロナの影響を境に一変した。オンラインセミナーや個人の配信需要が急激に増えて、各社からお手頃な価格帯のビデオスイッチャーが一気に増えた。この中でも特に飛び抜けていたのはBlackmagic Designで、ATEM Mini Proシリーズは入手困難な状況も話題になった。今年も、小型と高機能化の両立や4入力以上の高機能なビデオスイッチャーが各社から発売された。

2021年はクラウドサービスの発表も相次いだ。各社とも2022年サービス開始のためにノミネート対象外だが、ソニーは映像のスイッチング、テロップの重畳、動画ファイル再生の映像処理をクラウド上で実行できる「M2 Live」、パナソニックは「撮る・創る・映す」のワークフローをクラウドで提供する「KAIROS クラウドサービス」を発表した。クラウドサービスの登場によって、中継車やスイッチャーがなくなり、配信業務が完全リモート化になる日は遠くなさそうだ。

配信ソリューションのノミネート製品は以下の通りだ。

■Roland V-02HD MK II

発売日:2021年 価格:オープン。市場想定価格:税込50,000円前後

PRONEWS AWARD 2021 VOL.05配信部門説明写真

V-02HD MK IIは、パソコンと接続してライブ配信できるUSBストリーミング機能を新たに搭載した2チャンネルのビデオスイッチャーだ。V-02HD MK IIを使えば、2台のカメラを使ったライブストリーミングが手頃な価格で可能になる。V-02HDから搭載しているピクチャーインピクチャーやテロップ合成などの映像演出、スケーラー機能をそのまま継承して、MK IIからオーディオ入力が1系統から2系統に増えてより便利になった。さらによりお求めになりやすい価格を実現しているのもポイントだ。

■Roland P-20HD

発売日:2021年春 希望小売価格:オープン。市場想定価格:税込40万円前後

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P-20HDは、スポーツ中継に重宝するビデオインスタントリプレイヤーだ。野球のスイングやサッカーのシュートなど、スポーツの決定的な瞬間を指定して抜き出し、リアルタイムでリプレイ映像の挿入が可能になる。スロー映像の再生速度は、SPEEDレバーで調整可能。予算やスタッフの人員に限りがあるスポーツのライブ配信に、より印象的な映像演出が可能になるとしている。

■Roland V-160HD

発売日:2021年7月下旬 希望小売価格:オープン。市場想定価格:税込80万円前後

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V-160HDは、ハイブリッド・イベントに最適なストリーミング・ビデオ・スイッチャーだ。16つの映像入力と7つの映像出力対応し、ライブ配信とイベント会場に設置した大型画面のそれぞれに適したフルHDの映像を出力可能としている。さまざまな一連の操作を事前に記録して自動化することにより、本番中の複雑な操作や作業負荷の軽減が可能。少人数でもオンラインとリアルでの業務を同時に遂行でき、煩雑になりがちなオペレーションをサポートしながら多彩な演出を実現できるとしている。

■Blackmagic Design ATEM Mini Extreme ISO

発売:2021年2月17日 希望小売価格:税込162,580円

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2019年9月の「ATEM Mini」、2020年4月の「ATEM Mini Pro」に続く、最上位機種「ATEM Mini Extreme」を発売した。1 M/Eスイッチャーで、8系統の入力、4つのATEM Advanced Chroma Keyer、合計6つの独立したDVE、2つのメディアプレーヤー、2つのダウンストリームキーヤー、16画面まで表示可能なマルチビュー、2つのUSB接続、複数のHDMI Aux出力を搭載。さらにATEM Mini Extreme ISOモデルでは、ATEM Mini Extremeの機能に加えて、8系統の入力とプログラムの合計9ストリームの収録が可能。放送品質の配信エンジンを搭載しており、YouTube、Facebook、Twitterなどにライブ配信を可能としている。

■YoloLiv YoloBox Pro

発売日:2021年10月12日 希望小売価格:オープン。市場想定価格:税込165,000円前後

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YoloBox Proは、ライブ配信を実現するために必要な「エンコーダー」、映像を切り替える「スイッチャー」、映像を確認する「モニター」、映像を記録する「レコーダー」が一体型となったライブストリーミングエンコーダーだ。YoloBox Pro一台用意するだけで、ライブ配信に必要な機能の全てが揃うのを特長としている。映像視認性と画面操作性を両立した8インチタッチパネルや本体内部には10000mAhの大容量リポバッテリーを内蔵しており、Wi-Fiや4G/LTEなどのモバイルインターネット接続環境さえあれば場所を問わずライブ配信を可能としている。

■NewTek NDI 5

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NDI 5は、高品質・低遅延のライブ映像をリアルタイムで共有可能なIPビデオソリューションだ。NDI 5を使えばどこからでもあらゆるデバイスからの接続が可能になり、リモート制作でもローカル同様に効率的に番組制作が行える。無償提供のツールには、世界中どこからでも離れた場所同士でNDIソースを共有できる「NDI Bridge」、オーディオソフトウェアで NDI の利用を可能にするオーディオプラグイン「NDI Audio Direct」、URLを共有するだけでインターネットを介してビデオやオーディオを受信できる「NDI Remote NDI 5」などがある。

以下が配信ソリューションのノミネート製品となる。

■PRONEWS AWARD 2021配信ソリューション ファイナリスト

  • ローランド 「P-20HD」
  • ローランド 「V-160HD」
  • ローランド 「V-02HD MK II」
  • Blackmagic Design「Blackmagic Web Presenter 4K」
  • Blackmagic Design「ATEM Mini Extreme ISO」
  • YoloLiv「YoloBox Pro」
  • NewTek「NDI 5」

はたして何が受賞するのか…?いよいよ発表!

PRONEWS AWARD 2021 配信ソリューション ゴールド賞

Blackmagic Design ATEM Mini Extreme ISO

PRONEWS AWARD 2021 VOL.05配信部門説明写真

受賞にあたり、Blackmagic Designよりコメントをいただいた。

非常に光栄に思います。ATEM Mini Extreme ISOは、藪から棒に生まれた製品というわけではありません。というのは、これはATEM MiniやATEM Mini Proといった既存のモデルに対するお客さまからのリクエストがあってはじめて誕生した製品だからです。ATEM Miniファミリーの着実な進化の歩みがそこにはあります。DaVinci Resolveの成長過程と似た歩みです。

ATEM Mini Extreme ISOという製品の土台には、最先端のテクノロジーや優れたデザインがあるわけですが、その背後の推進力となっているのは、DaVinci Resolveの場合と同じく、世界中のユーザーの方々からのフィードバックではないかと思います。

ブラックマジックデザインはATEM Miniをリリースする前から、放送機器メーカーとしてさまざまな業務用製品を開発してきました。ATEM Miniはその知見を生かして開発された製品ですが、それ以外にもカメラ、モニター、レコーダー、プレーヤーなど、配信に役立つ多くのラインナップをご用意しています。そしてATEM Mini Pro ISOは、Studio Camara 4K ProやDaVinci Resolveといった製品と組み合わせると、さらにパワフルな使い方ができる製品でもあります。

ここ数年、配信の需要は高まっているわけですが、その中で配信のソリューションが必要な場合には、ぜひブラックマジックデザイン製品をご検討いただけますと幸いです。

PRONEWS AWARD 2021 配信ソリューション シルバー賞

YoloLiv YoloBox Pro

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受賞にあたり、YoloLivよりコメントをいただいた。

「配信ソリューション」部門 銀賞を受賞したことを大変光栄に思います。

第一に、私たちの製品を評価していただき、製品の性能を向上させるために今後の努力を促す組織委員会に感謝したいと思います。

第二に、私たちの製品を愛してくださるユーザーの皆様に感謝したいと思います。 YoloLivのスローガンは「Building the next generation livestream tool」(次世代のライブストリーミングツールを創造すること)です。この目標を達成するために、私たちは常に製品の新機能を開発し、最新かつ最高の製品とサービスをユーザーの皆様に提供し、マルチシーンのライブストリーミングで皆様に力を与えたいと願っています。

私たちは、ユーザーの皆様の声、コメント、フィードバックを非常に大切にしています。私たちは、ソーシャルメディア/Facebookコミュニティ/チャネルのベンダー/パートナーから受け取った情報を記録し、議論し、良い提案や要望に対しては、定期的にバージョンアップを展開し、ユーザーの皆様の新しいニーズに継続的にお応えしていきます。

最近では、クロマキー、モイターモード、キャプションウォーターマーク、スポーツスコアボード、カウントダウンウォーターマーク、コメントインタラクションなど、非常に便利な機能が実装されており、ユーザーの皆様の日々のライブでのパーソナライズされたニーズに応えることができます。当社製品にご興味をお持ちの方は、ぜひお近くの販売店でお買い求めください。 また、ご期待やご要望がございましたら、FacebookやInstagramなどで、製品に対する貴重なご意見をお気軽にお寄せください。


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