DJIが2021年10月20日に発表したRonin 4D。このカメラについては動画界隈ではかなりセンセーショナルに取り上げられていたと思うので、ここをご覧のほとんどの方がご存じかと思う。そしてこの機材の概要についても多くの方の知るところだと思う。
かくいう私も発表の当日はリアルタイムにプロモーション動画を鑑賞していたし、個人のブログの方にも即日記事を執筆した程だ。それくら気になる機材であったし、これは今のDJIの勢いを物語る象徴的な製品だと思う。
今年発表も映像を高品質に撮影できるカメラがいくつも発表されたが、その中でもRonin 4Dは一度使ってみたい!と発表と同時に思ったカメラだ。
そんな折に編集部から今回のレビューのお話を頂いたのは大変嬉しい限りである。
Inter BEE 2021の会場で最も注目を集めていたカメラ
Ronin 4Dは2021年11月に幕張メッセで二年ぶりに開催されたInter BEE 2021において、システムファイブブースで展示され多くの注目を集めていた。実際に一人4分の制限はありつつも触れる機会が用意され多くの方がタッチアンドトライの為に列をなしており、その待ち時間は長い時で30分程度だったと思う。これは放送系の展示会としては異例な事だったと思う。
一言で言うならば全部載せシネマカメラ
まずは、Ronin 4Dの概要について改めて記載したいと思う。このカメラは一言で言えば「全部載せシネマカメラ」ということになろうかと思う。内蔵NDフィルタや、スタビライザーやLiDARを使ったフォーカスシステムを備えたフルサイズカメラであり、今まで見たことの無いフォルムのシネマカメラだ。モジュールの追加でXLR入力や映像の無線伝送も可能となっている。
Ronin 4Dには2つのラインナップが存在する。それぞれ撮影できるフレームレートが異なるのでご注意頂きたい。また、コーデックによっても撮影できる解像度やフレームレートが異なっている。
X9-6Kの解像度と最高フレームレート
フルフレーム6K撮影での最大フレームレートは60fps(17:9の場合は48fpsまで)となっている。また、このフレームレートはProRes RAW収録及びProRes 422HQの場合で収録可能である。
今回編集部からお借りしたカメラはこちらのX9-6Kのタイプである。
X9-8Kの解像度と最高フレームレート
フルフレーム8K撮影での最大フレームレートは2.39:1の場合で75fps(17:9の場合は60fpsまで)となっている。また、このフレームレートはProRes RAW収録の場合のみ有効である。ProRes 422HQの場合はフルフレーム8K30Pが最大解像度となる。
外装、機能的な側面(X9-6K/X9-8K共通事項)
まず、そのジンバル(スタビライズ)機能についてである。これがRonin 4Dの最大の特徴であろう。いわゆる普通の3軸スタビライズに加えてZ軸の補正が行える。
Z軸に関しては過去に多くのスタビライザーで使われている単にバネだけを使ったシステムとは一線を画す。多くのスタビライザーではバネを使った縦方向の振動を吸収するシステムが採用されているが、これは歩き方(ピッチ)や搭載する機材の重量に大きく依存しており、縦方向の振動を電子的に吸収するソリューションは存在していなかった。
Ronin 4Dの場合はほとんどのミラーレスカメラが採用している様なセンサーシフト式の手振れ補正(IBIS)を搭載せずに、全てのブレはジンバル側でねじ伏せようというもの。ゆえに、ボディ内手振れ補正にありがちな広角側の「ぐにゃり」とした像の歪みというものとは無縁だ。
期待通りの映りを実現
まずはカメラの本分である映りについて述べたいと思う。
作例
結果から言うとRonin 4Dはフルサイズセンサーを搭載しているということもあり、ノイズ感、ダイナミックレンジ共に十分な余裕を感じさせるものだ。
お借りしている期間に少し撮影を行ったのでその作例を紹介したいと思う。
解像感
試させて頂いたRonin 4Dは6Kバージョンだが、4Kモニタで鑑賞するには十分な解像感が得られる。レンズや、撮影時の設定、ポスト処理に依存するところもあるが、4Kギリギリの解像度を持つカメラに比べて6Kからオーバーサンプリングされた映像はキレの良さを感じることができる。
ノイズ耐性
6Kフルサイズという画素ピッチに余裕があるセンサを搭載しているためRonin 4Dは非常にクリーンな映像をキャプチャすることが可能である。
ProRes 422HQは本体内部でノイズリダクションを適用しつつ記録することができる。この際のISOは12800であってもノイズが気になることは無い。
また、ProRes RAW収録の場合はセンサーの素の映像がノイズリダクションのプロセスを経ずに記録されるためにディテールと共にノイズ感が残った状態となる。そのため必要に応じてノイズリダクションをポスト処理で行う必要があるのだが、ISO4000で撮影した夜景のカットではProRes RAW収録にも関わらず一切のノイズリダクションを行っていない。ISO4000ではノイズリダクションの必要性をほとんど感じなかったためだ。
なお、Dual Gainを搭載した撮像素子であるため、ISO3200の撮影よりも高ゲイン回路に切り替わるISO4000の方がノイズが少ない。
ダイナミックレンジ
チャートによる実測こそ行っていないが、作例を撮影する中で普段私が使用しているNetflix認証を受けている14+ストップのスペックカメラと遜色ないダイナミックレンジの広さだと思う。
そもそもダイナミックレンジレンジはX9-8K/X9-6Kともに14ストップ以上というスペックが示されており、それがカタログスペックでは無いと感じた。
D-Logガンマで撮影した際のハイライト側のロールオフも違和感が無く綺麗にクリップレベルに繋がっている印象を受けた。
各部の使用感を検証
操作性について
撮影する上においてF値/ISO感度/ND濃度は頻繁に変更するファクタだが、それらをハンドグリップを握ったままで変更することが可能である。当然フォーカスのコントロールも右手側のダイヤルを回すことで細かく調整を行うことができる。
LiDARの表示のON/OFFやジンバルのコントロールもグリップに搭載されている各種ボタン、ジョイスティックにてコントロールを行うことができるので、スマートに統合された操作系だと思う。
ただし、記録画質の変更やジンバルの細かい設定に関わるところは本体の液晶モニタにて設定することになる。
ジンバルの挙動及びジンバルのモード変更について
次にジンバルの操作系について説明しておこう。ジンバルのモード変更は本体左側面のトグルスイッチにて行う。なお、Z軸の起動はこのトグルスイッチの上部にある4Dというボタンで起動するが右手側ハンドグリップの人差し指ボタンを2回押しでも起動することができる。
ロックモードもトグルスイッチでの設定が可能だが、左手側のハンドグリップの同ボタンをホールドすることでロックすることも可能だ。
スタビライズ操作に関しては一度ジンバルを扱った事がある人にとっては特に難しい所は無い。むしろ、扱いは非常に簡単だと言える。
カメラ本体をジンバルに搭載する通常のスタビライザーとは異なり、Ronin 4Dでは搭載するものはレンズのみを交換する方式のため、そもそも左右のバランス調整機構が無い。
ほとんどのレンズはそもそもほぼ左右対称にウェイトバランスがあるためで根本的に左右でバランスを調整する必要が無いのだ。よってジンバル周りでバランスを調整する機構は、前後だけというシンプルなものだ(カウンターバランスが必要になるケースはある)。なので、そもそもバランス取りに時間がかかるということも無い。
キャリブレーションも当然ながらフルオートで行うことが可能となっており、あっけないほどに安定した映像を撮ることができる。
Z軸に関してはバネ強度を手動で調整する必要があるが、これもダイヤルを回すだけの機構なので調整は非常に短時間で行うことができる。
ジンバルの挙動に関しては、初期設定の状態でも非常に扱い易い挙動だと感じた。正直初代のRoninSを使った時には挙動が硬く個人的には満足できなかった記憶があるのだが、Ronin4Dのジンバルはパンやチルトのフォローの初動が非常に滑らかで違和感の少ない映像を撮ることができる。
当然各フォロースピードやデッドバンド角の調整も簡単に行うことができる。
そして、Z軸はジンバルを扱った人にとっては困りごとである縦軸を吸収してくれる待望の機構である。このZ軸はセンサーを使った縦軸のブレを電子的に制御してくれるものであり、ラフに歩いても綺麗にブレを吸収してくる。Z軸が動作している姿は初めは気持ち悪いと感じるのだが、それ以上に縦軸を吸収するに驚いた。
メニュー構成について
メニュー構成については一言で言ってしまえば、BlackmagicDesignのカメラ風だ。直感的に分かりやすい表示である。記録系、表示系、ジンバル系と複数のページにカテゴライズさられており初めてでも操作に迷う事が無いと思う。
記録メディアについて
今回主に撮影に使用したのはDJIの「PRO SSD 1TB」である。USB-C経由で外部SSDを接続して記録することもできるのだが、記録モードに制限があるため基本的にこのメディアを使用するのが妥当だと思う。
なお、Ronin 4Dではデュアル記録はできない仕様となっているため、現状ではバックアップ記録を行うことができないのは少し残念な点ではある。将来的には外部SSDとのデュアル記録ができる様になると良いかなと思う。
なお、このDJI PROSSD 1TBはUSBを使ってPCに直接接続することが出来る。シネマカメラの多くは独自SSDを採用しているため専用のドックが必要になるケースがあるが、このカメラは非常に簡単にデータを取り込む事が可能になっている。
NDフィルタについて
Ronin 4DはNDフィルタが内蔵されている。多くのシネマカメラで搭載されているNDフィルタではあるが、やはりNDフィルタが内蔵型は便利だ。露出の決定時にF値/ISO感度/SSと同様にNDの濃さを段階的とは言え変更することの利点は今更言うまでも無いと思う。
驚くべきことは、このNDフィルタがこの小さなカメラモジュールに搭載できている点である。上下にNDフィルタの退避箇所が存在するはずなのだが、このサイズでよく入っているなと感心した。
また、同一光源下でシャッタースピードを調整し同一露出になるようにClear~ND64までをキャプチャした画像が下記であるが、色の変化やトーンの変化はほとんど見られなかった。屋外撮影で安心して使用する事ができると思う。
LiDARを使用したAFシステムについて
Ronin 4Dは撮像面での位相差検出素子を持たない。また、コントラスト方式のAFも搭載していない。つまりオートフォーカスはあくまでLiDARを使った測距システムの使用が前提となる。
ここの部分に関しては先にレビューされた鈴木佑介氏のレビュー「空から舞い降りたDJIの「白鳥カメラ」~DJI Ronin 4Dが導くシネマカメラの新次元」思うが、予想以上に良く出来ていると感じた。
なお、同氏のレビュー時点では無かったAuto Calibrationが最新のファームアップで追加されている様で、FEレンズ(SEL20mmF1.8)を使った際にこれを試したところ、難なくAF撮影を行うことができた。これについて原理的なところは私も把握していないが、これが複数のレンズで実使用に耐えられるものかどうかはもうすこし検証してみたかったところだ。
実は当初私はLiDARの使用についてはかなり懐疑的なところがあった。
そもそもLiDARのシステムは特定波長の反射の速度を計測する機構のため、測距限界がある点(Ronin 4DのLiDARは20mが測距限界)と、LiDARの発光源が撮像素子が受光する波長領域に割り込んでしまい夜の撮影や近接撮影時にLiDARの光が映ってしまうのでは無いかという点を懸念していた。
まず前者についてであるが、数十メートル先に厳密にピントを合わせたい、といった望遠撮影を行う場合は明らかに測距限界として足りない。だが、そもそもRonin 4Dでは望遠撮影を前提にしておらず、比較的過焦点距離が近い撮影が前提である。そのためRonin 4Dで使う前提のレンズとして問題は無いと思う。
また、後者については暗い中での近接撮影を実験的に行ってみたがそのRonin 4D側で光源が映り込むという現象は確認できなかった。つまり先に書いた二つの点は私の杞憂だったと言える。
ただし、Ronin 4DではこのLiDARの光源は映らないものの、上の写真の様に他のカメラで撮影をするとそれなりに発光していることが分かる(目には見えないが可視光外が映るカメラは多い)。
つまりIRカット特性が比較的緩やかなカメラを併用した場合は、LiDARの光が映像に映ってしまう可能性は無くはないと思う。明るい所の撮影では問題ないが、Ronin 4Dと併用して他のカメラを使用する様な場合は被写体に照射されたLiDARの光源が映り込まないかを事前に確認する。もしくは必要に応じてIR-Cutフィルタを使うと事故が無いと思う。
実際のAFの挙動に関してだが、例えば人物撮影に対してはほぼストレスなく撮影できると言える。AFC使用時の感度も調整することができるので、細かく前後する被写体に対してルーズさを持ってピントを移動させる様な設定もできる。なお、今回の作例は一部遠景を除いては全てAFを使用した撮影である。逆光の状況下でもピントがしっかり合うというのは非常にありがたい。
そもそも動画はマニュアルで撮るをモットーにしている筆者ではあるが、いつでもどこでもマニュアルで撮るというのは結構面倒だし、時にはこういった機材でフォーカスは手を抜きたいと思うのである。
重量に関して
見た目はゴツイく重量4.6kgオーバーというスペックだが意外と重くは無い。決してこのカメラを軽いとは表現できないが、このカメラは両手のグリップを握ったまま主要な操作が可能であるが故に、片手で操作するのは最小限で済む。
筆者はグリップの上部にストラップを通して首、両手の3点で支える撮影を行ったため疲労感はさほど感じなかった。むしろハイパワーなジンバルにミラーレスカメラを搭載し、片手でオペレーションする方がよっぽど体力を消耗する。
実際に撮影を始めるまでは、「これは数分しか体力が持たないのでは?」という心配をしていたものだが、意外とイケるのだ。
また、グリップが本体の前後バランスの絶妙なポジションに配置されているために、両手て支えた際の楽なのだと思う。
また、グリップに関しては角度を変えられる機構が備わっており、撮影スタイルに応じて変更することができる。
4Dトランスミッター/高輝度遠隔モニター間の遅延時間
私の撮影スタイルでは使用する機会が無かったが、今回は4D映像トランスミッターと高輝度遠隔モニターの組み合わせも試させて頂いた。
この4D映像トランスミッターをRonin 4Dに搭載すれば遠隔モニター上で映像の長距離受信を可能としつつ、Ronin 4Dの本体操作を可能となる。当然ながら各種露出の設定、ジンバルのコントロールからマニュアルフォーカスによるピント合わせまで可能であり、LiDARによる被写体の距離情報も大画面で確認する事ができる。
このシステムは私の様なワンマンオペレーション主体のカメラマンでは使う事は無いが、複数人によるクルーでの撮影には大いに威力を発揮すると思う。
なお、この手のオプションで気になるのは映像の品質と遅延時間である。ピントの確認をしようにも映像の品質が悪ければピントの山は分かりにくく、またピント合わせる際に遅延時間が大きければ動く被写体に対してピントを合わせ続けることが困難だからだ。
4D映像トランスミッターと高輝度遠隔モニターの組み合わせの場合、映像品質も遅延時間も本体のモニタで確認する以上の品質が確保できていると言ってよい。それどころか実験してみると、本体のモニタよりも高輝度遠隔モニターで受信している映像の方が遅延が少ない様だ。
これに関しては未だに解せない部分が多いのだが下記の写真をご覧頂こう。これはモニタに60fpsでアップカウントするタイムコードを表示させつつ、Ronin 4Dの背面液晶及びトランスミッションモジュールから送られた映像の3つを撮影した写真である。
一番時刻が進んでいるのは当然ながら背面にあるテレビモニタである。12フレーム(12/60sec=200msec)遅延しているのが本体液晶である(TVに写している映像は60fpsだが30P撮影なので実際には6フレームの遅延)。
当然これくらいの遅延は多くのカメラで一般的だと思う(なお、この遅延はトランスミッターモジュールをOFFしてる時も同じ)。
ところが、トランスミッターモジュールから送られた映像を見ると8フレーム(8/60sec=130msec)しか遅延していない。つまり本体の液晶表示よりもトランスミッターモジュールで送信された映像の方が遅延量が少ない事を意味している。
いくつか理由が考えられるが、本体の表示系統とは別に高速に映像伝送するパスが機構的に備わっているのかもしれないがこれは予想していなかった結果である。
ProRes RAWの利便性
今回の作例ではほとんどがProRes 422HQを使用したのだが一部でProRes RAWの撮影も試した。そもそもProRes RAWは以前に比べて多くのカメラの外部収録で対応し始めており、少しずつではあるが市民権を得られてきているフォーマットだ。ミラーレスカメラの場合はATOMOS製品と組み合わせた際に外部収録ができるソリューションだが、Ronin 4Dの場合は本体のみでProRes RAW収録できる(なお、DJIはZENMUSE X7からProRes RAWの収録に対応している)。
このProRes RAWは編集・グレーディングを行う際のNLEに限りはあるが、高品質なデータを提供するものであり、撮影後のWB修正、露出の変更の自由度が高い。また、データ量こそ大きい物のデコードに使用するPC負荷も軽く、高品質な映像で自由度の高いポスト処理を行う場合は同フォーマットを使う価値はあると思う。
なお、撮影時に異なるWB設定で撮影した2つの映像を任意のWBに設定した際に両者が一致するのかを試してみたが、当然ながら2つの映像は同じ色味となる。
※画像をクリックして拡大
※画像をクリックして拡大
※画像をクリックして拡大
撮影時にWBをしっかり追い込むことはカメラマンとして当然行うべき作業ではあるが、調整の自由度が高いという意味では通常の圧縮コーデックの比ではない。
まとめ ~Ronin 4Dはどこで活躍するカメラなのか~
今回Ronin 4Dを試用させて頂いて改めてDJIという会社のパワーを思い知った次第である。そもそもこれだけの全部載せカメラを作ってしまうのは、DJIという会社以外に無いのではないかと思う。このカメラがあれば広角から中望遠領域まで手持ちでブレない高品質な映像を撮ることができる。ジンバルの動きも私好みだし、同カメラで撮影した素材を見ていても美しい。
だが、いつでもどこでもこのカメラだけを使って撮影をすると考えるのは、少し間違っていると思う。全部載せたカメラが全部のシチュエーションに対応できるかというとそうでは無いと思うのだ。
まず、Fix撮影が必要な撮影ではこのカメラを敢えて使う必要は無いし、別のカメラを使う方が良いと言える。また、望遠撮影が必要なシチュエーションではこのカメラは不向きだ。そもそも長玉を付けられる様にはできていない。また、フットワークが要求される撮影・取材にも不向きだと思う。
それは大型のジンバル一体型シネマカメラという、このカメラの宿命だろう。
あくまでこのカメラは特定の撮影においてはほぼ完成されたソリューションであってその使用箇所は少し限定されるものであると考えた方が良いと思う(このカメラを検討されている方には今更言うまでもないと思うが)。
ある程度クルーがいる中規模以上の撮影にはトランスミッターの映像確認、外部操作を含めたソリューションは威力を発揮するし、機材を減らしつつ効率化を図ることができると思う。AFも十分使用に耐えうるものだし、カメラマンとフォーカスマンの役割をスマートに割り振りできる。また、Z軸の補正は今までにないほどに良くできている。ゆえに人が手持ちで撮影しないと成り立たない比較的近景シチュエーションでは大きくその威力を発揮するだろう。
しっかりと撮るべき映像のビジョンが見えている撮影で、どのカットでこのカメラが活かされるかを見極めるとこのカメラの存在意義が見えてくるはずだ。
SUMIZOON|プロフィール
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行う。機材メーカーへの映像提供、レビュー執筆等。現在YouTube「STUDIO SUMIZOON」チャンネル登録者は1万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。