幅広いジャンルのカメラ、レンズの新製品に注目

カメラやレンズの新製品を巡るコース。今年は放送用、シネマ用、個人クリエイター向けなど、幅広いジャンルから偏りなく新製品が登場。ここ数年のフルサイズや6K・8K化のトレンドからガラッと変わった新製品の展示に注目だ。


01 映像制作用交換レンズ「SIGMA CINE LENS」65mm
シグマ[#8502]

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FF Classic Prime Line 65mm T2.5 FF

今年のシグマブースは、「Be practical」をテーマにSIGMA CINE LENSの最新情報を紹介。11本揃ったPrimeラインナップの展示や特別仕様のFF High Speed Prime Lineが採用された映画「トップガン マーヴェリック/Top Gun:Maverick」をはじめとする同社シネレンズ使用実績紹介、一眼動画にも最適なカメラ・レンズ試用コーナーを予定している。注目製品は2023年1月発売のFF Classic Prime Line 65mmとFF High Speed Prime Line 65mmの展示だ。

FF Classic Prime Lineシリーズは見栄えのよりフレア・ゴーストによるクラシックな映像表現を両立し、FF High Speed Prime Lineシリーズは高解像撮影に最適な光学性能や既存ラインアップとのユーザビリティの統一を実現しながらシネマレンズ専用設計の光学系を特徴としている。

02 フルフレームプライムレンズ「Leitz Hugo」
三友[#8505]

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Leitz製品は三友ブースに出展。2022年9月に発表したLeitz M0.8シリーズの人気に基づいて構築された「Hugo」を展示する。小型、高速、軽量で、ライカMレンズの個性を十分に発揮し、可能な限り近接撮影ができるように設計されている。7本のフルフレームレンズの初期セットは、21mmから90mmまですべてT1.5で、また18mmと135mmの焦点距離のレンズも間もなく発売される。50mm T1.0レンズも用意されている。

同ブースでは発売を開始したばかりのElsieや2021年度に引き続きLeitz Zoom、Leitz Primeの展示も行う予定としている。

03 スーパー35mmフォーマットCinema Lineカメラ「FX30」
ソニーマーケティング[#7416]

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ソニーブースでは、クラウド制作プラットフォームやオンプレミスクラウドライブプロダクション、Cinema Lineカメラを展示する。その中でもイチオシは、Cinema Lineカメラの「FX30」だ。

Cinema Line共通のルックと操作性を備え、14+ストップのワイドラチチュードや6Kオーバーサンプリングによる高解像度4K収録に対応。デュアルベースISOやブリージング補正、フォーカスマップにも対応し、若手クリエイターの最初の一台となるだけでなく、サブ機としての運用、機動力が求められるシーンにも適した一台としている。

04 8K VVシネマカメラ「V-RAPTOR XL 8K VV」
RAID[#7202]

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V-Raptor XLからKOMODOまでのRED Digital Cinema社製シネマカメラ5台やTeradek社製Boltシリーズ、SmallHD社製4Kモニター、Smart5(5インチ)モニターを展示予定としている。

今年の同社ブース注目はV-Raptorシリーズ「V-RAPTOR XL 8K VV」(以下:V-RAPTOR XL)の展示だ。DSMC2のRANGERと同じV-RAPTORの一体型モデルで、インターチェンジブルマウントや内蔵NDフィルターを特徴としている。コンパクトでモジュール式のV-RAPTORボディにマルチフォーマット8Kセンサーを搭載し、8Kラージフォーマットと6K S35の撮影を可能にする。S35レンズと組み合わせた場合でも、常に4K以上の画質で撮影が可能。センサーは、同社カメラの中で最も高い記録ダイナミックレンジとクリーンなシャドウ性能を誇るという。

05 RUN GUNカムコーダー「HC-X2」
パナソニック コネクト[#6316]

HC-X2

パナソニックブースのメイン展示はKAIROSシリーズだが、ビデオカメラの展示も健在だ。特に2022年10月20日発売の1.0型MOSセンサー搭載ビデオカメラ「HC-X2」の展示は注目だ。

1.0型MOSセンサーの採用と4K60P10bit記録対応により、広いダイナミックレンジと低照度耐性を確保した4K60P記録を実現。広角24.5mmから被写体に寄れる光学20倍ズームの広い焦点域により、さまざまなフィールドで使用を可能としている。さらに、13ストップの広いダイナミックレンジを実現するV-Log/V-GamutやHLG記録などの高度な制作フローへの対応やSDIやLAN端子の搭載によりさらに幅広い用途への活用を可能としている。

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06 放送用ズームレンズ「FUJINON HZK25-1000mm」
富士フイルム[#6315]

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新開発の「HZK25-1000mm」のプロト機を披露する。また、同社ブースではクリアでナチュラルルックなルックを特徴とする「Premistaシリーズ」や、デジタルカメラ「Xシリーズ」など多彩な動画ソリューション、その他にも超単焦点プロジェクター「Z8000」による多面スクリーン投写やポートレート投写など、光学技術を集結させた製品を展示する。

HZK25-1000mmは、4Kを超える光学性能を有し、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用したPLマウントの箱型レンズ。通常時はスーパー35mmに相当するイメージサークルを搭載。内蔵のデュアルフォーマットエクスパンダーを「フルサイズ」に切り替えることで、約1.5倍のイメージサークルとなり、対角41.3mmまでのセンサーに対応する。この際、焦点距離が1.5倍望遠方向にシフトされるため、スーパー35mmカメラとの組合せでは、純粋なx1.5倍のエクステンダーとしても使用可能としている。

PLマウントを搭載した箱レンズとして初めての光学式防振機構を搭載。地面からくる揺れだけでなく、手元の操作による揺れも適正に補正するという。さらに、従来のFUJINON放送用アクセサリーに対応。ズームデマンド「ERD-50A」、フォーカスデマンド「EPD-51A」との組合せでは、機能スイッチにユーザー好みの機能を割り当てることができる。

また、リターンやエクスパンダー切替のような従来機能だけでなく、防振のON/OFFやバックフォーカスの調整なども手元での操作に対応。カメラマンにとっては、慣れ親しんだスタイルでの操作ができるため、既存のオペレーションにもスムーズな導入が期待できそうだ。