今注目のバーチャルプロダクション関連を巡るコース。バーチャルプロダクションは、現地のロケ撮影を減らせることや現地での天候の制約を受けない映像制作手法だ。ここではInter BEEの会場でバーチャルプロダクションの核となる「LED」「トラッカー」「メディアサーバー」の出展企業を紹介しよう。

01 バーチャルプロダクションソフト「Pixotope」
三友[#8505]

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三友ブースでは、バーチャルプロダクションソフトウェア「Pixotope」の展示を行う。ブースには2台(3種)を展示する。

1台はXR/VS(クロマキー合成)ハイブリッド展示。LEDディスプレイ(W2m×H2.5m 2.3mmピッチ)とLEDの手前にクロマキーのカーテンを引いたバーチャルシーン(VS)をセットしたスタジオセットを設置して、XR/VSのコンテンツ切り替えが簡単にできる特徴も含めた展示を行う。グリーンバックの背景に映った人物(身体)の主な特徴点を推定し、人の動きと仮想環境(CG)のオブジェクトと融合させるBPE(Body Pose Estimation)の技術も見られる。Pixotopeの傘下に参入したTrackMenテクノロジーの反射マーカー方式とマーカレス方式のハイブリッドトラッカー「Pixotope Complete」のデモンストレーションも予定している。

もう1台はARの展示で、パナソニック コネクト製PTZカメラAW-UE150(FreeD D1プロトコル制御)をブース内に向けて配置し、Pixotopeのキャラクターが出現するデモを行う。PixotopeにはWebブラウザ上でコンテンツ制御を可能するインターフェース作成ツールが用意されており、それを使い作成した操作画面(タッチパネル操作)の展示を行う。

02 「xR」、「Virtual Production」システム全般を展示
アークベンチャーズ[#6314]

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ARK VENTURESは、昨年好評だった展示に引き続き、今年もLEDを使用した「xR」、「Virtual Production」のシステム全般を展示する。

LEDはROE社の「BP2V2」「CB5」、コントロールシステムはMegapixel VR社の「Helios 8K」、機能スイートは「Ghost frame」、メディアサーバーはdisguiseの「vx4」「rxⅡ」、カメラトラッキングはMo-Sys社の「Star tracker」、その他、CAST社Blacktrax、Convergを展示予定。

同社ブースの注目は、「マルチカメラシステム」だ。 通常、撮影の多くが1台のカメラで行われているが、 このテクノロジーを使用することで、複数台のカメラで同時撮影に対応。1台のカメラでCGを、もう1台でグリーンの収録が可能になる。

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03 disguise社メディアサーバー「vx4+」
ナックイメージテクノロジー、ROE Visual、disguiseの合同展示[#6209]

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disguise、ナックイメージテクノロジー、ROE Visualが合同展示。バーチャルプロダクションの主要なコンポーネントである「カメラトラッキング・システム-Stype」「メディアサーバー/レンダリングノード-disguise」「LEDパネル-ROE Visual」の代表的な3社がナックイメージテクノロジーブースに集合し、バーチャルプロダクションの実働展示を行う。

disguiseは映像の入出力や再生、合成、マッピングを行う映像システムの中核を担う「vx4+」を展示。vx4+は高い技術が求められるバーチャルプロダクションやコンサートやイベントの演出、プロジェクションマッピング、インスタレーションを想定して設計されたメディアサーバー。映像システムに⼤きなパワーを与えるメディアサーバーにより、限界を超えるコンテンツ制作を可能にするという。

04 リモートプロダクションシステム「R2 SYSTEM」
池上通信機[#6211]

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今年の池上通信機ブースは、コロナ禍で変わりつつある番組制作に対し、バーチャルプロダクションおよびリモートプロダクションのコラボレーションをブース内で実演する。バーチャルプロダクションのコーナーでは、トラッキングシステムなしでVFXを実現するR 2 SYSTEMのバーチャルプロダクションを体感できる。VFXとは別にレール型R2 SYSTEMの参考出品もある。

他にはIPシステム、カメラシステム、スイッチャーシステム、AVシステム、トランスミッションシステム、ヘリコプターカメラシステムなどの展示も予定している。

05 バーチャルプロダクションソリューション
レスターコミュニケーションズ[#5116]

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レスターコミュニケーションズは、グループ会社のタックシステムと合同出展。Avidトータルソリューションやクラウドワークフロー、バーチャルプロダクションシステム/LEDディスプレイ、Mistikaテクノロジーなど最新ソリューションを展示する。

同社ブースの中でも注目は、バーチャルプロダクションシステムの展示だ。6m×3mのLEDディスプレイを設置し、ビジュアル・グラフィックス製のカメラトラッキングシステム「LinkBox」、Unreal Engineをインストールしたワークステーションのシステム構成でバーチャルプロダクションシステムを実演する。LEDディスプレイを使ったバーチャルプロダクション導入には多額のコストがかかるが、同社システムは低コストで導入可能なコストパフォーマンス重視をコンセプトとしている。