AWS(ホール4 小間番号4615)のブースの見どころをたどるコース。AWS展示ブースでは、展示スポンサー9社と連携し「コンテンツ制作」「放送」「メディアサプライチェーン」「Direct-to-Consumer &ストリーミング」「データサイエンス & AI/ML」の分野において、AWSクラウド上で構築およびAWSサービスと連携したメディアワークフローを一挙に紹介する。ブース内ステージでは、スポンサー社およびAWSによるプレゼンテーションをはじめ、クラウド活用した現場運用について発表する。

※開催期間中、AWS展示内にて見どころを紹介するブースツアーを実施する。各日、3回。事前登録制で、当日の参加も可能。
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AWSブースの全景

AWSソリューション展示

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AWSブースの構内図

■A-01 コンテンツ制作

映像制作におけるクラウドの活用について2つのソリューション展示を行う。リモート編集を想定した、コンテンツ共有と編集ワークフローでは、クラウド上の編集環境との効率的なアセット共有と、シームレスな編集フローを実際に触って体験できる。また、バーチャルプロダクションでは、Unreal Engine 5を活用したリアルタイムモーションキャプチャを紹介する。

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■A-02 データサイエンス&AI/ML

クリエイティブを支援するAIの活用とビジネスアプリケーションでのAIの利用をテーマに、Amazon BedrockとAmazon SageMakerで構築する生成系AIソリューションを展示する。また、AWS Clean Roomsによる、企業間のデータコラボレーションの実演も行う(国内一般初公開)。

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生成系AIを活用したスーパースローモーションのデモアーキテクチャ
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AWS Clean Rooms による企業間のデータコラボレーションデモアーキテクチャ

■A-03 Direct-to-Consumer (D2C) & ストリーミング

300mm秒以下の超低遅延配信を実現できる「Amazon IVS」の新機能や、コンテンツ配信向け動画パッケージングサービス「AWS Elemental MediaPackage v2」での低遅延のHTTPライブストリーミング(LHLS)をデモ展示(国内一般初公開)。

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■A-04 メディアサプライチェーン&アーカイブ

AWSのAI/MLサービスを組み合わせたMedia2CloudおよびAWSクラウドサービスの一連により次世代メディアサプライチェーン(MSC)を実現するメディアアセット管理ソリューションを実演で紹介する。

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■A-05 放送

ライブクラウド制作とクラウドプレイアウトの2つのデモを行う。ライブクラウド制作では、国内外のパートナーソリューションを連携した展示を行い、ライブ制作に不可欠な主要機能を確認できる。クラウドプレイアウトでは、日本の放送に焦点を当てたクラウドプレイアウトの”現在地”をデモを通じてご紹介する(国内一般初公開)。

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ライブクラウド制作
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クラウドプレイアウト

AWSパートナー/企業 9社によるクラウドソリューションを展示

■S-01 KKCOMPANY

「BlendVision One」と「Going Cloud」の2サービスを展示する。BlendVision Oneは、ビジネス課題解決型動画配信プラットフォーム。社内外のコミュニケーションを促進させ、企業やビジネスの成長に寄与をするほか、ユーザーの要件に応じてカスタマイズしたプロフェッショナルサービスを提供するという。Going Cloudは、AWS上でのAIを使ったDataの活用を中心にシステムインテグレーションおよびAWSのリセールをAWS環境で構築するサービスとしている。

BlendVision Oneは社内外のコミュニケーションを動画化して、社員やクライアントとのエンゲージメントを高めたい企業、自社で保有する映像コンテンツをエンドユーザに届けたい放送やOTT関連を、Going CloudはAWS環境を構築されていて、AIを使ってどのようにビジネスを解決できるのか悩まれていたり、今あるデータを使って解析や検索を行ってより必要なデータを見つけやすく、活用できるように発展させたい企業をそれぞれ対象としている。

BlendVision Oneは、プロダクトに実装される標準機能によるライブ配信、VOD配信であればアカウント作成後、すぐ利用可能。トライアルもある。カスタマイズが必要であれば要件を確認後、ソリューション提案するという。Going Cloudは現在、データセンターにあるデータやAWS上にあるデータを取りまとめるところからコンサルを行って、カスタマイズ可能なリコメンデーションエンジンなどを導入しメンテナンスするところから始められるという。

■S-02 ユニゾンシステム

放送局向けのシステムを展示する。放送局の基幹システムであるクラウド営放システムを中心に番組入稿システム、自動作案システム、考査システムなどの放送業務に必要な周辺システムと番組制作に必要なハイライト作成システムや制作コミュニケーションツールなども紹介する。

放送局(地上波、BS、CS、CATVなど)の技術局、営業局、制作技術局などの仕事に従事している方をメインターゲットとしている。

今までオンプレ環境で利用されていた営放システムがクラウド上で利用されることにより、ハードウェアのコスト削減、可用性、保守性、拡張性の向上が見込まれる。クラウド運用となることでインターネット回線による接続となり本支社間通信用の個別回線などが不要になる。リスクマネジメントにおいてはBCP対策レベルの向上が見込まれるという。

■S-03 ソニーマーケティング

撮影素材伝送から管理・配信までのワークフローをワンストップで提供するクラウドメディアストレージ「Ci Meda Cloud」を中心に紹介。また、AWSブースと連携した展示を行う。

同製品で解決できる課題は以下の通り。

  • 一般的なクラウドストレージでは動画利用で使い勝手に課題があるが、Ciは映像に特化したサービスで使いやすい。
     (1フレーム精度の閲覧操作、倍速再生、コメント機能、トランスコード機能、部分切り出し 他)
  • クラウド上で映像管理ができ、外部を含めた関係者間共有が簡単にできる。
  • 撮影コンテンツをいち早く担当者に共有でき、編集まで迅速化できる(Camera 2 Cloud)。
  • アーカイブコンテンツを、一般回線でどこからでも閲覧・ダウンロードできる。
  • オンプレミスアーカイブ管理(LTO・ODA)から、メディア管理運用が不要になり、リソース・スペース削減ができる。

■S-04 ブライトコーブ

ブライトコーブの「Brightcove Media Studio」は、ストリーミング・メディア配信チェーンにシームレスに統合できるモジュール式ソリューションで、運用の簡素化、収益化されたプレミアム体験の提供、視聴者のエンゲージメントの向上と視聴者の満足度を高めるための実用的なインサイトの可視化などを実現するサービスのオーケストレーション、プロビジョニング、スケーリング管理を行う。

対象は、動画配信(Live配信、VOD配信)、ストリーミングソリューションを必要とされるすべてを対象としている(製品紹介Webページ)。

以下の様な特徴により、ストリーミングコンテンツにより視聴者の関心を集め、ブランドを強化、収益機会を拡大するという。

  1. プロモーション動画を主要ソーシャルネットワークに、コンテンツの説明をユニバーサル検索エンジンに簡単に公開できるため、視聴者数を伸ばせる。
  2. 広範囲なメタデータ管理により、手早い検索に向けてプログラムとシリーズを整理。
  3. 多言語機能、キャプション用のオプションを活用して、アクセシビリティを向上。
  4. ストリーミング事業者で唯一中国市場へ進出するなど、新たなグローバル地域への展開。
  5. Galleryの利用により、洗練された視聴体験により利用者の心をすばやく簡単につかむ。
  6. Essential Insights により、視聴者がどのタイミングで関心を向けているのか、コンテンツがどのように魅力を発揮しているのかを的確に把握。
  7. 業界が求めるあらゆる権利関連のセキュリティ要件を満たすことが可能。
  8. 日本国内で数百万人規模のライブストリーミングを多数実施。

■S-05 ATEME

ATEMEが持つエンド・ツー・エンド映像配信ソリューション群の全体像の中から、AWS上で実現する大規模クラウドDVRとMPEG2統計多重ソリューションについて、事例を交えて紹介する。

国内外のOTT事業者、放送局、CATV事業者、コンテンツプロバイダー、サービスプロバイダーを対象とし、より低いコストで、より高品質の映像を配信したいという課題を解決する。今回紹介するATEMEのテクノロジと製品群により、回線コスト・ストレージコストを抑え、高品質な映像配信を実現することが可能になるという。

具体的には、Titan Live/Titan Fileのコーデック製品、NEA Live/NEA Genesisのパッケージャー・クラウドDVRによって、高い映像品質を保ちながら、DVRの信頼性向上とコスト削減を実現。また、TITAN Live/Muxの統計多重により、回線帯域を最大限に活用した高画質の動画配信を実現。

■S-06 東芝インフラシステムズ

AWS上に展開したバンクアプリケーションや「VIDEOS core」によって、クラウド上でのマスター準備・送出運用を体感できる展示を行う。

■S-08 トラフィック・シム

「難しいをひも解く」をコンセプトに、クラウドマスターに関連するサービスを展示。

  • 監視アナライズ
    HACOBE-CLOUD:Marketplaceで提供されるクラウド上のストリームをアナライズするサービス
    MediaHarbor:フリーインストールで使った分だけの支払いが可能なマルチビューサービス
  • レコーディング
    RecShareCLOUD Std./Ent.:様々なストリーム(RTP/SRT/HLS/RTMP/Zixi/RF/IF/QAM/SDI等)をクラウドで同録するサービス
  • データ解析/マーケティング
    RatingTracker:6画面マルチビュー+視聴率+メタを同時に確認するマーケティング解析サービス
  • コンテンツ
    RecShareSTORE:これまで煩雑だったコンテンツの権利処理をスムーズに解決し、手軽にコンテンツ権利申請が出来るサービス
  • モニタリング
    LiveShare:世界中どこからでも超低遅延でライブ映像をモニターできるサービス
    Prombee:小型プローブを設置することで、RFステータスを取得して共有するサービス
    EnergyGazer:消費電力を見える化する電流モニタリングサービス

対象は、ストリームの同録やアナライズ、マルチビューを行う放送局、ネット配信、スポーツ団体など。また、電流モニタリングサービス「EnergyGazer」は放送局に関わらず、全ての事業者を対象としている。

■S-09 PLAY

「KRONOS DRIVE」は、クラウド上でメディアファイルやサムネイルファイル、字幕ファイル、メタデータ、等を管理でき、ブラウザを通しての動画や字幕の編集、各プラットフォームへの入稿やファイル共有サービスなどを提供するメディアアセットマネジメント(MAM)だ。Inter BEEではこれらのデモ展示を行う。

主に各配信PFへコンテンツ入稿している映像制作会社やポストプロダクションなど、いわゆるコンテンツプロバイダーを対象としている。

現在、市場には複数の配信PFがあり、配信PFの営業形式によってサブスクモデルなのか広告モデルなのかと収益形態も多岐に渡っている。そのため、例えば放送用の元素材から広告部分をカットしたり、逆に広告ありの場合は配信用に黒2秒詰めるなどの編集作業を実施しているが、「KRONOS DRIVE」を導入することで、これらの原状に対してワークフローを設定し、自動で編集を動かすことで人的手間を削減することが可能。また、各PFの入稿規定に応じたファイル形式への変換、及び(順次)各プラットフォームへの入稿メタに対応し、入稿管理の手間を解決できるという。

■S-10 日本電気

NECのもつファイルベースソリューション、MAMベーシックをクラウド(AWS)上で稼働しているところを展示。映像コンテンツ作成の効率化をどのように実現するか、実際の画面を見ながら確認できるという。

局外で映像を撮影する人から、局内で制作状況を管理する人、コンテンツの2次利用をする人まで、コンテンツ業務に携わるすべての人を対象としている。

MAMベーシックを利用することで、映像資産に限らないクライアントコンテンツの管理が可能となり、コンテンツ制作・二次利用分野における人手作業のワークフローから高速伝送や映像認識を含む自動化されたワークフローへの移行が行われる。その結果、運搬や変換、使用素材の検索にかかる単純作業時間の短縮が行われコンテンツの中身に特化した作業(レビュー、仕上げ)に集中することが可能。コンテンツの質が向上し、コンテンツ利活用が進むことで、コンテンツビジネスの収益の拡大や企業価値向上につながるとしている。

「Inter BEEの歩き方2023」PDF版