「PRONEWS AWARD」で振り返る2024年映像業界
2024年も残すところあとわずかとなり、年末恒例の「PRONEWS AWARD」の季節が到来した。今年も映像業界の動きを振り返り、2024年のハイライトを紹介しよう。
実はニコンがREDを買収したのも今年である。さらに先日のInter BEE 2024でも富士フイルムがシネマカメラ市場に参入するなど、映像業界は、話題に事欠かない一年だったと言える。
さて、2024年のカメラ業界で最も印象的だったのは、革新的な技術を搭載したシネマカメラやミラーレスカメラが次々と発売された点である。スマートフォンの普及によりコンパクトデジタルカメラ市場は縮小したが、プロフェッショナル向けのシネマカメラやミラーレスカメラ市場は活況を呈した。
ソニーのCinema Lineシリーズ「BURANO」やキヤノン「EOS C400」、さらにミラーレスカメラではキヤノン「EOS R1」やソニーの「a1 II」など、多くの新製品が市場を賑わせた。この動向を受け、「PRONEWS AWARD」では「カメラ部門」を「シネマカメラ部門」と「カムコーダー/ミラーレスカメラ部門」に分け、受賞を選定することとした。
映像業界全体では、中国メーカーの存在感が際立つ年となった。アクセサリーメーカーの「SmallRIG」や「Hollyland」、LEDメーカーの「NANLITE」「Aputure/amaran」、レンズメーカーの「LAOWA」などが躍進した。特にSmallRIGは新製品を次々とリリースし、その開発スピードは業界内で注目されている。中国メーカーの影響力は今後さらに拡大することが確実である。
「AV機器」から「IT機器」への進化も加速した。かつての「リニア編集」から「ノンリニア編集」への移行を彷彿とさせる流れが生じている。その中で、4月にBlackmagic Designが発表したSMPTE-2110 IPビデオ製品は、今後の普及が見込まれる2110 IPビデオ環境に新たな可能性をもたらす画期的な製品であった。この技術は業界の未来を切り開くものであり、Blackmagic Designはその技術を牽引する存在となりそうだ。
2024年の映像業界は多くの話題に満ち、変革の一年であった。「PRONEWS AWARD」を通じて、この1年を総括し、未来への指針を示唆していこう。
PRONEWS AWARD 2024でわかる映像業界の潮目
「PRONEWS AWARD」とは、2024年の映像業界を大いに盛り上げた技術・製品・サービスの中から、最も業界に影響を与えたものをPRONEWS独自の視点で選び、表彰する賞である。編集部が「技術」「市場性」「将来性」の観点から厳正に審査・選考を行い、受賞者を決定する。2024年は映像業界にとってどのような年だったのか。「PRONEWS AWARD 2024」を通じて、その一年をPRONEWSの視点から振り返り、総括していく。
本年は「シネマカメラ部門」「カムコーダー/ミラーレスカメラ部門」「レンズ部門」「アクセサリー部門」「照明部門」「映像伝送・配信部門」「ポスプロ・放送局部門」の計7部門を設けた。対象は2024年1月1日から12月31日までに発売されたすべての製品およびサービスである。
各部門ごとに上位に選出された製品をリストアップし、ゴールド賞とシルバー賞を順次発表する予定だ。そして、年末には全ての部門を総括し、映像業界全体を象徴する「PRONEWS AWARD大賞」を選出する。この大賞については、PRONEWSの独自の視点で決定するため、あらかじめご了承いただきたい。 年の瀬、日々の忙しさを少し忘れ、この一年を振り返ってみてはいかがだろうか。2024年に映像業界で生まれた数々のイノベーションに思いを馳せながら、各部門の受賞を予想して楽しんでいただきたい。各賞は順次公開予定である。どうぞお楽しみに。
今年の「PRONEWS AWARD 2024」7部門
(以下、順次公開予定)
- Vol.01:シネマカメラ部門
- Vol.02:カムコーダー/ミラーレスカメラ部門
- Vol.03:レンズ部門
- Vol.04:アクセサリー部門
- Vol.05:照明部門
- Vol.06:映像伝送・配信部門
- Vol.07:ポスプロ・放送局部門
- Vol.08:PRONEWS AWARD大賞 -2024年を総括する-
2024コンセプト:Pの黙示録