RAIDブースの注目の1つは、シネマレンズ「Thypoch Simera-C」とスチール用「Thypoch Simera」シリーズの展示だ。特に注目すべきは、先日発表されたばかりのフォト用Simera 75mmと21mmの展示である。

シネマレンズのSimera-Cでは、75mmと21mmは昨年のInter BEE 2024でも展示されていた。しかし、フォト用Simeraにおいては、つい先日75mmが発表されたばかりである。シネマレンズ用が先行して発売され、フォト用が後発となる異例の展開の理由は不明である。光学系に差異はなく、鏡胴のみが異なる。

Thypoch Simera 75mm f/1.4
Thypoch Simera 21mm f/1.4

これらのレンズは、他の画角のSimeraと同様に、F値1.4から始まる。従来のSimeraの絞り羽根は14枚であったが、75mmでは16枚に増加している。

フォト用SimeraのマウントはライカMであり、距離計連動に対応する。従来のSimeraシリーズと同様に、スタイリッシュなデザインで、シルバーとブラックのラインナップである。被写界深度インジケーターも搭載されている。Mマウントの特徴として、マウントアダプターを介してニコンZなど、多様なマウントへの対応が可能である。

フードにも変更があり、従来は共通であったが、75mmは丸型、21mmは遮光性の高い変則的なデザインのものが付属する。

Thypoch Simera 75mmの丸型フード
Thypoch Simera 21mmの独特な形状のフード

また、新たに登場したSimera-CのMマウント版は、従来のEマウント版に加えて、汎用性を高めるものである。これにより、マウントアダプターを用いてキヤノン、ソニー、ニコンZなどのカメラにも装着可能となる。また、軽量であるため、DJI Focus Proを用いたオートフォーカスでのハンドヘルド撮影にも適している。