北陸放送機器展2026のN-04、ネットワーク/ソリューション部門に出展したエレコム株式会社のブースを訪れた。

エレコムと聞いて思い浮かべるのは、マウスやキーボード、トラックボール、USB関連製品、モバイルバッテリーなど、PCやスマートフォンの周辺機器ではないだろうか。

ところが、今回のブースで前面に出ていたのは、そのイメージとは少し異なる法人向けの製品だった。まず目に入ったのが、映像制作で扱う大容量データの保存・共有を想定したQNAPのNAS「TVS-h1288X」である。さらにブースを見ていくと、ノートPC向けの大容量バッテリーやポータブル電源、キーボード、トラックボールまで並んでいた。

映像制作で気になったQNAP「TVS-h1288X」

まず足を止めたのがQNAPの「TVS-h1288X」だ。エレコムはQNAP製品を法人向けに取り扱っており、今回の展示でも映像制作現場で扱う大容量データの保存と共有を意識したNASとして紹介していた。

エレコムブースに展示されたQNAP「TVS-h1288X」。複数のドライブベイを備え、映像制作で扱う大容量データの保存・共有を想定したデスクトップNAS

TVS-h1288XはIntel Xeon W-1250プロセッサーを搭載するデスクトップNASで、10GbEを標準搭載する。オプションのThunderbolt 3拡張カードを追加することで、Thunderbolt 3による接続にも対応する構成だ。

4Kや高ビットレートの映像素材を扱うようになると、ストレージは単に「保存する箱」では済まなくなる。編集機からどのようにアクセスするのか、複数人で素材をどう共有するのか、バックアップをどう構成するのかまで含めて制作環境を考える必要がある。10GbEを備え、さらにThunderbolt 3まで拡張できるTVS-h1288Xは、こうした映像制作環境を考えるうえでも気になる存在だった。

QNAPの隣で気になったオフィス向けバッテリー

QNAPのNASから視線を移すと、今度はバッテリーが並んでいた。ストレージから電源へと展示のテーマが広がっていく。

フリーアドレス環境などでノートPCへの給電を想定した多摩電子工業「crevio Pro」のオフィス向け大容量バッテリー。薄型の本体はPCスタンドとしても利用できる

印象に残ったのは、多摩電子工業の「crevio Pro」シリーズとして展示されていたオフィス向け大容量バッテリー「TLP14282K-S5」だ。展示資料によると、定格容量は27,000mAh(3.2V換算)で、USB-C PD 100Wに対応するポートを3基備える。リン酸鉄バッテリーを採用し、ノートPCやタブレットへの給電を想定した製品である。

フリーアドレスのオフィスでは、必ずしもすべての席で電源を確保できるとは限らない。そこで必要な場所へバッテリーを持っていき、ノートPCへ給電しながら仕事をするという考え方だ。本体は薄型で、PCスタンドとしても利用できる。

展示資料では、満充電からノートPCを約2.5回、タブレットを約4.0回充電できる目安も紹介されていた。実際の充電回数や使用時間は接続する機器や利用状況によって変わるが、長時間の会議や商談、電源を確保しにくいワークスペースなどでの利用が想定されている。

「crevio Pro」の大容量バッテリーをまとめて収納・充電できる充電ステーションと、エレコムのポータブル電源を並べた展示。オフィスでの電源確保から非常用電源まで、法人向けの電源ソリューションを紹介

デスクの電源からポータブル電源へ

その隣には、さらに容量の大きなエレコムのポータブル電源も展示されていた。デスク周辺でノートPCを動かすための電源から、災害や停電にも備える大容量電源へと用途が広がっていく。

エレコムのポータブル電源。前面にバッテリー状態を確認できるディスプレイやACコンセント、USB端子類を備え、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用する

ラインアップは「DE-PS500PBK」「DE-PS1200PBK」「DE-PS2500PBK」の3モデル。いずれもリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、DE-PS500PBKは容量512Wh/AC出力600W、DE-PS1200PBKは容量1229Wh/AC出力1500W、DE-PS2500PBKは容量2560Wh/AC出力2500Wとなる。

展示では、オフィスでの停電対策をはじめ、公共施設、医療施設、イベント、工事現場などでの非常用電源としての活用が紹介されていた。映像制作の現場でも、カメラや照明だけでなく、ノートPC、ネットワーク機器、ストレージなど、撮影から編集まで電源を必要とする機器は多い。容量と出力の異なる3モデルが用意されているため、使用する機器や現場の規模に合わせて選択できる。

QNAPを入口に見えてきたエレコムの法人向け事業

ブースにはキーボードやトラックボールも展示されていた。普段量販店で目にするエレコムの製品と、今回見てきた法人向け製品が、ここで一つにつながって見えてくる。

最初に足を止めたのはQNAPのTVS-h1288Xだったが、ブースを一通り見終わるころには、NASだけでなく、ノートPC向けのバッテリー、ポータブル電源、入力機器まで見ていた。PC周辺機器で身近なエレコムのブースを映像制作という視点から歩いてみることで、データの保存・共有から電源、操作環境まで、法人向けに扱う製品領域の広さが見えてくる展示だった。