北陸放送機器展2026のA-03、オーディオ/アクセサリー部門に出展したサンワサプライ株式会社のブースを訪れた。4画面ビデオウォールコントローラ「VGA-PHD4VWC」をはじめ、映像・音響機器から電源、ケーブル、作業環境を支えるアクセサリーまで、幅広い製品が並んでいた。
ところが、ブースを見て回って最初に足が止まったのは映像機器ではなかった。床に敷かれた黒いマットに立ってみると、足元に柔らかな感触がある。これは長時間の立ち作業に向けた「SNC-MATシリーズ」の疲労軽減マットだった。
映像制作の現場では、カメラやスイッチャー、モニターといった機材に目が向きやすい。しかし、配信やイベントでは長時間立ったまま操作することも多い。ブースを見ていくうちに、映像や音声を扱う機器だけでなく、その周囲で働く人や設置環境まで含めて見ることで、サンワサプライの展示が違った角度から見えてきた。
実際に立って分かった「疲労軽減マット」
SNC-MATシリーズは、クッション性のあるゴムが体圧を分散し、立ち作業での足腰への負担を軽減する疲労軽減マットだ。複数のサイズや仕様が用意され、用途や設置場所に応じて選択できる。
実際にマットの上に立ってみると、床へ直接立ったときとは足裏の感触が明らかに異なる。柔らかすぎるというより、足元にクッションが一枚加わったような感覚である。しばらく立った後にマットから降りると、その違いがさらに分かりやすかった。
ここで思い浮かんだのが、ワンマン配信やイベント会場のオペレーター卓だ。長時間同じ場所で立って操作するなら、マットを敷くというシンプルな方法で作業環境を変えられる。撮影現場で膝をついて作業する際にも利用できるという。
シリーズには大型タイプのほか、静電気対策を考慮した導電タイプも用意されている。映像制作とは一見離れているように見える製品だが、長時間のオペレーションという視点で見ると、映像現場との距離は意外に近い。
足元から音声へ。1本で拡声できるハンドマイク
マットを体験した後、改めてブースを見渡してみると、イベント運営や映像制作の周辺で役立ちそうな製品が次々と見つかった。その一つが、マイク本体にスピーカーを内蔵した「ハンドマイク型ポータブル拡声器スピーカー(Bluetooth対応・出力15W)MM-SPAMP20」だ。
一般的な拡声システムのようにマイクとスピーカーを別々に設置する必要がなく、本体を持って移動しながら音声を届けられる。展示会で来場者を案内したり、イベントの進行を知らせたりと、会場内を移動しながら声を届けたい場面で使い方をイメージしやすい。Bluetoothにも対応しており、スマートフォンなどから音楽を再生しながら拡声することもできる。
電源タップにも「万一」への備え
続いて目に留まったのが、消火シートを内蔵した「火災予防タップ(消火シート内蔵・2m)TAP-TSH32N2-FPS」だ。撮影や配信の現場では、カメラやモニター、PC、スイッチャー、充電器など、多数の機器を電源タップへ接続することがある。映像機器そのものではないが、電源まわりの安全対策も見逃せない。
この製品は消火剤入りシートをタップ内部に備え、万一内部で発火した際の初期消火と外部への延焼抑制を図る。火災を未然に防ぐための対策だけでなく、発火した場合の被害拡大を抑えるという考え方を取り入れた電源タップだ。
電源まわりでは、机の天板に固定できる「クランプ固定式タップ(簡単脱着・4方向向き変更・卓上使用対応・PD65W)TAP-B115UC-2BK」も展示されていた。USB Type-C×2、USB A×2、AC差込口×3を備え、電源や充電端子を手の届きやすい位置にまとめられる。USB Type-Cは最大65WのUSB Power Deliveryに対応し、対応するノートPCなどの充電にも利用できる。
TAP-B115UC-2BKは、本体を90°ずつ回転させて4方向に設置でき、クランプを取り外して卓上でも使用できる。AC差込口は上面と両側面に1口ずつ配置されており、大型ACアダプターを接続してもほかのポートと干渉しにくい。「どこから電源を取るか」「ケーブルをどう整理するか」といった設営時の細かな問題に対応した製品だ。
映像機器だけではない、現場を取り巻くものを見る
最初は映像機器を見るつもりで入ったはずが、最初に気になったのは足元のマットだった。そこから音声、電源、安全対策へと目が移っていった。カテゴリーだけを見ればばらばらに思えるが、いずれも撮影、配信、イベント運営の現場を構成するものだ。
カメラやスイッチャーだけを見るのではなく、その周囲で人がどう立ち、どう音声を届け、どう電源を取り、安全性をどう確保するのか。ブースを一周すると、サンワサプライの幅広い製品群を通して、映像・音響の現場を少し違った角度から見直すことができた。