プロアメリカンフットボールの「スーパーボール」の試合が2月3日(日)に全米のフットボールファンの見守る中行われましたが、その直後の2月5日(火)は今度は「スーパーチュウズデー」で次期アメリカ大統領候補の民主党と共和党それぞれの候補者の選挙を行う代理人(Delegates)の選出を州別に行う地方大会/予備選挙 (Caucus / Primary) がコロラドでも行われました。

地元新聞の1面見出しに「Super Choose Day」と言う大きな文字で印刷された「Super Tuesday」をもじった活字が躍って、従来ニューハンプシャー州1州から始まるスーパーチューズデイでしたが、今回は24州同日に行われ、コロラド州もその一つになっています。

通常それぞれの党から2人ないしは3人の候補者が立って迎えるスーパーチューズデイですが、今回はそれぞれの党で7名もの大勢の候補者が立って迎えましたが、結果として共和党ではJohn McCain候補の単独、民主党ではHillary Clinton候補とBarack Obama候補の2名がそれぞれ圧倒的優位で今後の残る州での結果を持ってそれぞれの党全国大会で候補者が選出指名されます。それぞれの党の全国大会は下記の様になっています。

      
  • 民主党  デンバーで8月25日から28日迄
  •   
  • 共和党  ミネアポリスで9月1日から4日迄

そして、最終投票日は11月4日(火)のElection Day。新アメリカ大統領の就任式が来年2009年1月10日と予定されています。

今回の選挙では先の1月末にクリントン前大統領、ブッシュ現大統領、そしてオバマ次期大統領候補と立て続けにコロラドへ訪問しており、大統領選挙でもなければこんな事はあり得ない出来事でした。

デンバー市ではその参加人員ではコロラド始まって以来の大イベントとなる民主党の全国大会が今年予定されており、また、スーパーチューズデイでの地方大会も今回持たれた、と言う事で大統領選挙一色の1月末、2月上旬となりました。

コロラドでHDTVセットを買おうとすると

2009年2月に迎える地上波TV放送のデジタル化全面切り替えに伴って、デンバー地区でHDTVセットを購入しようとすると、その取り扱い店としては下記の様なお店に分類されます。

家電専門全米チェーン店 BestBuy
CircuitCity
AV専門チェーン店 Ultimate Electronics
Magnolia – BestBuyの傘下でBestBuy店の店中に区分けして売り場を設けているケースが多い。
AV専門インストーラー BigPictures
ListenUp
パソコンショップ CompUSA
MicroCenter
デパート全米チェーン Sears
WalMart
Target
Kmart
会員制スーパー Costco
Sam’s Club – WalMart傘下の会員制スーパー
ステーショナリーショップ OfficeMax
OfficeDepot
Staples
全米チェーンの電気店 RadioShack

あまりにも多くの店があって、それぞれがいろいろなブランドのHDTVセットを扱っているので購入者はどこの店でどのモデルを購入したら良いのか迷ってしまいます。何もパソコンショップやステーショナリー(事務機器や文房具)ショップでTVセットを扱わなくても良さそうな気もしますが、やはり現在市場での商品の目玉となっているHDTVセットですのでこの機会を逃すまいと各店店が展示面積も多くを割いてHDTVセット販売でしのぎを削っている現状です。

上記は店舗を構えてHDTVセットを販売しているお店の数々ですが、この他に最近市場での売り上げを伸ばしているオンラインセールスのAmazon.comやeBayなどでも小型のHDTVモデルから扱い始めており、今年の年末セールはHDTVセットの販売大激戦となることが今から予測されています。

また、パソコンメーカーでは、Dell、HP、Gatewayの各社が各サイズのHDTVセットを販売しており、販売店でも、またそれぞれのオンラインでの購入も出来ます。American Furniture WarehouseやAppliance World & Home Theaterといった大型家具、白物家電店では、当初家具に合わせて大きいサイズのHDTVセットを販売していましたが、AV専門店とのコスト競争で大きく差をつけられ現在では販売取り扱いをやめています。


BestBuy/Aurora店

RadioShck/Aurora店

Sears/Aurora店

WalMart/Aurora店

Target/Aurora店

Kmart/Aurora店

Costco/Aurora店

Sam’s Club/Aurora店

OfficeMax/Aurora店

OfficeDept/Aurora店

CompUSA店

CompUSA店では全米に展開しているパソコンショップの約半数の業績の悪い店の閉店を進めており、このオローラ店もその1店に当たっています。現在、閉店特別処分セールを展開中で展示していたパソコンやパソコン教室で使用していたものなど、非常に格安で処分しておりお客で賑わっています。私の家内の行っている教会では、牧師さんの使用しているパソコンがあまりにも旧型なので、このCompUSAの特別セールを利用して信者達がお金を出し合って新型のものを購入し教会へ寄付しました。

Ultimate Electronics店のオーナーがCircuitCity店の株式を大量購入

AV商品の専門店チェーンのUltimate Electronics店は先にその経営不振から破産申告を裁判所に申し立て会社更生法の適用下にありましたが、ビデオレンタルでは首位のBlockbuster店に次ぐレンタルビデオチェーンのHollywood Video店のオーナーのMark Wattles氏が資金提供してUltimate Electronicsのオーナーとなって自らその再建に乗り出しました。

コロラドに合計11店在った同店傘下のSoundTrack店の店名もUltimate Electronicsと変更して、販売商品で競合する全米トップのBestBuy店や2位のCircuitCity店との競争を全面に押し出して、同じ商品であるなら価格では2店に負けない、と言う事をその毎週の新聞折り込み広告で宣言しています。その努力のかい有ってか、Ultimate Electronicsは会社更生法下から脱出して以前の元気さを取り戻しています。

今回、そのMark Wattles氏が、業績がBestBuy店との競合でその顧客を失って、ここ長らく低迷しているCircuitCity店の株式の21%を購入していた事が公表され、市場での驚きとともに歓迎ムードで受け取られています。そのニュースが公表されるとCircuitCity店の株価が一気に21%上昇して、実に同店の株価としては27年振りの上げ幅となっています。

証券取引監視委員会の記録ではMark Wattles氏はCircuitCity店の株式を昨年の11月26日から購入を開始して現在では総計1100万株を所有していますが、購入株価は5.94ドルで購入しています。この持ち株数はCircuitCityでは3番目の大株主となっています。

Mark Wattles氏が同店の買収を目標に置いているのではないかとの推測がありますが、肝心なCircuitCity店はその昨年12月の売り上げが前年同月に比べて8.9%低下してクリスマス後の低価格販売でもその顧客を失っているので、昨年第4四半期の業績は利益率ではマイナスになると報告しています。

デンバー/東京直行便はスキーのチャーター便から

デンバー空港から成田や北京/上海などアジアの国々への直行便の運行は開港以来の悲願となっていますが、デンバー空港が標高1600mと高地に在る事から空気が通常の空港より希薄な為に特に空気の分子が散漫となる夏の気温の高い時には多くの燃料を積んで離陸する必要があり、デンバー空港の5本ある従来の3600mの滑走路では速度が不足で離陸出来ない、という事で実現していませんでした。

もちろん、成田からデンバーへの直行便は成田空港の海抜が低いと言う事だけでなく、ジェット気流が追い風となって燃料消費が少ないので多量の燃料を積む必要がなく、成田空港での離陸には全く問題がありません。

その後、3年前にその延長4850mという電子誘導システムを備えている商用空港滑走路としては世界一長く、幅広となっている滑走路が完成して運用に入っています。と言う事で、アジアへの直行便の運行準備が整ったのですが、デンバー空港のキイ航空会社でアメリカからアジア各国への便を運行しているユナイテット航空直行便開設には経済不況や航空燃料の価格高騰の理由で一向に腰を上げてくれません。

デンバー空港のオーナーであるデンバー市当局はアジアの主要都市との直行便開設に付いて交渉を進めて来ましたが、遂にしびれを切らして新たなアイデアとして、定期便ではなく、冬期のコロラドロッキー山脈での日本からのスキー客を対象としたチャーター直行便の来シーズンからの開設について日本の東京、名古屋、大阪の各都市との交渉に入っています。

現在、日本でのコロラドのスキー場のツアーの紹介は、例えば日本の雑誌「スキージャーナル」2007年11月号でコロラド特集として紹介されており、一度スキーに訪れたスキーヤーは病み付きとなるとしてコロラドのロッキー山脈でのスキーの魅力を紹介しています。現在のこうした日本からのスキーツアーでの一番の問題点は、直行便が無い為に途中シアトルやサンフランシスコなどで乗り継ぎをしなくてはならず、東京に住んでいる人でも、自宅を出てから一番交通至便なVailスキー場のホテルへチェックインするまでに20時間はかかる事を覚悟しなくてはならないことで、途中で自分のスキーを抱えての入国審査や税関でのチェックを受けてからデンバー行きの便への乗り換えを行う事は何とも負担となります。

東京からの直行便であれば、そうした事が不要でデンバー空港でそれらが全てクリアー出来て、特にチャーター便であれば専門の係員がツアーの人達に付いて案内出来ると言う事も大きなメリットとなりますし、沢山のスキーを扱うのには既にヨーロッパからの毎年大勢のスキー客で慣れているデンバー空港ですので、大変スムースに行くと思われます。

うまく話がまとまると、今年の年末からのチャーター便が成田ではなく羽田空港からデンバー間のANA(全日空)またはユナイテットの直行便で実現するかもしれません。

次の日本の冬に降雪が少なければ日本のスキー客需要を集め易くなりますので、初年度大成功と言う事になります。 デンバー市当局では天に祈る気持ちでいますが、それにしても大変うまいアイデアを思いついたものと言う感じがします。

あとがき

私事で恐縮ですが、1939年(昭和14年)1月31日は私の誕生日で、私は満69才を迎える事が出来ました。日本では丁度60才の還暦とか、喜の寿の77才などと特別な年齢の時きり誕生日のお祝いをしませんが、アメリカでは家族や親しくしている友人など、それぞれがその人の誕生日を良く記憶していて毎年その人の誕生日にはお祝いの挨拶やカード、贈り物と言った事を行うのが一般的です。そんな訳で、誕生日を迎えた当人がそれに気付かず家内や友達から言われて思い出すと言った事がしばしばです。

今年の1月31日には私はあちこちから多くのカードを頂きました。また、家内と親しくしている教会の牧師さん夫妻の合計4名でデンバーのダウンタウンの中心に在るThe Broker Restaurantという店で食事をしました。 このレストランはデンバーでは高級レストランに属する店で少々高価な食事となりますが、デンバーのダウンタウンのビジネス街の中心に在り、1903年に建設されたDenver National Bankの建物の地下金庫室をレストランが買い取って運営しているものです。

1階は通常の銀行となっていて、その銀行のロビーを抜けて地下への階段を下ると入口の丸い巨大で50cmくらいの厚みの鋼鉄製の扉を入ると金庫室全体がレストランとなっているというユニークなものですが、地下の金庫室と言う事で気密が保たれていて静かでワインの保存にも適しているらしく大きなワインセラーも有していてデンバー地区では最大のワイン在庫をしているとしています。

日本ではこうしたユニークなレストランは見られないと思いますが、私も初めての体験で食事を楽しみました。「誕生日、冥土の旅の一里塚、目出たくもあり、目出たくも無し。」と言う実感の69才ではありますが、元気にやっていればいろいろとこうした新しい体験をする事が出来ると思いました。

このThe Broker Restaurantはプライムリブとサーモンステーキの2品目から選択するのがメインコースとなっていますが、毎週月曜日から金曜日までの午前11時から午後2時の間はビジネスマン達を顧客としたLunch Special Timeとなっていて、下記の日替わり特別メニューを大変安価で提供している事から賑わっています。

月曜日 エビの天ぷらランチ $6.95
火曜日 昼食の勘定書全体の35%割引
水曜日 プライムリブランチ $6.95
木曜日 ニューヨークステーキ $6.95
金曜日 Fish & Chip ランチ $6.95

となっており、家内ともまた今度は昼食を食べに行こうと話し合っています。

レストランの中で見つけたパンフレットによると、2月23日から29日迄の間を「Denver Restaurant Week」と銘打ってデンバー市内のレストラン175軒が揃って特別サービスを行う事となっていて、デンバー市の標高が丁度海抜1マイルに在る「Mile High City」である事から、その、1マイル=5280フィートをもじって、それぞれのレストランの特長を活かした2人で$52.80の価格の特別デイナーを提供する週間となっている事を見つけました。

デンバー市当局の「Denver Metro Convention & Visitors Bereau」とコロラドの2大地元新聞デンバーポスト紙とロッキーマウンテインニュース紙とのオーナー会社「Denver Newspaper Agency」とが主催して行われる催しですが、冬のビジネス閑散期の町の活性化を図るユニークなアイデアであると思いました。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。