6月21日はアメリカでは「First Day of Summer」と呼んで、夏の始まる最初の日と言う事になっています。 日本では同じタイミングの6月22日が夏至ですが、太陽が北回帰線上に来て年間でアメリカや日本のように北半球に位置する国々では昼の時間が最も長くなり夜の時間が最も短くなる日であり、いよいよ季節も本格的な夏の季節に入ります。

コロラドでは6月18日(土)、19日(日)の週末には多くの地域で華氏80度(摂氏27度)台や華氏90度(摂氏32度)台の気温を示して夏の様相の週末となりましたが、翌6月20日(月)にはこの陽気が一変して雲に覆われ、デンバーでは日中の最高気温も華氏66度(摂氏19度)と急低下して町中を行く人達もあわててコートを引き出すと言った気候に変わりました。

コロラド州の南部の農業が盛んなSan Luis Valley地区には霜害警報が発せられ、また、ロッキー山脈の山岳地帯では5インチ(13cm)から6インチ(15cm)の降雪があって、そうでなくても、この冬のシーズン中は例年の1.5倍から2倍の積雪量であった事から雪解け水によって各所に設けられている貯水池は皆満水で、これからの気温の上昇によって洪水となる心配がされているところへ、今回の降雪はそれに追い打ちをかける心配が出て来ています。

コロラドはこうした夏の初めの雪解け水による河川の増水を利用して「Rafting」いわゆるゴムボートやいかだ形式の船による急流下りがいくつかの河川で盛んで昨年の記録では50万7000人の人達がこのラフティングを楽しんで、観光事業としても総計1億5000万ドル売り上げをもたらしており、この時期の観光の名物となっていますが、こうした増水が著しい事から今年は川下りによる事故が発生しています。

6月23日(木)の午後にはコロラドの北の町Fort Collinsから25マイル(40.2km)程上流のCache La Poudre川で営業しているラフティングの観光客4人が水中に投げ出されて、その内の1名が死亡、他の2名が脚を骨折すると言った事故が起きています。 この川の同地点では昨年も4名の死亡者が発生しているところで、今年はその水量も通常の276%と多くかつ急流となっていて、川幅も狭まっている地点となっています。

ラフティングはそのスリルを楽しむスポーツの一種ですから今シーズンはそうした目的にはぴったりなのですが、命と引き換えとなってしまっては元も子もありません。 各河川の地区担当シェリフ達はそれぞれ警戒の体制に入っています。

第2のゴールドラッシュとなるか?レアアース、レアメタル業界の基幹会社 Molycorp

いろいろなハイテク製品の製造に不可欠な材料としていわゆる希土類元素(レアアース)、希少金属(レアメタル)の生産供給面で世界の93%を占める中国が昨年7月にその生産や出荷面で国家管理下に置くと言う政策をとった事から、結果としてその輸出総量を72%に下げる事となり、その国際価格が平均して6倍の上昇となり、品種によってはこの1年間で数十倍となる高騰を示し、さらにそれらの供給面で滞って安定購入が困難となり国際的な大きな問題点となっています。

レアアース業界のトップ会社Molycorpの本社ビル
デンバーの南東のGreenwood Villageに在るハイテクパークのDenver Technology Centerを北の端から南の端まで回遊しながら縦断しているDTC Parkwayの中途に在るMolycorp Minerals社のビルです。 Molycorp社の社名の「Moly」は多分Molybdenum(モリブデン)のことだと思われます。 コロラドのロッキー山中にはモリブデン鋼の製造に必要なモリブデンの鉱山があってモリブデンの市場価格が安くなると操業を停止し、高くなると操業再開するといった状態ですが、現在市場価格が高くなっているのでその掘削が行われています。 Molycorp社は当初モリブデンの採掘の事業でスタートしたものと思います。

ところで、過去のこのレアアース、レアメタルの生産に関する経過を見てみますと、第2次大戦以降その需要が増加するのに応じて世界のその生産量は増加の一途をたどって来ていますが、アメリカでは1965年よりコロラドのレアアースの専門会社であるMolycorp社がイニシアティブをとって、ロッキー山脈を始めとしてユタ州やアリゾナ州そしてカリフォルニア州の砂漠地帯などを中心にレアアース、レアメタルの掘削事業が始まり、1985年迄には世界需要の半分をアメリカで生産する様になりましたが、その後その掘削、精製工程で使用する水の汚染流出が環境問題として大きくなり、2002年にはアメリカ国内での生産は完全停止する事となって現在に至っています。

1985年よりその掘削や精製工程についての技術ノウハウを有するコロラドのMolycorp社を始めとするアメリカの技術は中国の鉱山業者に技術移転されて、中国でのレアアース、レアメタルの生産が開始されました。


その後中国では世界の需要の拡大に伴ってその生産が飛躍的に拡大し、全世界の生産量のレアアースでは97%、レアメタルでは93%もの占有率を占める様になって、ネオジウム、サマリウム、Dysprosiumをはじめレアアースの17種類の金属全てを世界へ供給しており現在に至っております。

コロラドは1980年代前半のゴールドラッシュ以来その鉱山技術では高いノウハウや経験を有する会社が例えば金におけるNewmont Mining社の様に世界的な規模での掘削事業を展開する様になり、レアアース、レアメタルの世界ではこのMolycorp社がそれに相当します。

Molycorp社は現在中国以外の世界で最も多量なレアアースの掘削鉱石を有している会社で、アメリカでは特に強磁力マグネットに不可欠なレアアースメタルを産業界に供給している唯一の会社となっています。

コロラド州にはそのレアアース、レアメタルのアメリカ国内での掘削が盛んになった1985年当時ではコロラド州内にはその掘削事業がロッキー山脈中の各所で行われて、その合計箇所数は規模の大小は有るもののなんと7300箇所という膨大な箇所で行われていました。

その主要な理由としては、コロラドで古くより行われて来た、金の採掘、亜鉛の採掘、石炭の掘削、オイルシェルの掘削、などの事業産物の副産物としてレアアースメタルが得られる事が分かっており、それらの鉱山採掘事業の経験を活かしてレアアースメタルの採掘、精製を目指していたからです。

ちなみに、コロラドのこうした環境から最近のコロラド州内の地質調査による有望な主要埋蔵個所に付いてリストアップしてみますと、

鉱山 個所数 多く産出する副産物
亜鉛 143 銀、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム
リチウム 1 リチウム
レアアース 2 レアアース
セレン 9 セレン
テルリウム 8 テルリウム
ペグマタイト 11 高純度シリコン

等となっています。

「まさに新たなゴールドラッシュだ!」とデンバーの地質学者のBrad Van Gosen氏は言っていますが、「特にレアメタルのチタンの埋蔵量ではコロラドはアメリカ内では最も多く、レアアースについても有望な土地柄であり、あとは試掘を行ってその成分の含有量の評価を拡大する事が必要なだけだ。」と言っています。

こうしたアメリカでのレアアースの自給を目指す動きに呼応しての最近の目立ったニュースを下記に2件紹介します。

  1. デンバーのダウンタウンに本社を置くGeovic Mining社はニューメキシコ州の南部のOtero Mesa地区の5平方マイルの土地の取得契約を行い、ここでレアアースの掘削精製事業を展開すると発表しています。 既にニューメキシコ州の鉱山鉱物資源局からの認可を得ており、連邦土地管理局への書類申請も済んでいるとしています。
  2. デンバーの南東に在るGreenwood VillageのDenver Tech Centerに本社を置くMolycorp社はアリゾナ州Tollesonに在る日本のSantoku(三徳?)社の子会社でレアアース合金やレアメタルの製造をしているSantoku America社を1750万ドルの現金で買収した、と発表しています。 これによって、Molycorp社ではレアアースメタルの原料から合金に加工するまでの一貫した工程を手中にして、顧客への付加価値の高いサービスを行える様になる、としています。
レアアースの掘削精製のGeovic Mining社の本社の
入っているビル
デンバーのダウンタウンの中心の17th Streetに面したTabor Center ビルにGeovic Mining社の本社が在ります。 同社はコバルトやニッケルを主体とする鉱山会社で、その精製技術を活かして今回ニューメキシコ州でのレアアース掘削精製の事業へ乗り出す事になっています。
Geovic Mining社の入っているTabor Centerビルの1階入り口の時計看板
Tabor Centerはデンバーのビジネスの中心を為している企業が多数集まっています。写真はTabor Centerビルの1階入り口の部分の上に据え付けられている大時計で、併せて「1200 SEVENTEENTH Street」のハウス番号表示板が付けられています。

そもそも、アメリカのMolycorp社などがアメリカ国内でのレアアース掘削事業から手を引く事になった原因としては、その精製過程で使われる水の環境汚染問題の他に中国の生産コストに全く対抗出来なくなった事があり、これらの2点についての改善がアメリカでのレアアースの自給自足を計る上での不可欠な条件となっています。

また、レアアースメタルはアメリカに於ける軍事用の目的にも重要なものである事から、アメリカ国防省ではこのレアアースメタルの戦略的な安定確保を目的とする契約をMolycorp社の様な民間の専門会社と締結したり、また、レアアースメタルを新たに事業として生産を目指す企業のスタートを促す為に、それを援助する債務ローンの保証を行うなどの政策を打ち出しています。

一方、デンバーのMolycorp社では、ネバダ州のラスベガスから南へ60マイル(96.5km)ほどのカリフォルニア州との州境にある砂漠地帯に在って、かつて1965年から1985年迄の間アメリカのレアアースメタルの主要供給鉱山として活躍した、露天掘りのMountain Pass鉱山の再整備を行って、操業再開を行うと発表しており、この事業所の再開によって現在同社が供給している年間2万トンを2倍の4万トンまで引き上げる事を準備中としています。

そして、環境汚染問題については、現在技術的なブレークスルーを計ったクリーンプロセスが提供出来る様になっており、また、製造コスト面では同社の新プロセスであればレアアースメタルの中国の平均コストが現在2.54ドル/ポンドであるのに対して半分の1.27ドル/ポンドで行う事が出来る、としています。

この様にMolycorp社では、この増産体制に併せて同社の有しているクリーンプロセスや現場で持ち歩き出来る携帯型のX線を使った鉱石の含有物質の診断装置などの先端技術を駆使して、中国のレアアースメタルの政治戦略に対抗して、アメリカ国内からの本格的な自給体制の確立を目指すと言っています。

チタンの専門メーカーTitanium Metals Corporationの
入っているビル
レア金属のチタンに特化して事業展開しているTitanium Metals Corporationの入っているビルです。 デンバーのダウンタウンのBroadwayとCalifornia Streetそして20th Streetとに挟まれた三角形の土地に建っている高層ビルで、このビルの最上階43階を同社が使用しています。
Titanium Metals Corporationの入っているビルの1階入り口
California Street側から見たTitanium Metals 社の入っているビルの1階部分です。入り口の柱に書かれている「1999」の数字は、このビルのハウス番号である「1999 Broadway」です。

【ご参考】レアアースは下記の17種類の金属元素で代表されます
レアアース名 元素番号 利用対象例
Scandium 21 スタジアムなどの夜間照明ランプ
Yttrium 39 レーザー
Lanthanum 57 電気自動車用バッテリー
Cerium 58 レンズ研磨剤
Praseodymium 59 サーチライト、航空機用部品
Neodymium 60 強力永久磁石
Promethium 61 携帯X線装置
Samarium 62 光学ガラス
Europium 63 CFLランプ(小型蛍光ランプ)
Gadolinium 64 中性子計測装置
Terbium 65 強力永久磁石
Dysprosium 66 強力永久磁石
Holmium 67 ガラス色彩調整
Erbium 68 金属合金
Thulium 69 レーザー
Ytterbium 70 ステンレス
Lutetium 71 ────

一方、レアメタルはレアアース17種を含む47種の金属元素で、その精製採取が技術的にもまた経済的にも難しいが重要な金属元素の総称でリチウムやチタニウム、高純度シリコン、セレニウムなどがそれに含まれます。

先の冬期コロラドの各スキー場の業績良好

ロッキー山脈の各所に展開しているスキー場を中心とする冬のリゾート地の昨年末から今年前半にかけての営業実績がコロラドの主要22カ所のスキー場が加盟している「Colorado Ski Country USA」及びそのうちのVail、 Breckenridge、 Keystone、 Beaver Creekの4カ所のスキー場を運営しているVail Resorts社とのそれぞれから発表されました。

その報告によると、Vail Resorts社の4カ所のスキー場の合計でこのシーズンの総計スキー客数は532万9000人となって、2009年から2010年にかけてのシーズンの512万2000人を4%上回る数字となったとしています。

そのうちコロラドで最もポピュラーな大規模スキーリゾートであるVailスキー場では174万6000人で前季の159万9000人を9.2%上回る実績を示しています。

また、Colorado Ski Country USAに加盟している22カ所のスキー場については、Vail Resorts社の4スキー場の数字も加わりますが、総計1256万人のスキー客が訪れたとしています。 この数字は2009年から2010年にかけての前シーズンの比べて2.6%の増加となっています。

先の冬シーズンのコロラドの各スキー場はそのオープン時期は早い降雪に恵まれて例年に比べて早くオープンし、その閉鎖時期も例年に比べて遅く迄降雪があって長い期間オープンしたこともスキー客数の増加となった一因と言えます。

例えばArapahoe Basinスキー場では6月19日(日)父の日の夜にはまとまった降雪が有り、翌朝には6インチ(15.2cm)の新雪がゲレンデを覆ってコンディションも再び良好となったので7月4日(月)独立記念日の3連休迄の毎週末のみ継続してオープンしています。

また、Aspen Mountainスキー場は例年4月10日にはゲレンデはベタ雪状態となり閉鎖しているのですが、今年は雪の状態が良かったのでその後も毎週末のみ継続してオープンして、5月30日(月)Memorial Dayの3連休まで継続オープンしました。

何か地球の温暖化の影響でしょうか、異常気象がロッキー山脈にも起きているのを感じさせられるこの頃です。

我が家でのとんだ小鳥の巣騒ぎ

5月の中旬に我が家の裏庭側にある突き出し屋根の軒下に吊り下げてある花の鉢の一つの中に鳥が巣を造って、その中に卵を3個産みつけたのを見つけました。

この鳥はコロラドでは比較的ポピュラーなロビン(Robin)と呼ばれている鳥で胸の部分が赤色をしている事から、Red Chested Robinと呼ばれていますが、ヨーロッパでは駒鳥ですが、北米に多く棲んでいるのは「アカハラこまつぐみ」と呼ばれる鳥です。

このこまつぐみはアメリカではミシガン州の鳥として登録されており良く知られていますが、コロラド州内でもかなり多く見かけます。

通常、鳥達は大きな木の高い枝や木の幹に巣を造るのですが、我が家の周辺にはリスが多く棲んでいて高い木の上などの枝から枝へと駆け上ったり活発に活動していますので、鳥達の巣としてはあまり安全と言えません。


その点この軒下に吊り下げられた花の鉢はリスの攻撃を受ける事もありませんし、雨がかかって濡れてしまうと言う事も無く、直射日光からも保護されているので非常に安全でうまい場所を巣造りに見つけたものだと感心させられます。

我が家の裏庭では我が家の2頭の犬達が日中は走り回っていますが、この花の鉢へは犬達がジャンプしても届かない高さですし、犬達が動き回っているおかげでカラスなどの他の鳥達の攻撃からも保護されている事になります。

花の鉢の中に造られた巣の様子を見てみると、実にうまく造られており、木のツルを多く使って円形の鉢の中心を空間にして鉢の中の周囲を覆っています。 そして、この花の鉢の底には花の水はけを良くする為の小さな孔が開いていますので強風時などに雨が降り込んでも排水されるので問題がありません。


花の鉢の中の巣が出来上がってから約1週間経ってからこの巣を覗いてみましたら、ロビンの卵が3個巣の中央の底に産みつけられていました。

卵は25mm ×20mm程の卵形で緑がかった青色をしており、英語で「Robin’s-egg blue」と言われている通りのそのものです。

卵が産みつけられてからは親鳥の雌ロビンがこの卵を温めるためにこの花の鉢の中央に座り込んで辛抱強くジーッとしている昼夜が続きました。 そして約3週間の日にちが経って卵の殻が破れて小さなピンク色をした3羽の雛が誕生しました。


3羽のヒナはその成長度に大きな差が有り、一番発育の良いヒナはくちばしを大きく広げて親鳥達に餌が欲しいと請求します。しかし一番成長の低いヒナは2羽のヒナの下に隠れておとなしくしています。


親鳥達のヒナ達への餌付け活動が活発になって来ました。親鳥が巣へ飛んで帰ってくるとヒナ達は一斉にくちばしを広げて餌が欲しいと大騒ぎです。

親鳥が巣から離れるとヒナ達は静かになって他の動物達に気付かれない様にしているようです。

ヒナ達の成長は驚く程の早さで、孵化してから約2週間で自ら巣の縁へと出てくる様になり、巣離れの準備を始めました。


3羽のヒナ達のうちで一番成長の良いヒナはやがて巣の縁へ出て来て飛び立とうという風情を見せましたが、私が気が付かないうちに飛び立って巣離れをしたようです。 そして、2番目のヒナはその翌日に巣から飛び立ちましたが、まだ力が足りず下の芝生の上に落ちてしまい、あわてて草むらへ逃げ込みましたが、後で調べてみましたが見当たらず無事自ら飛び立って行った様です。


3羽目の最後のヒナは成長も他の2羽に比べて遅く羽の力も無かったので、何度も巣の縁迄出て飛び立とうとしていましたが、無理の様でまた巣へと戻って親鳥達は餌を与えに頻繁に訪れていました。

そして、翌日この3羽目は巣から飛び出しましたが芝生へ落ちてしまって、私が段ボールの箱に捉えて巣へと2回戻しましたが、3回目に巣へ戻そうとした時に一人で飛び立ってかろうじて庭のフェンスを飛び越えて隣の家の方へと飛んで行きました。「達者で暮らせ!」

こうした小鳥の巣造りや産卵そしてヒナの成長、さらにはやがて自らの力で巣から飛び立って行く、という出来事は広く何処にも見られる事ですが、今回は思わぬ機会に小鳥達の生活の知恵を発揮する活動を目の前で見る事が出来て何とも落ち着かない初夏の日々を過ごしました。

あとがき

5月30日(月)はアメリカではMemorial Dayと呼んでいる過去の戦争で亡くなった兵士の人達の功績を讃え感謝する国民の祝日でした。 5月28(土)、29日(日)、30日(月)と3連休で遠方へと家族揃って自動車や航空便で繰り出す人々が多く、また、これに繋げて有給休暇をとる人達も多く夏の初めの最も混雑する時期となっています。

デンバーのダウンタウンでは5月28日(土)に毎年恒例のパレードが行われました。 そして、5月30日(月)の午前11時からは、Auroraの我が家から程近いところに在る広大なフェイヤーマウント墓地(Fairmount Cemetry)に祀られているNisei War Memorialと呼ばれている第2次大戦中に編成された日系二世の兵士で構成される第442連隊でヨーロッパ戦線で参戦し亡くなった兵士達の立派な記念墓地で地元日系人会の人達を集めてMemorial Dayの式典が行われました。

この第442連隊の戦闘部隊は当時「Lost Battalion(消失した部隊)」と呼ばれたことで知られているテキサス州兵で構成された第141連隊の約200名の部隊がドイツ軍に包囲されて壊滅するのを救助する作戦に参戦し、当時優勢であったドイツ軍との激しい戦闘を行い日系人2世部隊は約800名と言う多くの兵士をこの戦闘で亡くしましたが、これに勝利して200名の兵士達が救出されたという記録が残っています。

このニュースは全米に報じられて当時の全米国民の知るところとなり、また当時アメリカ各地のキャンプへ強制収容されていた日系人達に日系人としての誇りと勇気を与えました。 そして、この事によりアメリカの人々の日系人に対する評価が一変して日系人と言えどもアメリカ人だ、という認識を高める事となっています。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。