- 3月17日はSaint Patrick’s day
- 3月20日はFirst Day of Spring(春分の日)
- 3月21日はGood Friday
- 3月23日はEaster(復活祭)
と3月の下旬は春の到来を告げる行事が続いています。今迄寒い日が続いていたコロラドですが、さすがにこの時期になると日中の日差しにも暖かさを感じる様になり、本格的な春の風情の最近です。
この冬シーズンは、山は大雪、麓は小雪と言ったシーズンでしたので、かなり過ごし易いデンバー地区の天候でした。デンバー地区ではロッキー山脈に降った雪溶け水を数多くの大きな貯水池に貯めておいて日常の水道水として使っていますが、現在どの貯水池も満水で、夏の水不足の心配も今年は無さそうです。
一方、3月11日に国際宇宙ステーシヨンへ向けてフロリダのケープカナベラル基地から打ち上げられたスペースシャトルのエンデバー号に乗って活躍している日本人の宇宙飛行士の土井隆雄さんの毎日の様子が地元のTVや新聞で伝えられております。
実は、土井さんは1987年と1988年の2年間コロラド大学のボールダー本校で博士課程後の研究課程で過ごしており、その後同校のAerospace Engineering学科の助教授として1991年から1995年の間務めていましたので、地元のジャーナリズムでは大きく取り上げています。土井さんは今回の宇宙飛行は2回目ですが、特に前回1997年のコロンビア号での活躍が記憶に新しいところです。
今回の宇宙空間での活動としては国際宇宙ステーシヨンに日本の研究棟を増設するという重要ミッションが有りますが、その他にコロラド大学のBioServe Space Technologies Centerでまとめた研究実験材料を2種類と中学生や高校生から募集した宇宙空間での実験材料2種類とを積んでおり、これらは土井さんの担当で設置され実験される事になっています。
ちなみにコロラド大学の卒業生で宇宙飛行士として今迄に活躍した人の数は合計17名で土井さんはその内の一人となっています。
こうした日本人の人達の世界的な活躍をコロラドで聞けるのは大変勇気付けられる事ですが、土井さんの宇宙空間での業務を無事に終えて安全な帰還を祈りたいと思います。
エネルギー源開発で好調を続けるコロラド経済
急ブレーキがかかった感じで不調に突入した最近のアメリカ経済ですが、そんな中にあってコロラド州の経済見通し報告と言うべき報告書がコロラド州知事のBill Ritter氏に所属するOffice of State Planning and Budgeting(コロラド州計画及び予算室)から3月20日に発表されています。
このレポートによると、コロラド州の雇用労働者数は2007年では前年に比べて45,500名の新規雇用が創出されて、2%の増加となっており、今年2008年では1.4%、2009年には1.8%の増加が見込めるとしています。
それと対応して、失業率は2007年では3.8%となって2000年以来で最も低い数字を示しました。しかしながら、今後2008年には4.6%と悪化するものの2009年には4.3%と減少すると予測しています。
給与収入面では、2007年には6%の増加となって、強い労働市場を示しています。今後の予測では、2008年は更に5.5%の増加となり、続いて2009年では5.6%の上昇を示すと予測しています。州の計画予算室では、ここ数年の失業率と住宅建設率の2つの基礎数字に特に注目を払っているとしています。
失業率では昨年12月からわずかながら悪化しており、今年の1月では4.2%と更に悪化しましたが、2007年の年間を通じては今迄の記録を更新して良い結果となっています。ここ数年はコロラド州の失業率はアメリカ全体の平均値4.6%より低い数字となっているとしています。原油価格の高騰が引き金となって現在アメリカ内のエネルギー開発ブームによりコロラド州での石油と天然ガスの掘削事業での新規雇用の増加が牽引車となっています。
総じてコロラド州の経済は全米の各州に比べて好調に推移して来ていますが、アメリカ経済の不調のコロラド州への影響は今年の後半に現れ始めると予測されるが、特にエネルギー新規開発事業の拡大によってその影響下にあってもかなり良い状態が保たれるとしています。
日本の様に地面を掘っても何も出て来ない土地柄と異なり、コロラドは掘れば多くの天然資源が得られる、という事で、今迄外国からの石油や天然ガスの輸入の方がコスト的に安く付いていたのでコロラド州内でのエネルギー資源開発が進んでいませんでしたが、こうしたエネルギー資源の価格高騰により州内の天然資源開発事業に火が点いた、という事でアメリカ政府の国内エネルギー調達政策の後押しもあって一大ブームとなっています。
デンバー空港の1月の乗客数が新記録
デンバー国際空港の1月の利用乗客数が発表されて、昨年の同月に比べて1.6%の増加で380万人を記録したとしています。これはここのところ継続して毎月デンバー空港では前年同月比で新記録を更新していますが、13ヶ月の連続での記録となっています。今後も乗客数の増加が予測されていますが、今年はアメリカ経済の不況や航空燃料の高騰でデンバー空港へ乗り入れている航空各社がその航空機運航数を縮小する事によりコスト削減を計ろうとしている事から、そのペースはダウンするものと空港当局では予測しています。デンバー空港の2007年の総乗客数は2006年に比べて5.4%増加の約5000万人となった事が併せて発表されています。
ちなみにAirport Council Internationalの発表によると、2007年の全世界の航空旅客数は2006年に比べて6.8%の増加となっており、その数45億人となっています。2006年の全航空旅客数が2005年に比べて4.8%増加だったのに比べて2007年では更に2%の伸びを示しています。
そんな中にあって、デンバー空港での2007年の総旅客数の伸張率は世界の空港の中では10位にランクされており、伸張率のトップはスペインのマドリードのBarajas空港で14%の伸びで5200万人、ニューヨークのJFK空港が2位の伸びで12.2%、3位は北京空港の9.4%の伸びとなっています。
現在の各航空会社の最大の課題は何と言っても航空燃料の価格高騰で、この課題を克服する為にユナイテット航空では同社が運用している全航空機の中から燃料効率の悪いボーイング737型の細胴体機20機の使用をやめて他の航空会社へ転売する事にしています。現在ユナイテット航空では総数460機で運行していますが、その約4%に当たる数となります。
また、デンバー空港を基地としているフロンテイア航空社でも同社が使用しているAirbus社製のA318型2機とA319型2機とをリース会社のVTB Leasing社へ売却する事になったと発表しており、この4機はVTB Leasingからロシアの航空会社のRussia Airlines社へリースされる事となっています。
そして、これからは燃料効率の良い新型機の導入という事になりますが、そうした意味からはボーイング社が現在準備しているDreamliner 787型機が最も期待の中心となっていますが、当初787型機の初号機出荷は2008年5月になるとボーイング社では公表していましたが、その後、約6ケ月遅れて2008年末になるとしています。
その後ボーイング社でのスケジュール検討が進んで、現在では787型機の1号機の最初の飛行は6月末となって、最初の顧客航空会社への納入が2009年の始めとなるとしています。更に現在進行中の初ロットの109機迄の出荷は当初予定していた2009年末迄には出来なくなった、としています。
この遅れの主たる理由としてボーイング社では、その製造拠点のワシントン州のEverett工場での1号機の完成に手間取っており、最初の6機の完成を待って監督機関の認可テスト飛行が行われる予定にしており、現在まだ多くの課題が残されている為としています。
最近ボーイング社では英国のBritish Airways社とのDreamliner 787型機の24機の納入契約がまとまった事を発表しており、世界の各航空界社との納入契約総数が790機となったとしており、この受注ペースは今迄の航空業界での新記録であると言っています。
Dreamliner 787型機はその設計当初より機体構造にカーボンファイバーを多用して機体の軽量化を計っており、併せてその双発のジェットエンジンには新型の燃料効率の高いエンジンが使用される事から従来機に比べて大幅な燃料節約が期待出来る事から各航空会社から多くの注文を取り付けていますが、各社へのデリバリー期日はその安全性面での認可テストが重要であり、今後のスケジュールが注目されています。
日本のANA(全日空)ではこのDreamliner 787型機の最初の発注者となっており、全体で60機という多量の発注を行っているので、特に今後の同機の納入スケジュールが関心の的となっています。
フォトギャラリー
あとがき
アメリカプロ野球のメジャーリーグのオープン戦が真っ盛りですが、今シーズンは昨シーズンコロラドロッキーズで大活躍した松井稼頭夫選手がテキサス州のヒユーストンを本拠地とするアストロズに移籍してしまったので、地元チームロッキーズには日本人選手がいなくなってシーズンを迎えています。
しかしながら、メジャーリーグ各チームには今シーズンは多くの日本人プレーヤーが日本球界から移籍しており、日本での実績を活かしてメジャーリーグへの挑戦をしますので今年の日本人各選手の活躍が話題を呼びそうです。コロラドの地元新聞には下記の様な数字が紹介されています。
2000年以来のアジアの3カ国、日本、韓国、そして台湾からメジャーリーグへ移籍してリーグ開幕時に各チームに登録されていた選手の数が示されていますが、今年の数字はどうなるでしょうか?
西暦年 | 日本 | 韓国 | 台湾 |
2000年 | 6 | 3 | 0 |
2001年 | 8 | 2 | 0 |
2002年 | 11 | 2 | 0 |
2003年 | 9 | 5 | 0 |
2004年 | 10 | 4 | 0 |
2005年 | 12 | 5 | 1 |
2006年 | 9 | 5 | 3 |
2007年 | 13 | 3 | 2 |
2008年 | ? | ? | ? |
古くは1964年にサンフランシスコジャイアンツのピッチャーとして活躍した村上選手の草分けプレーヤーに始まって、その後野茂英雄投手が1995年からロサンゼルスドジャースでのプレーで活躍して以来本格的に日本からのプレーヤーのメジャーリーグ挑戦が始まった訳ですが、バッターとしては何と言っても2001年からのシアトルマリナーズでの鈴木イチロウ選手の活躍が光りますが、昨シーズンは13名と今迄で最も多くの選手が活躍しました。
日本でプレーしていてアメリカメジャーリーグへ挑戦するには9年間日本のチームでプレーしてからいわゆるフリーエージェントの資格が得られる仕組みとなっている為、あまり若い選手はおりませんが、それだけに日本での一流選手がやって来る、という事で充分活躍が期待出来るという環境となっています。
昨年ナショナルリーグの覇権を握ってワールドシリーズでボストンレッドソックスと争った地元チームのコロラドロッキーズの今年の成績がどうなるか、という事も地元ではたいへんな関心事です。Coors Field球場でロッキーズの対戦相手チームで日本人選手の活躍が多く見られるかもしれませんので今から楽しみにしています。