Coors Field 球場の正面入り口(Gate D)

コロラドには梅雨という気候はありませんが、今年の6月から7月初めにかけてデンバー地区では午後の3時から5時にかけてそれまで晴れていた空が急速に雲で覆われて雷鳴が轟き始めて大粒の雹を伴った激しい土砂降りの雨にみまわれて、それから数時間すると再び晴れた空に戻るといった天候が連日の様に続いています。

この様な気象はこの時期にはよく見られる天候で、それだけでしたら単なる夕立で特別珍しい事ではないのですが、それが20日近くも続くとなるとコロラドでは異常気象と言う事になります。

地球温暖化の影響が出て来ているのではないか? と思わされる程で、今年のデンバー地区の6月から7月初旬にかけてはそうした状況が続いており、おかげで降雨量としては例年になくタップリで、冬の間にロッキー山脈中に降った雪の積雪量も例年以上に多かった事から各貯水池はいずれも満水となっており夏の水不足の心配は全く無いと言った状況で、落雷による大規模な森林火災の心配も無さそうです。

ところで、7月4日は「4th of July」と呼んでいますが、アメリカではIndependence Day(独立記念日)で国民の祝日となっています。 今年は7月4日がちょうど週末の土曜日となりましたのでデンバー地区でもいろいろな催しが行われ、各商店はその2週間程前から新聞広告やTVコマーシャルなど「4th of July 特別大売り出し」一色となっています。この日には全米でのお祝いと言う事で、それぞれの各都市では大型打ち上げ花火が行なわれてその地区の住民の人々がその見物を楽しみます。

デンバー市ではCoors Field 球場でコロラドロッキーズとアリゾナダイアモンドバックスとの3連戦が7月3日(金)、4日(土)、5日(日)と行われていましたが、金曜日の試合終了後と土曜日の試合終了後に打ち上げ花火が盛大に打ち上げられて、野球観戦に来ていた人々を大変楽しませました。

Coors Field 球場
今シーズンも一昨年の様にワールドシリーズの試合がこの球場で行われる期待が膨らみますが、それには再び「Rocktober (Rockie’s October)の再現が必要です。

また、私の住んでいるオローラ市では昨年と同様に市庁舎前の芝生広場で大勢の市民を集めて空軍士官学校の軍楽隊によるアメリカ国歌を始めポピュラーな曲を次々と演奏が行われた後に近くの州兵(National Guard)の建物が在るBicentennial Parkで打ち上げ花火が盛大に打ち上げられ、その見物客で賑わいました。

オローラ市やデンバー市では個人による花火は火災発生の危険性がある事と花火が顔に当たって失明したり負傷を負ってしまうなどする事から全面禁止となっていますが、デンバーの北西に在るボールダー市では今年からアメリカ独立記念日に限り解禁となりました。

もっとも、今年は花火を打ち上げる暗闇が迫る前に雷雨で周囲一面が水浸しとなったので花火による火災発生の危険性は少なかった、と言う状況です。

この独立記念日からコロラドでは本格的な夏のシーズンの開幕です。

コロラドロッキーズの今シーズンの戦績状況

アメリカプロ野球のメジャーリーグのナショナルリーグとアメリカンリーグの全プレーヤーからファン投票及びスポーツ記者等によって選抜された優秀な人気選手達によるオールスターゲームは、今年は7月14日にミズーリ州セントルイスで開催されます。

アメリカンリーグのWest Divisionに属するシアトルマリナーズの「イチロー」(こちらではSuzukiで呼ばれています)選手は今シーズンもその打撃や走塁、守備等で特別優秀な成績を上げており、今年もオールスターゲームに選ばれたことは日本でも詳しく報じられている事と思います。

一方、地元チームのコロラドロッキーズからは右翼手で強打者のBrad Hawpe選手と今シーズン負け知らずの投手Jason Marquis選手の2名が選ばれてプレーする事となっています。

Coors Field 球場のホームベース側入り口通路
フォームベースがこの通路の先に見えます。この通路の上はホームベース側の観覧席になっています。
  

ところで、コロラドロッキーズのチームとしての今シーズンの戦績についてですが、開幕以来負け試合が続いて、所属しているナショナルリーグのWest Division の5チームの中でずっと最下位に留まっており、今年は駄目か?と地元ファンが失望していました。

業を煮やしたロッキーズのオーナーが、かって2年前にロッキーズをワールドシリーズ出場に導いたCrint Hurdle監督を5月29日に突然解雇して、以前ロサンゼルスドジャースで5年間、そしてピッツバーグRoyals で2年間と監督を務めて来たJim Tracy氏を新監督として就任させましたので、地元ファン達もこれにはビックリさせられました。

ところが、どうした事か6月4日のテキサス州でのヒューストンAstrosとの試合で10対3のスコアーで勝利してから、連勝を重ねて、8連勝に到達した時には一昨年の「Rocktober」と呼ばれたワールドシリーズ出場を果たした時の連勝を彷彿とさせる勝ちっぷりで、ボストンレッドソックスが持つ11連勝と言うメジャーリーグ記録を越すのではないか、と地元ファン達をわくわくさせましたが、その後3敗して、6月28日(日)のオークランドアスレチックスとの試合を3対1で勝利してTracy監督になってから23試合で20勝を記録しました。

その後6月29日(月)、30日(火)、7月1日(水)とナショナルリーグのWest Divisionで首位を行くロサンゼルスドジャースとの3連戦が行われたのでこれを3連勝することが出来ればロッキーズが首位に肉薄出来る、ということで地元ファンは大興奮という状態でしたが、1勝2敗で終わってしまいました。

2位のサンフランシスコジャイアンツとは勝率では近接しており、7月24日、25日、26日と3連戦が予定されていますので、ロッキーズがここで3連勝すればジャイアンツを追い抜いて2位に躍り出る事が出来ます。

7月7日(火)の試合終了後の今シーズン戦績(National League / West Divisionの5チーム)

勝試合数 負試合数 勝率
11. ロサンゼルス ドジャース 53 30 0.639
12. サンフランシスコ ジャイアンツ 46 37 0.554
13. コロラド ロッキーズ 44 39 0.530
14. サンデイエゴ パドレス 35 48 0.422
15. アリゾナ ダイアモンドバックス 35 49 0.417

今シーズンは昨シーズンの元西武ライオンズの松井稼頭央選手の様にロッキーズには日本選手がプレーしていません。日本のプレーヤーがいないので日本の新聞やTVのニュースでロッキーズの事は殆ど取り扱っていないと思いますが、来シーズンには誰か日本の選手が加わって活躍してくれる事を期待したいと思います。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。