いよいよ明日からInter BEE 2009が開催される。前回の「PMW-350」に続き、「PMW-EX1R」を紹介したい。SONY”XDCAM EX”シリーズ「PMW-350」「PMW-EX1R」とのラインナップは、注目の的となっている。InterBEEを前にインプレッションをお届けしたい。

更なる進化を遂げたPMW-EX1R

“Exmor”センサーの搭載や「”SxS” (エス・バイ・エス)メモリー」の採用など先進的な技術により、小型ビデオカメラの性能基準を上回る性能で業界に一石を投じた「PMW-EX1」が使い勝手や更なる機能向上により「PMW-EX1R」としてリニューアルされた。

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EX1とEX1R兄弟比較 EX1R外観

小型ビデオカメラの光学系は1/3が主流だったが、「PMW-EX1」はその常識を破り1/2を採用した。必然的に、プリズムを含め光学系の容積は増えたものの、小型ビデオカメラの範疇に入るボディになっているものの、ハンドリングという面では使いつらい部分があったのは否めないだろう。ハンドグリップを回転式にして対応しているもののビューファインダーを使っての撮影ではバランス的にというかハンドリングに問題があったようだ。「PMW-EX1R」の第一印象はこうしたハンドリングが格段に良くなったことである。グリップの形状やリストバンドの位置、グリップ自体を本体に寄せるなど細かな改良だがその効果は絶大だ。

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基本ポジション 改良されたグリップ
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EX1とEX1R後部比較 EX1とEX1R側面比較

また、高解像度ビューファインダーを搭載することで、ピント合わせや視認性が向上していることを考えると、従来機「PMW-EX1」での撮影はビューファーを使わずにサイドのLCDを使って、グリップを立てて腹の部分で固定して撮影するスタイルを標準としていたようにも思える。使い勝手という面では、ほかにもハンドルズームのスタートストップがスムースになっているがメニューでOFFにすることもできる。ハンドル部分にはアクセサリーシューがあるが従来機「PMW-EX1」では先端のマイク部分にあり、なにかしらのアクセサリーを装着するとバランスが悪くなったり、マイクの収音に影響があったり、といった懸念があった。

「PMW-EX1R」ではビューファー部分にもアクササリーシューが新設された。シューが付属品として同梱されており、それを取り付けることが可能だ。もうひとつ地味な改良だが三脚ネジ穴のプレートが大きくなり、ネジもダブルで締められるようになり、三脚への固定がよりしっかりと行えるようになった。

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三脚ネジ穴のプレートが大きくなった EX1とEX1R上面比較

機能的にはSDの記録(DVCAM記録)に対応したことが最も喜ばしい。現状ではまだDVD用のSD収録も現場的には多く、編集時に対応していたが、はじめからSDで撮影できればメモリーの節約にもつながるし、何よりも編集作業での変換が必要なく、作業性が良くなったといえる。ほかにもHDMI出力への対応やキャッシュレック機能、画像反転、1440×1080記録モードが追加されているが、このあたりは「PMW-350」シリーズと同様な仕様となっている。

なお、こうした改良や機能追加にもかかわらず、価格は「PMW-EX1」より安い設定になっているのも内部回路など「PMW-350」シリーズと共通の部分があるからなのかもしれない。おおむねハンディタイプで撮影するための1/2撮像素子を採用した「PMW-EX1R」、2/3撮像素子を採用した制作用の「PMW-350」シリーズといった住み分けになりそうだ。

レンズ交換可能なモデル「PMW-EX3」はどうなるのか気になるところだが、こうした機能追加や改良は現状では予定されていないということであった。

2回に分けてお送りした「PMW-350」と「PMW-EX1R」とのインプレッションだったがいかがだっただろうか?実際にInterBEE会場で手に持ってみるのもよし、会場に来られない方は、ぜひPRONEWSでお伝えするので是非期待していてほしい!

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