2月14日(月)はValentine’s Dayで日本でも女性の皆さんはチョコレートの準備に大変だったのではないかと思います。
日本では女性の方から日頃愛情を感じている男性に愛の告白が出来る日とか、女性から男性にチョコレートを贈る日、と言う感じに受け取られていますが、アメリカでは贈り物としてのチョコレートもポピュラーな品の一つですが、いろいろな贈り物が各販売店で準備されていて、宝石装飾品類もその一つとなっています。
一般的に宝石類は高価ですので、今迄のアメリカでの経済不況から宝石装飾品業界はその売上げが低迷していましたが、昨年末のThanksgiving DayとX-masの2つの祝日での売上げが大幅に従来のレベルへと戻って来ており、業界ではこのValentine’s Dayでの大きな売上げ伸張を期待しています。
アメリカ商務省の最近のレポートによりますと、全米での宝石装飾品のこれ迄の2008年、2009年と2年続けて減少していたのですが、2010年の売上げ金額は2009年に比べて7.7%の伸びで634億ドルとなり、これまでの新記録を達成しています。
しかしながら、こうした宝石装飾品を購買する人達はその品物を買う時の品定めに従来に比べて大変慎重となり、店でのその宝飾品の顧客へのその価値を説明するのに多くの時間を割く様になってきているとされています。
一方、「景気不況時の神頼みは金(Gold)」と言う事で金の地金やゴールドコインなどの価格はしばらく前迄は1トロイオンス当たり1000ドルを割っていたのですが、ここ数年で1000ドルを越えて現在では1360ドル前後で推移しています。
- ついにガロン当たり3ドルを越えたガソリン価格
- 今回のアフリカのリビアでの国内紛争によって原油の国際取引価格が急上昇しましたが、その影響でデンバー地区ではレギュラーガソリンの市販価格がそれ迄は何とか3ドルに届かないでいたのですが、一気に3ドルを越えて、さらに急進しています。
コロラド州はアメリカの中でも最もガソリンの市販価格が低い方の州です。写真は我が家で利用している会員制スーパーのCostco店のガソリンスタンドの2月28日(月)の様子です。ここでは会員のみがガソリンの供給を受けられますが、通常の町のスタンドに比べて常に最も安価で購入出来ます。この日はレギュラーガソリンで1ガロン当たり3.069ドルでした。そして、この日我が家の近くのConocoのスタンドでは3.179ドルになっていました。
そして、今回のエジプトに次いでリビアでの暴動では、原油の取引き価格が高値になり、コロラドでのレギュラーガソリンの小売価格の平均が暫くぶりで1ガロン当たり3ドルを越えると言う事態になりましたが、金の取引価格の方も1400ドルを越えて大きく上昇しています。
こうした金の取引価格の高騰でデンバーの南のGrennwood Villageに本社を置く世界的な金鉱山会社Newmont Mining社は好業績をあげています。同社の2010年の世界各地の鉱山での金の総生産量は2009年に比べて少し増加して540万オンスを達成したと報告しています。
さらに、金の採掘に伴って副産物として得られる銅の総生産量は2009年に比べて約45%もの増加となって3億2700万ポンドを達成したとしています。
また、銅の方も中国などでの需要が急上昇しており、それに対応する供給の方が間に合わない事から2010年内で32%もの取引価格が上昇しています。Newmont Mining社の各鉱山での大車輪での金の掘削が行われている様子がうかがえます。
先に発表されているNewmont Mining社の昨年第3四半期(7月~9月)の業績はその利益金額は一昨年の同期比で3億8800万ドルから約38%上昇して5億3700万ドルとなり、その売上げ金額では今迄の在庫分の販売を除いた販売分だけで27%増加して売上げ金額として26億ドルとなったとしています。
さらに、同社の昨年第4四半期(10月~12月)の業績は金の取引価格は記録的な高さとなって売上げ金額は前年同期比で僅か1.2%の上昇でしたが、利益は前年同期の5億5800万ドルから同期比で46%の上昇となり8億1200万ドルを計上しました。
ところで、 私の家内が所属している教会は、その信者数が35世帯程の小さな規模のプレスベテリアン派の分教会ですが、 今回のバレンタインズデイには男性信者達の手によっていろいろな手料理が準備されて、女性信者達を招待しての昼食会が2月12日(土)に行われました。
日頃、教会での日曜日の朝の礼拝時にはコーヒーの準備やお茶菓子などのサービスは女性の信者達の当番制で行われていますが、この日ばかりは男性達の隠し技を発揮しての手腕が振われて町のレストランも真っ青という程の立派な昼食会となりました。
コロラド州議会の女性議員数比率は全米一
コロラド州議会はアメリカ連邦議会と同様にSenate(上院)とHouse of Representative(下院)との2院制度となっており、今年の最初の上下両院合同会議(General Assembly)が最近開催されて全議員が一同に会しました。
コロラド州議会の議員構成は昨年11月8日のElection Dayの選挙の結果下記の様になっています。
議員総数 | 男性議員 | 女性議員 | ||
上院(Senate) | 共和党(Republicans) | 15名 | 12名 | 3名 |
民主党(Democrats) | 20名 | 6名 | 14名 | |
下院(House) | 共和党(Republicans) | 33名 | 24名 | 9名 |
民主党(Democrats) | 32名 | 17名 | 15名 |
と言う事で、全議席100名のうち41議席を女性議員が占めています。
したがって、女性議員の占める比率は41.0%となりますが、この比率は全米の各州議会の中で最も高い比率で、昨年迄男性議員の占めていた8議席が前回の選挙で女性議員に変わっています。
全米での州別の女性議員比率の高い順に見てみますと、
1位 | コロラド州 | 41.0% |
2位 | バーモント州 | 37.8% |
3位 | アリゾナ州 | 34.4% |
4位 | ハワイ州 | 34.2% |
となっており、一昨年度の2009年もコロラド州は女性議員比率でトップとなっていましたが、2010年にはニューハンプシャー州にトップの座を渡していましたが、今度再びトップとなっています。
そして、1977年に共和党からBetty Nealeさんが議員としてではなく両院合同予算委員会のメンバーとして選出されたのを切っ掛けとして、1893年にはコロラド州が全米で最初の女性の参政権を認めた州となり、その翌年には最初の女性議員3名がコロラド州議会に誕生しています。
それ以来コロラド州は全米でも女性の州議会進出に上位を占めて来ており、これが今日にも継続していると言えます。アメリカの西部開拓の時代からの女性の地位の重要性が土地柄となって現在に存続していると言う事の様です。
携帯電話の4G化の導入設置が進むデンバー地区
- 我が家の近くに建っているセルラーフォンの送受信ローカルアンテナ(1)
- 私の家から近くに在る小高い丘の中腹に建てられているセルラーフォンの送信受信のアンテナです。小型のパラボラアンテナも取り付けられていますが、これによって電話の交換機設備と接続しているものと思われます。
携帯電話事業のSprint社とVerizon Wireless社とはこの2月に入ってから第4世代の高速インターネットアプリケーションを主体とするセルラーフォンシステムの設置を始めており、Sprint社がその主要株主であるコロラドのClearwire社ではデンバー地区を始めとするロッキー山脈の東山麓の各都市に既に約200カ所の4Gサイトの設置建設を終えているとしています。
もともと、3Gシステムはセルラーフォンの音声電話通話を主体とした仕組みにインターネットを行える様にしたシステムで「何処でもインターネット」といったラップトップパソコンでコーヒーショップなどの町の何処からでもセルラフォンが通話可能な場所からならばインターネットが可能と言う事で、いわゆるWiMaxネットワークのシステムに基づいたシステムです。
- 我が家の近くに建っているセルラーフォンの送受信ローカルアンテナ(2)
- これも私の家から比較的近くに在るガソリンスタンドの裏に建てられているセルラーフォンの送受信アンテナです。アンテナタワーが2本建っていますが、それぞれ別々の電話会社の物かと思われます。
新しい4Gのシステムでは、インターネットのシステム使用を主体とした方式で音声電話通話がそれに付帯した形式であり、インターネットの通信速度の早さに特長があって、例えばSprint社のオファーしている速度はインターネットのダウンロード速度は3Gに比べて約10倍のスピードとなるとしており、3Mbpsから6Mbpsの通信速度となっており、普通の家庭でのケーブルTVサービス等によるブロードバンドサービスの通信速度に匹敵する速度となっています。
そして、ネットワークの混んでいない時やユーザーの通信場所などによっては最大12bps迄のダウンロード速度を提供するとしています。
- 我が家の近くに建っているセルラーフォンの送受信ローカルアンテナ(3)
- これは私の家から非常に近い所にかなり以前から建っている携帯電話の送受信アンテナです。ワイヤレス電話がセルラー構成になる前から使われている物と思われます。
また、Verizon社の方はその「Long Term Evolution 4G Service」ではダウンロード速度は5Mbpsから12Mbpsとなっており、通信に使用している電波の波長が長い事からビルの中などにもうまく通信可能である、としています。
この4GシステムはITU (International Telecommunication Union)が設定しているシステムルールで、これまではSprint社もVerizon社も「この4Gシステムにはその事業化について将来活用する方向であり、検討中」とするだけで事業取り込みは行って来ませんでしたが、ここへ来てセルラーフォンのブロードバンドインターネット活用の市場性が見えて来た事と、いわゆるスマートフォンやタブレットコンピューターといったユーザーサイドのハードウエア環境も整って来つつあり、その供給サイトの方も準備されて来ている事から「頃良し」と言う事で今回の4Gシステムへの切り替え新設が急速に進行し始めていると言う事です。
- 地元新聞Denver Post紙の独自1ページ広告
- 2月21日付けの地元新聞Denver Post紙のビジネスページに1ページ全紙を使ってデンバーポスト自身が掲載した広告です。デンバーポスト紙のWebからダウンロード出来るスマートフォン用の各Appの案内広告です。無料で多くの情報、ニュースが見られます、としています。
こうした、今迄の3Gシステムベースであった1基の電話機に対して、4Gシステムへとユーザーが移行すると突然広い信号帯域を消費する事となって、例えば、Sprint社の今回コロラドで実施が始まっている、システムでは、各地に建てられている送受信アンテナタワーと自動交換機の間は有線のケーブル接続であったのですが、今回のシステムではマイクロウエーブによる無線接続となっていて広帯域の通信バンド幅の確保を行っています。
ここで、こうしたセルラーフォンのシステムが今迄の3Gから4Gへと移行する事によって衛星通信の様なワイドバンドの通信帯域の利用が不可欠となって来ている事から、このレポートの次の項で紹介している「AT&TがDishNetwork社を買収」したくなる理由も理解出来ますし、EchoStar社が衛星放送サービスの電波帯域スペクトラムの利用権利を所有している何社かを買収に走る理由も見えて来ます。
- BestBuy店の新聞折込みカタログの表紙(1)
- 毎週日曜日のDenver Post紙に入ってくる折込み広告の中のAV家電全国チェーン店のBestBuyのカタログのこれは2月27日分の表紙の部分です。AT&Tが扱っているApple社のiPhoneとVerizon社の扱っているApple社のiPhoneとどちらも4G対応の新機種ですが、並べて載っています。
- BestBuy店の新聞折込みカタログの表紙(2)
- 2月13日付けのDenver Post紙の折込み広告の中のBestBuy店のカタログの表紙の部分です。Verizon、AT&T、SprintとMobilePhoneの3大電話会社のワイヤレス電話機が並んでいます。
「これらを購入した人が将来次の新しい電話サービスに切り替えたくなった時にはそれらの使用した期限によって最大50%までの買い替え料金をお返しします。」と言う売り込みです。急速に発展変化する携帯電話のサービスに顧客が不安を持たせない様にとの販売施策です。
衛星TV放送のEchoStarがHughes Communicationsの買収計画を発表
2月の初めにAT&Tがデンバー地区に本社を置く衛星TV放送のDishNetworkの買収に興味を示している、というニュースが伝わり、DishNetwork社の株価が一気に1.31ドル上昇して、昨年3月1日に31%の株価上昇があって以来の1日での大幅上昇を記録しました。
そうした出来事があった後の2月14日(月)に今度はそのDishNetworks社と衛星放送を展開しているEchoStar社から発表があって、衛星TV放送をDirecTV社と進めているHughes Communications社の買収を計画しているとの報道がなされ業界の関心を集めています。
Hughes Communications社はちょうどEchoStar社がDishNetwork社の各視聴者のセットトップボックスの設計、製造をおこなっており、併せて政府機関へのビデオやデータの配信サービスを衛星を使って行っているのと同様にDirecTVの衛星放送サービスでの衛星を経由した高速インターネットサービスを一般顧客のみならず政府機関に対しても行っています。
また、Hughes Communications社では、衛星からの電波を利用して全米に在るガソリンスタンドや各種小売店を結んで売上げデータや仕入れなどの情報を集計するネットワークの構築を始めており、将来これがかなりの事業規模に発展する可能性があると見られています。
また、DishNetwork社では先に倒産した衛星放送の技術会社であるDBSD North America社を約10億ドルで買収したいと申し入れを行っており、同社が2GHz帯に20MHz帯域幅の電波利用権利を所有しているので注目されています。
さらにバージニア州Restonに在る衛星移動通信の会社であるTerreStar Networks社が破産会社更生法の適用申請をしようとしていたところへ、その救済に入り、同社は申請を取り下げてEchoStar社の傘下で事業を継続する事となっています。このTerreStar社も20MHz帯域幅の電波利用権を有しています。
要するに、ここへ来て衛星TV放送に使われるはずの帯域電波スペクトラムの取得確保に向かって関連企業の買収合戦がはげしく行われていると言う事になっている現状です。
その主要な目的としては、下記の様なワイヤレス電話の高機能化、新機能化によってより高速広帯域の電波スペクトラムが不可欠となって来ており、この競合を制するにはなんとしても新たな電波使用権利を確保する必要が出て来ている為と見られます。
現在アメリカの電話事業は従来からの地表に敷設された電話回線(Land Line)による電話サービスといわゆるワイヤレスセルラーフォンが有りますが、ここのところワイヤレスフォンの急激なLand Lineのユーザー数の浸食が進行して来ています。
それと平行して従来からの音声交信という用途以上に各種の新しいアプリケーションが拡大して来て、いわゆるスマートフォンの時代へ突入して来ている事は皆さんご承知の通りです。
インターネットの電話の世界への融合が進行して来て、その通信コストの安価なサービスが可能な事や通信回線速度の高速化によって、当初のVoice over Internet ProtocolからVideo over Internet Protocolへとそのアプリケーションが拡大してAppleTVやGoogleTVといった新しいスタイルのサービスが伸長して来ています。
こうした電話事業ビジネスの急速な拡張には、その利用無線周波数帯域が充分広く有る事が不可欠であるためアメリカの各電話事業会社ではその所有無線帯域の確保の為に最大限の努力を計かる必要に迫られていると言えます。
VHF帯やUHF帯を利用していた従来のNTSC方式の地上波アナログTV放送システムが全面的にデジタルATSC方式に切り替わってから丸2年が経過しようとしていますが、このデジタル移行によって余裕の出来た周波数帯域は、その後その大部分がFCCによって電話事業向けとして定められて競売によって各事業会社がその利用権利を取得して活用が始まっています。
そして、今度はその様な現況から目を付けられているのが、直接衛星TV放送事業の用途として使われて来ている低高度静止衛星通信の周波数帯域です。
ちなみにアメリカの現在の各電話事業関係の主要会社の所有している電波スペクトラムについて見てみますと、下記の様になっています。
電話事業会社 | 所有電波スペクトラム |
Clearwire | 150MHz |
AT&T | 90MHz |
Verizon | 90MHz |
T-Mobile | 54MHz |
Sprint | 50MHz |
EchoStar/Dish | 48MHz |
ということでEchoStar/DishNetwork社でも大手ワイヤレス電話事業各社に伍してかなりの無線電波帯域を有している事が分かります。
DishNetwork社では何の目的でこの様な衛星放送に関連する各社の買収に熱心となっているのか、と言う事についてはいろいろな業界筋の観測があり、ケーブルや光ファイバーなどのサービスが行き届かない過疎地域への衛星を介する高速インターネットサービスを拡大する目的であるとか、独自のワイヤレスネットワークを構築しようとしてるのではないかとか、また単に投資目的でいずれこれらの電波スペクトラムを売りに出すのではないかといった事などが言われていますが、いずれにしても、ワイヤレス電話やスマートフォンの世界が今我々の日常生活を大きく変えようとしているのに必要不可欠な電波となっている事は間違い無さそうです。
デンバーの南のダグラス郡Littletonの町に本社を置く衛星TV放送のEchoStar社は2008年に同社内部門を機能別に2分社化して、衛星TV放送によるPayTV事業を運営するDishNetwork社と衛星の打ち上げ、制御、管理運営、そして受信者側で使用するセットトップボックスの設計、製造、販売などの機能管理事業を行うEchoStar社の2つの会社で構成されています。
もともと直接衛星TV放送を行うEchoStar社を30年前に始めた創業者の一人のCharlie Ergen氏が現在でもこの2社のChairman、CEO、Presidentの6役を務めており、両社の株式の多くの部分を彼自身と彼の奥さんとで所有している大株主となっていますので、実質上のワンマン会社と言えます。
ケーブルTVとの競合の為に衛星経由によるインターネット事業を実施しようと長期にわたって苦戦して来たEchoStar社が、とんだところでその所有している電波スペクトラムで脚光をあびようとしています。今後の成り行きに注目です。
アメリカの牛肉輸出が昨年は新記録
2003年12月にワシントン州で発見された食肉牛の狂牛病の為にアメリカから外国への牛肉の輸出はその大手顧客である日本や韓国向けに付いては一時全面停止となった事は皆さんも記憶に新しい事と思います。
その後牛肉の処理の管理や検査体制等の整備改善を行ってその信頼回復にアメリカ食肉業界は務めて来ました。そして、その後検査管理工程等の条件付きで日本や韓国への輸出が再開されて来ました。
記録では2003年のアメリカからの外国への牛肉の総輸出額は38億5600万ドルでしたが、こうした一連の問題の為に2004年はそれより79%低下して8億900万ドルとなってしまっています。
その後、輸出総金額は年を追って徐々に回復して来ておりましたが、2月15日(火)に発表された全米畜産食用牛肉振興調査会(Cattlemen’s Beef Promotion & Research Board)の報告によりますと、昨年2010年のアメリカからの年間総輸出額は2009年の実績から32%の大幅増加となって40億8000万ドルと今迄の最高額を記録したとしています。
特にコロラド州は従来より日本への牛肉の輸出では全米一の実績でしたので、狂牛病による輸出の全面停止は一大事だったのですが、あれから7年経過しやっと本来の状態に復帰してきたのでコロラド食用牛肉業界ではホッとしているところです。
ところで、狂牛病問題が発生した時に 日頃から牛肉に親しんでいるコロラドの人達の牛肉の消費はどうなるかと興味を持って眺めていましたが、スーパーの食品売り場や町のステーキハウスなどでの牛肉の消費に変化が殆ど見られませんでした。
もっとも、食肉業界による「コロラドのビーフは安全です。」といった宣伝も味方したものと思いますが、「少し気になるが大丈夫」といった感じだったと思います。
ここのところ日本円とアメリカドルの交換レートが1$=80円台と極端に円高となったままになっていますので、日本の皆さんはますます安くて美味しいコロラドビーフをエンジョイされているのではないかと思います。
あとがき
前回のこのレポートでお伝えしたAV家電チェーン店Ultimate Electronicsの破産裁判所への会社更生法適用申請に関して、その後2月4日(金)には破産裁判所ではその多額な負債の返済の為には同店が現在所有している全米で16州での46店舗(コロラド州にはそのうちの9店舗)全てについて閉鎖してその資産及び所有する在庫商品等に付いて処分して負債返済に充てるのが適切と判断され、これによってUltimate Electronics店は閉店する事となりました。
今回の破産裁判所の判断は、先に全米規模のAV家電チェーン店Circuit Cityが閉鎖された時と同様に、残された資産の大半が在庫や展示されている商品である事から期日が経過する程その価値が急激に低下する事から、早急に閉鎖してその処理売却を行うのが適切であるとされるものです。
この決定を受けてUltimate Electronics店ではマサチューセッツ州ボストンの資産整理専門会社Gordon Brothers Groupと契約して同店の全ての店を4月15日以前に閉鎖する前提での在庫、展示商品の整理販売作業を行う事となっています。
この整理会社では早速2月6日(日)にはデンバー地区の各店を訪問し、調査を始め、各州の全店舗に付いての商品の整理売却は2月9日(水)からスタートさせています。
Ultimate Electronics店の代表取締役のBruce Giesbrecht氏は同店の各従業員に宛ててE-Mailを送付して、「皆さんもご承知の様に先に我が店は会社更生法の適用申請を行いました。そして、ここ数週間いろいろな角度からの解決方法に付いて検討して来ましたが、今回全店の閉鎖そして資産整理を行う事と決定しました。」と伝えています。
一方、今迄Ultimate Electronics店で働いていた従業員のうち約170名は同店が閉鎖する時の解雇通知を行うのが法律「Worker Adjustment and Retraining Notification Act」で定められているタイミングに合致していないとの訴訟をデラウエア州Wilmingtonの破産裁判所に申請しており、この解決も迫られる事となりそうです。
Cirtcuit City店の時と同様にこうしたAV家電専門チェーンの経営が他の販売形態に対して競争力が無くなって来ている状況が大変顕著となった結果と思えますが、今後BestBuy店などの類似形態店の経営状況が注目されます。
今迄考えられなかった最近のこうした状況ですが、これも時代の大きな流れの一つと言えるのかもしれません。先のこのレポートで私が撮影して来たUltimate ElectronicsのThorntonに在る本社店の様子の写真は同店の最後の記録となってしまいました。