nabe_2nd05_top

SIGGRAPH 2023の会場となるロサンゼルス・コンベンションセンター(SIGGRAPH 2019にて筆者撮影)

はじめに

夏と言えばSIGGRAPH。SIGGRAPHと言えば夏。多くのVFX関係者の皆様にとって、これについて異論はあるまい。

しかも!今年のSIGGRAPH 2023は、なんとなんと4年ぶりのL.A.での現地開催である。今年は8月6日(日)~10日(木)の5日間に渡って開催される。

実は、SIGGRAPH 2021の時にL.A.での開催が予定されていたものの、コロナのパンデミックの影響によりバーチャル開催に置き換わってしまった経緯があった。そんな訳で、SIGGRAPHが久方ぶりにダウンタウンL.A.のコンベンションセンターに戻ってくるのは嬉しい。

今回は、SIGGRAPH 2023の見どころを予習してみることにしよう。渡航前&滞在中に、スケジュールを検討する際の参考用にご活用いただければと思う。

※このコラムで紹介されている内容は2023年5月末現在の情報である。また、最新情報はSIGGRAPH 2023公式サイトプログラム&イベントをご参照あれ。

そもそもSIGGRAPHって何?

nabe_2nd05_01
画像提供:SIGGRAPH

学生の方や、VFX入門者の方の中には、「シーグラフ(SIGGRAPH)」をよくご存知ない方も多いだろう。ここで、そもそもSIGGRAPHとは何かをわかりやすく紹介させていただくことにしよう。

SIGGRAPHは、毎年夏にアメリカで開催される、コンピュータ・グラフィックス分野の世界最大の国際コンベンションである。正確には国際学会および展示会なのだが、連日映像作品の上映やVFXメイキング講演、ユーザー・イベント、パーティ等が開催されることもあり、その楽しさや華やかさから「祭典」的な存在としても知られている。

国際学会の性質にふさわしく、大学の研究者や、ハリウッドのVFX現場で開発された最新技術の論文発表も行われ、ここで公開された論文が、最新ハリウッド映画やゲームの技術に応用される事例も少なくない。アメリカのCG・VFX界では「情報共有」の考え方が浸透しており、こういった最新技術を惜しげもなく公開し、みんなでシェアしていこうという姿勢が見られる。その姿勢はオープンソース等に代表される業界標準化にも通じるものがある。

SIGGRAPHの歴史は古く、第1回は1974年にコロラド州の都市ボルダーで、参加者わずか600人で開催された。参加者数および出展者数のピークは1997年のロサンゼルス開催で、参加者48700人に出展者539。それからは徐々に規模が小さくなり、ここ数年は参加者16000人前後、出展者数160前後を推移している。2019年のロサンゼルスは参加者18700人と、ここ10年間では最大の参加者数を記録したものの、それでも最盛期と比較すると3分の1程度に留まっている。しかし、CGの最先端技術の論文発表や、VFX作品のメイキング講演、エレクトロニック・シアターに代表される映像作品の上映など、まだまだ魅力は満載である。

SIGGRAPHは、毎年開催地を変えて実施され、過去にはボストン、シカゴ、フロリダ、ダラス、サンアントニオ、サンディエゴ、そしてラスベガス等の全米各都市で開催されたこともあった。しかし近年は規模縮小の影響もあってか、CG&VFXが盛んなロサンゼルス近郊やカナダのバンクーバー等で開催されることが多い。

また、コロナ以降のSIGGRAPHでは、「現地視察」(In Person)と、「バーチャル参加」(Virtual)のハイブリッド開催が定着しつつあり、忙しくて現地へ行けない方にも便利である。

SIGGRAPHでは「この場に来ないと見られない、門外不出の映像」が公開されることも少なくなく、著作権の関係でオンライン等では公開されていない極秘映像の数々を見ることができる。また、SIGGRAPHの場で憧れの業界著名人とお話ができたり、実際にVFXを制作した著名VFXスタジオのスーパーバイザー等によるメイキング講演が生で聴講できるのは、大変貴重な経験となるだろう。

ロサンゼルス国際空港から、ダウンタウンへの移動手段は

会場のコンベンションセンターはロサンゼルスのダウンタウンにあり、多くの方はダウンタウン近郊のホテルに宿泊されることと思う。

ロサンゼルス国際空港からダウンタウン方面へは、道路の混雑状況に依存するが、車だと大体30~40分程の距離である。移動手段は、シャトルバスなどいくつか方法があるが、今流行りのUberやLyftを利用するのがお手軽である。

UberやLyft、そしてタクシーの乗り場は、LAX・itと呼ばれる「専用の乗り場」が空港の一角に設けられており、空港内を巡回する緑色の無料バスに乗ると、10分ほどでLAX・itに連れて行ってくれる。

UberやLyftを利用する場合は、ここからスマホのアプリを通じて、車を呼び、目的地へ向かう。アプリは日本語表示なので英語が苦手な方にも便利である。決済はクレジットカードで行われ、チップも必須ではなく任意である。

荷物が多い方、観光も含めいろいろ車で巡りたい方は、レンタカーを借りるのも楽しいだろう。

nabe_2nd05_02
LAX・itの案内や標識は、この緑色のロゴで統一されている。LAX・itへ向かう無料バスも、同じ色なのでわかりやすい。このロゴを覚えておくと、空港ですぐに認識できるだろう

SIGGRAPH全体像を把握するのに便利な「プログラム&イベント」ページ

SIGGRAPH 2023公式サイトには、プログラムやイベントが一望できるプログラム&イベントというページが用意されている。

このページを参照すると、行動予定が立てやすくなるだろう。

チケット&レジストレーション

SIGGRAPHでは様々なイベントや講演があるが、入場するにはチケットの購入が必要である。チケットには複数のカテゴリーがあり、チケットによっては入場できないプログラムもあるので、注意が必要である。

SIGGRAPH 2023のチケット&レジストレーション情報はこちらから見ることができ。このページには、各チケットによるアクセスレベルの違いも明記されている。

チケットは、大別すると下記の3種類がある。事前にプログラム&イベントを確認した上で、購入するチケットを決めると良いだろう。

※6月30日までに申し込むと、若干ではあるが、割引き料金が適用されるのでおススメである。

フル・コンファレンス

現地視察は、全34カテゴリーへアクセス可能。バーチャル参加は、全34カテゴリー中、17種類へアクセス可能だ。価格の詳細はこちら

  • Full Conference Supporter サポーター/現地視察:会員$1,445 非会員$1,675

※「サポーター」は、現在失業中のSIGGRAPH会員や、学生会員向けのディスカウント・プログラムをサポートする目的の上乗せ料金が含まれており、現在安定収入がある方へ、サポートおよび協力を呼び掛けている。

  • Full Conference 現地視察:会員$1,295 非会員$1,523 学生会員$410 失業中の会員$647.50
  • Virtual Conference Supporter サポーター/バーチャル参加のみ:会員$1,270 非会員$1,485
  • Virtual Conference バーチャル参加のみ:会員$1,120 非会員$1,335 学生会員$375 失業中の会員$560

エクスペリエンス

  • Experience エクスペリエンス 現地視察のみ:$325(エレクトロニック・シアターのチケットは別途購入する必要あり)

全34カテゴリー中、26種類へアクセス可能だ。

※備考:昨年あった、エクスペリエンスのバーチャル参加 Experience Plusは廃止された模様。

エキシビット・オンリー

  • Exhibits Only 機器展 現地視察のみ:$45(エレクトロニック・シアターのチケットは別途購入する必要あり)

今年の見どころ

さて、今年で開催50周年を迎えるSIGGRAPH 2023だが、今年はどんな見どころがあるのだろうか?

一口に「見どころ」と言っても、参加される方の専門職種によって着目点が異なると思うが、ここではVFXアーティストの諸兄が興味を持ちそうな分野を、筆者の独断と偏見に基づき、ピックアップしてみた。

特別ゲストによる基調講演(Keynote Presentations)

毎年、様々な著名ゲストによる講演が行われるKeynote Presentations。今年はキャスリン・クライマン女史(作家・弁護士・大学教授)による基調講演が予定されている。

機器展(Exhibition)

nabe_2nd05_03
画像提供:SIGGRAPH
nabe_2nd05_04
画像提供:SIGGRAPH

会期中、火曜・水曜・木曜の3日間(8月8日~10日)に渡って開催されるのが機器展。

ここでは、様々なCG/VFX関連のソフト&ハードの最新動向を見ることができる。会期中に一回りするだけで、今年のトレンド、各分野の勢い、そして大人の事情などがひととおり把握できる場でもある。2D&3Dアプリケーションの各ベンダーが構えるブースでは、最新バージョンのデモや、ユーザー事例のプレゼンテーションなども行われる。人気アプリケーションのTシャツやバッチ、ノベルティ・グッズなどをゲットするのも楽しみの1つだ。

出展企業の一覧はコチラ。大手VFXスタジオのブースや、バーチャル・プロダクションの台頭で注目されているUnreal Engine、そしてUnityなどのゲームエンジンのブースも要チェックであろう。

nabe_2nd05_05
ワンちゃんも展示クルーの一員として出展ブースで活躍=SIGGRAPH 2022(画像提供:SIGGRAPH)

エレクトロニック・シアター

nabe_2nd05_06
SIGGRAPH 2022におけるエレクトロニック・シアターの模様(画像提供:SIGGRAPH)

シーグラフの数あるイベントの中で、とりあえず外せないのが、このエレクトロニック・シアターである。著作権の関係でネット上では公開されないような極秘映像も多数含まれ、まさに必見である。現地鑑賞および、バーチャル鑑賞ができる。

※フル・コンファレンスの現地視察には、エレクトロニック・シアターのチケットが価格に含まれている。また、バーチャル参加の場合は、登録時に追加料金なしでバーチャル・エレクトロニック・シアター・チケット1枚が含まれる。それ以外のカテゴリーの場合、エレクトロニック・シアターのチケットは別途購入する必要があるので注意。購入方法についてはこちらのページの後半部分の左側下の方にある「Electronic Theater Tickets」をご参照あれ。

※備考:SIGGRAPHのコンファレンス自体にレジストレーションをしていなくても、エレクトロニック・シアターだけをL.A.で現地鑑賞、もしくは世界中どこからでもバーチャルで鑑賞できるチケットを、単体で購入することができる。現地鑑賞は$40、バーチャル鑑賞チケットは$25。こちらのページの下の方にある「Electronic Theater」の項目の末尾にある[IN-PERSON TICKETS]か[VIRTUAL TICKETS]のどちらかを選んでクリック。

※5月末現在、「SIGGRAPHのレジストレーションなしで、エレクトロニック・シアターの現地鑑賞チケット(IN-PERSON TICKETS)だけを単体購入できるリンク」が工事中で、まだ上記ページで表示されていない。筆者が事務局に問い合わせたところ、「ご指摘ありがとうございます。現在ITチームがWebを修正する作業を進めております。少し時間が掛かりますが、しばしお待ちください」とのことであった。

追記:6月16日付で事務局からUPDATEがあり、Webの更新が完了したとのこと。

没入型パビリオン(Immersive Pavilion)

nabe_2nd05_07
SIGGRAPH 2019のImmersive Pavilionにて。連日、開場1時間前から行列ができる人気ぶりだった(筆者撮影)

これは2016年より始まった「VRビレッジ」が、さらに発展させた「没入型パビリオン(Immersive Pavilion)」として2018年に生まれ変わったもの。バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実感(AR)と複合現実感(MR)の最先端情報を垣間見ることができるショーケースとして開催される。

※エクスペリエンス、フル・コンファレンスのチケットが対象。

VR Theater

nabe_2nd05_08
画像提供:SIGGRAPH

VR Theaterはフル・コンファレンスのチケットが対象だが、鑑賞には別売りチケットが必要で、レジストレーション時に追加オプションとして選んで購入する。

世界中から寄せられた応募作品の中から厳選されたVR作品を鑑賞できる。ドキュメンタリーからファンタジーまで、様々なジャンルの作品が含まれているという。

トークス

各分野の舞台裏やアイデアを披露する「トークス」も、VFX関連の面白いプレゼンテーションが聴講できる。

バーチャル・プロダクションや、VFXの最新テクノロジーなど、かなり盛りだくさんである。フル・コンファレンスのチケットが対象。

プロダクション・セッション

nabe_2nd05_09
画像提供:SIGGRAPH

プロダクション・セッションでは、最先端技術をハリウッド映画や長編アニメーション、動画配信作品などのVFXプロダクションに応用したプレゼンテーションが行われ、毎年かなり見応えのあるVFXメイキング講演が聴講でき、まさにVFX屋必見である。

過去数年のプロダクション・セッションでは、AIをVFXのプロダクションに応用した事例なども紹介されており、今年もAIやバーチャル・プロダクション、ボリューメトリック・キャプチャーの使用事例などが惜しげもなく披露されることだろう。

※プロダクション・セッションは、フル・コンファレンスのチケットでないと入場できないので注意。

論文発表(Technical Papers)

国際CG学会としてのSIGGRAPHで、毎年様々な研究開発の成果が論文として発表されるのが、このTechnical Papersである。

プロダクション・セッションにおけるVFXメイキング講演の中でも、「何年のSIGGRAPHで発表された論文のテクノロジーに基づき開発」という記述が見られるなど、Technical Papersの発表はハリウッド映画のVFXやアニメーションのクオリティ向上、そしてデジタル・テクノロジーの技術革新などに大きく寄与している。

SIGGRAPH 2023では、この5月にNVIDIAがアナウンスした、AIに関するリサーチ論文などが注目されている。

ジョブ・フェア

nabe_2nd05_10
海外でのポジションを探すなら、ジョブ・フェア。各社のリクルーティング・ブースがズラリ(画像提供:SIGGRAPH)

Job Fairは、全カテゴリーのチケットが対象である。

SIGGRAPHでの就活やジョブ・リサーチを予定しておられる方は、ぜひこちらへ。リクルーターやスーパーバイザーとコネクションを作れるチャンスの場でもある。ここでは、SIGGRAPH開催前、そして終了後も求人中の各社とコネクションを築くことが可能となっている。

今年は、8月8日(火)と9日(水)の開催が予定されている。

[Job Fair Hours]

  • Tuesday, 8 August, 10 am-6 pm
  • Wednesday, 9 August, 10 am-2 pm

また、事前に書籍「ハリウッドVFX業界就職の手引き」を読んで海外就活の予習をしておくことをお忘れなく!

SIGGRAPH参加で上司を説得する際のサンプル・レター

SIGGRAPHへ行きたいのはやまやまだが、上司を説得して会社からお金を出してもらうのが大変なのは、万国共通のようだ。そんなアナタの悩みにお答えすべく、SIGGRAPHは、上司を説得する文面のサンプル・レターを用意している(爆笑)。

その名も、「Ask Your Boss」。

このテンプレートを、必要な箇所だけ書き換えて上司に提出すれば良いという優れものである。しかも、現地参加、バーチャル参加の両方のサンプル文面が用意されており、気が利いている。これを自動翻訳で日本語レターにすれば、日本でも活用可能であろう。Good Luck!

SIGGRAPH会場周辺情報 L.A. Live

SIGGRRAPH会場のコンベンションセンターは、複合エンターテインメント施設L.A. Liveに隣接している。その周辺情報をお届けすることにしよう。

クリプト・ドットコム・アリーナ(Crypto.com Arena)

nabe_2nd05_11

何やら耳慣れない名前だが、旧ステープルズ・センター(STAPLES CENTER)と言えば、ピンとくる方も多いのではないだろうか。

NBAのロサンゼルス・レイカーズの本拠地として有名。NBAファンの方は、前を何気なく素通りしてみるだけでも価値があるかもしれない。

また、マイケル・ジャクソンが、幻のコンサート・ツアー「This Is It」のリハーサルを行ったのが、ここ。映画「This Is It」の中で登場するリハーサル風景の多くが、ここで撮影されたものだ。ちなみに追悼イベントもここで開催された。コンベンションセンターの真横に位置している。

マイクロソフト・シアター

nabe_2nd05_12

ここは元々、2014年までは「ノキア・シアター」という名称だったコンサート・ホールで、AKB48がAnime Expo 2010に併せてコンサートを行ったり、前述の「This Is It」でマイケル・ジャクソンが立ち合いの下、ダンサーのオーディションが行われた場所としても知られ、音楽&エンターテインメント界では有名な場所である。

マイクロソフト・シアターは、過去に2008年、2019年のSIGGRAPHで、エレクトロニック・シアターの会場としても使用されたことがある。

今年のエレクトロニック・シアターの会場は、5月末の段階ではまだアナウンスされていないが、コンベンションセンター内のWestHall、もしくは、ここマイクロソフト・シアターでの開催になると思われる。

グラミー賞・ミュージアム

L.A. Live敷地内にある。入口が地味で少しわかりづらいが、Figueroaストリート側に入口がある。

洋楽ファン垂涎の品がたくさんあり、音楽好きの方は是非訪れてみると良い。グラミー賞歴代受賞者のアイテムや、エルビス・プレスリーのギター等も展示されている。

そして、マイケル・ジャクソンのコーナーでは、本物の衣装、マイケル直筆の歌詞、「We are the World」のレコーディング時のアイテムや楽譜なども展示してあり、ファンでなくても興味深いものがある。

…音楽に全く興味がない人は、歩いてホテルへ戻る際、前を素通りしてみるだけでも充分価値があるかもしれない(意味不明)。

和風居酒屋 KATSUYA

L.A. Live敷地内に、有名な居酒屋チェーン「KATSUYA」がある。

会場から歩いて行ける便利な立地にある、アメリカナイズされた和風居酒屋。料金は日本の居酒屋さんより、かなり割高となるが、料理は美味しい。

日本にはない「アメリカ人向けの居酒屋」がどんな雰囲気か、みんなで話のタネにワイワイ飲んでみるには悪くないかもしれない。

営業は基本的にはディナータイムのみ。たまに、コンベンション開催時期はランチもやっている場合があるので、同店サイトをチェックしてみると良い。

会場から徒歩圏内で、和食が食べられるので便利だ。

SIGGRAPH視察をバックレて、映画を観たい時は「Regal LA Live」

VFX屋も人間である。視察をバックレて、ひとり孤独に浸りながら映画を観たい時だってあるだろう(なんだそれ)。

そんな時は会場から歩いてすぐ、LA Live敷地内にあるシネコン、Regal LA Liveへシケ込むと良い。現在公開中の、旬のハリウッド映画を楽しめる。

会場近くで、ガッツリとステーキを食べるなら「ザ・オリジナル・パントリー・カフェ

コンベンションセンターから歩いて7~8分!Figueroaストリートをホテル群に向かって北に歩くと、9thとの交差点の左側の角に行列のある店が見えるはず。24時間営業の有名な庶民的なステーキハウス。

朝ご飯、ランチ、ディナーにもグー。高級店ではないので、味はまあまあ。しかし、リーズナブルな価格でアメリカンサイズのニューヨーク・ステーキやサーロイン・ステーキが堪能できる。

1924年のオープン以来24時間営業を貫いており、一度もドアを閉めたことがないとか。

和食が恋しくなったらリトルトーキョーへ行こう

コンベンション・センターの不味いデリや、大味なアメリカン・フードに飽きた頃、そしてちょっと疲れが出て食欲がない時、リトル・トーキョーへフラっと行ってみると良い。

リトル・トーキョーはダウンタウンにあるが、コンベンション・センターからだと徒歩で40分かかる距離なので、Uber等を利用すると良い。

アメリカなのに、なぜか二宮金次郎像。その左手にある日本風の町中華「幸楽」は、冷やし中華、ミソラーメン、定食等がおすすめ。ランチのほか、夜も10時頃まで営業している。

また、人気ラーメン店も充実している:

リトル・トーキョーには、美味しい居酒屋も沢山あるので、夜は夜で楽しい場所だ(ただし、ここはアメリカなので、食事中に椅子の下においた手荷物の置き引き等には、充分ご注意あれ。貴重品やバックなどの手荷物は、常に手の届くところで管理すべし)。

上記は、すべて、歩いてぐるっと回れるくらいのまとまったエリアにある。治安は新宿裏路地を歩く程度の、最低限の警戒心さえ持てば大丈夫と言える。

その他、鍋潤太郎がオススメする居酒屋情報は、以下をご参考あれ。

L.A.の新名所 アカデミー映画博物館

nabe_2nd05_13

L.A.を訪問された際に、ぜひ訪れて欲しい場所がある。

特に映画好きの方には、2021年9月にオープンした、アカデミー賞の映画博物館がおススメである。ダウンタウンからは少し離れたハリウッド南方のエリアにあるので、Uber等を利用して移動するのが良いだろう。

※このレポート当時は、チケットはオンラインによる完全事前予約制だったが、現在は普通に購入できる模様。詳細は上記リンクの中の、アカデミー映画博物館の公式サイトをご参照あれ。

せっかくL.A.に来たなら、おススメの映画館2つ

上記で、SIGGRAPH会場近隣にある映画館をご紹介したが、ここではダウンタウンから車で30~40分ほどの場所にある、おススメの映画館2つをご紹介。Uber等を利用して、ぜひ訪問してみたい場所である。ポップコーンを片手に、本場ロサンゼルスで映画鑑賞を楽しんでみてはいかがだろうか。

ハリウッド・チャイニーズシアター

nabe_2nd05_14

ハリウッドにあるチャイニーズ・シアター。独特の外観が有名で、観光地としても知られているが、この中で映画が観られるということを知らない人は意外と多い。巨大なメイン・シアターはIMAX。「チャイニーズ・シアターで映画を観てきた」というのは、ちょっと自慢ができるだろう。隣には、アカデミー賞でおなじみドルビー・シアターがある。

センチュリーシティのAMCシアター

nabe_2nd05_15

センチュリーシティは、ダウンタウンとサンタモニカの中間点にあり、ビバリーヒルズも近い。ここのショッピング・モールの中にあるAMCシアターは、シアターのデザインも洗練されており、IMAXシアターを含む15スクリーンのシネコンである。映画の前のCMや、予告編などもアメリカならではの雰囲気を楽しめる。ここで映画を観た後、ショッピングやお食事なども。

広大なショッピング・モール内には、小籠包で有名な鼎泰豊や、行列のできる大人気ラーメン店のラーメン凪などがある。どちらも美味である。また、様々なブランド品のお店も充実。

おわりに

以上がSIGGRAPH 2023、会場周辺、そしてL.A.の見どころ情報である。視察の準備や、現地でのガイドとしてお役に立てれば幸いである。

WRITER PROFILE

鍋潤太郎

鍋潤太郎

ロサンゼルス在住の映像ジャーナリスト。著書に「ハリウッドVFX業界就職の手引き」、「海外で働く日本人クリエイター」等がある。