4K60p 10bit撮影対応のデジタル4Kビデオカメラ「HC-X2000」

パナソニックが今年の2月に発表したデジタル4Kビデオカメラ「HC-X2000」は、4K60p 10bit、FHD60p 10bit、広角25mm、24倍光学ズームに対応し、2つのマニュアルリングやSDI出力を搭載した業務用クラスのビデオカメラ。スペックの割にはコンパクトで、オートで誰でも簡単に撮影できるのが特長だ。例えば、水準器を搭載したことで、手持ち撮影でも簡単に水平を取れるように配慮されていたり、顔検出追尾AE&AFに対応し、被写体の顔がピンボケするのを防ぐことで、ワンマンでの取材中にフォーカスコントロールに追われることなく撮影することができる。画素数を4K撮影ぎりぎりまで削減したことによって、ピクセルサイズ自体は従来機のX1000よりも約1.7倍大型化し、低照度時の撮影耐性も向上している。HC-X2000に搭載しているCINE D/CINE Vを活用することでLUMIXのシネライクモードとLOOKを合わせることも可能。

HC-X2000は徹底してディレクターカメラ(いわゆる“Dカメ”)としての使い勝手にこだわっている。ワンマンでディレクションから撮影までこなさなければいけないDカメにとって最も重要なのは、“撮影の失敗を防ぐこと”。取材中やインタビュー中、カメラマンであれば撮影に集中できるが、最近はディレクターやADがワンマンで回す現場も多く、そういった場合、どうしても脳内のCPUは撮れ高、番組の構成、面白い話の引き出し方などに回さざるをえず、カメラの機能や撮影技術には頭が回らないと考えた同社は、水平が取れていて、ピントが合っていて、ブレないことが重要だと考え、そのあたりの性能に徹底的に配慮したという。また、単なるDカメだけにとどまらず、マニュアルリングを使った撮影や、ハイクオリティの映像記録モードに対応したことで、カメラマンからADまで幅広く使えるように配慮されている。

兄弟機モデルのHC-X1500

また、SDI出力非対応、ハンドル別売、その他機能は共通の兄弟機モデル「HC-X1500」もラインナップされており、HC-X1500はハイアマチュアの方から好評で、60pを必須だと考えるビデオカメラ愛好家やLUMIXと合わせて映像編集される方などが多い印象だという。

想定される使用状況として、特に屋外での取材やインタビュー、密着番組などと相性が良いとしている。密着番組では機動力とバッテリー持ちが求められるとし、スペックに対してかなりの小型軽量を実現しており、4K60p時であっても最長で約4時間35分もバッテリーが持続し、現場から現場に飛び回るのに負担が少ないだろう。また、密着番組は撮影環境の振れ幅が大きいため、室内で至近距離から撮影する場面、一方で練習場の外や劇場の最後部からズームで狙う場面などが考えられ、こういった環境では広角25mmから24倍光学ズームができるこのカメラの光学性能が生きてくるとしている。

上下左右のブレや回転ブレや水平ブレなどさまざまな手ブレをリアルタイムに検知し補正する5軸ハイブリッド手ブレ補正に対応

ロケや取材などで手軽に使ってもらえるように「小型軽量4K60p撮影」かつ「撮影しやすい」ということを実現する点が最も苦労して、こだわった点だという。LUMIXと同じVenusエンジンを搭載することで、映像処理能力は格段に向上したが消費電力も高くなるため、小型化との両立が非常に困難だった。小型化とは言いつつも、ターゲットユーザーへのヒヤリングを実施していく中で、バッテリー切れなどの余計な心配をせずに撮影できるほどの長時間撮影に耐えうるバッテリー搭載が求められている、という現状課題が明確になったため、大容量のバッテリーを搭載する方針となった。そうなると、さらに小型化のハードルが上がってしまうが、カメラ本体に薄型ファンを搭載し、放熱構造を新規に設計することで前モデルHCX1000に対して60%程度の小型化を実現した。

「撮影しやすい」という点については、撮影時のバランスが保たれるよう工夫されている。ハンドルを装着して撮影という基本スタイルだと、ハンドル前方のマイクユニット部とカメラ本体のレンズ鏡筒でどうしても前重になってしまう。しかし、大容量バッテリーに対応し、バッテリーをカメラ後方に装着することで、カメラ前後のバランスが取れ、撮影時のバランスが保てるようになり、長時間の撮影でも疲れにくくなり、この点でもユーザーの困りごとを解決することができたとしている。

■一言アピール!

X2000とX1500に共通して言えることですが、Wi-Fi機能を使ったライブストリーミング配信に対応しています。ご自宅やオフィスでインターネットに接続されているルーターなどにWi-Fiでアクセスすれば、Facebook LIVEやYouTube Liveなどでライブ配信がお楽しみいただけます。PCやHDMI機器などが無くてもカメラとネットワーク環境だけで簡単にお使いいただけます。

現在、新型コロナウイルスの影響でストリーミング配信の需要が高まっていると思いますので是非ご活用いただければ嬉しいです。