RED STUDIOS HOLLYWOODの在り方とは?
RED STUDIOS HOLLYWOODのラボ施設内では、REDの最新のセンサーMYSTERIUM -Xセンサーを搭載したRED ONEによって、現在撮影が行われている劇場公開映画の最新作のワンシーンなどを試写して頂いた。マッチ1本だけの明かりでも暗部のノイズなどが全く目立たないなど、MYSTERIUM-Xの性能が素晴らしいものであることが良く解るものだ。また実際にその場で、4K撮影した映像をすぐにRED ROCKETが装備されたノンリニアマシンで編集/カラコレするワークフローの実演などもデモンストレーションして頂いた。4Kムービーが証明写真を撮るのと同じような工程とスピードで処理され、目の前で4K上映されるのは何とも信じがたい光景ではあるが、REDが目指してきたものが目の当たりに出来るこうした施設があれば、クリエイターはそれを経験することによって確かなものに変わるだろう。
また今回は5D markⅡとの動画データにおけるテストチャート比較検証結果も見せて頂くことができた。興味深いのは静止画ではEOS 5D markⅡの画像が優れていても、動画データではREDのMYSTERIUM-Xの基本性能が、諧調性や解像度などにおいても優れていることが証明されていた。REDの広報担当であり日本のユーザーにもお馴染みのテッド・シロビッツ氏にRED STUDIOS HOLLYWOODについてお話を伺った。
–RED STUDIOS HOLLYWOODを入手した理由は?
現在REDカメラの開発はまだ本社中心で行っているが、このスタジオを入手したことで、今後は2つの拠点で開発もしていくことになるとのこと。現在も主要スタッフは3年前と変わらず30名ほどだが、周辺のサポートスタッフが増えて100名以上の組織になっているという。また今後、こうした施設をワールドワイドでも作る可能性があるか?との問いについては、いまのところそういう予定はないが、すでにRED ONE が8,000台以上も出荷しているので、そういう展開も考えられるかも知れないとのことだった。
また、ピーター・ジャクソン監督を始めとする世界に名だたる監督たちもREDを好んでいるようだが、彼らがREDを好む理由は、とにかくこれまで35mmフィルムで撮って来たワークフローをデジタルで簡単に、しかも4Kの高画質で再現できるところだという。彼らにとってその部分は大きいだろう。また現在、スティーブン・ソダーバーグ監督やデビッド・フィンチャー監督の最新作はREDで撮影されているという。
REDが考える新ジャンルへの展開とは?
RED の最新機種EPICやSCARETなど今後の展開の話から、テッド氏との話の中で気になる方向性が示された。そもそもREDが掲げていたDigital Still Motion Camera(DSMC)という方向性において、具体的な活用事例などが出ているのか?という問いに対して、
現にここにある「Esquire」「Time」「Outside」といった有名雑誌の表紙は、すべてREDで撮影されたものです。これらはスチルのカメラマンがREDを使ってムービーもスチルも撮っています。Time誌などは、実際に表紙と同じモチーフの動画がウェブサイトにアップされています。今後はiPadなどにおけるエレクトリカルマガジンのコンテンツへの需要も増えるだろうと考えています。
今後はiPadなどとの連携で、またREDの新たなる可能性が広がりを見せそうだ。
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