ハリウッドがリーマンショック以降の投資/資本離れによる、製作逆境にあって、制作スタジオなどの映画関連会社も値引きやサービス合戦による生存競争状態が続いている。こうした逆境を逆手に取るように、ハリウッドの映画システムを日本の映画界へ呼び込む新たなサービスを始めた会社がある。

ハリウッドスタイルを日本映画でも実現?

STUDIO REVO(スタジオレヴォ)は、これまでなかなか手が届かなかったハリウッドでのスタジオワークなど映像制作の各種サービスを、日本の映画/映像制作者が、より身近に安価で利用出来るように、現地でのコーディネーションサービスを提供する会社だ。同社のサービスを上手く利用することで、世界に通用するハリウッドのスタジオ設備などを利用でき、映画はもちろんのこと、CM、TVドラマ、PV、果てはWeb映像制作までクォリティーの高いサービスをより身近に、低価格で利用することができる。

SR01.jpgスタジオレヴォの嵜野準也社長

日本で今年2月に公開された映画『BANDAGEバンデイジ』(監督:小林武史/プロデューサー:岩井俊二)は、撮影は日本国内だがフィルムレコーディングなどの作業はスタジオレヴォのコーディネートにより、ハリウッドで行われた。

 

スタジオレヴォの嵜野準也(さきのじゅんや)社長は、

「こちらでは制作される映画の作品数も多いために、スタジオ各社の競争が激しく、値段やサービスもその分安くできます。日本だと、作品もフィルムレコーディングできる環境も限られているので、どうしても高くついてしまうという状況があるようですね。そんな状況をお聞きして、私自身、こちらで映像制作に10年近く関わってきたことから、そうしたワークフローやルートにも明るいので、何かしらこのようなサービスで何か日本の映画/映像産業のサポートが出来ないかと考えました。映画『バンデイジ』は、全編RED ONEカメラで撮影されていますが、カラーコレクションと2Kのフィルムレコーディングは全てハリウッドで行いました。特にフィルムレコーディングに関しては、僕自身も経験が多く、安く高品位に仕上げる事は可能でした」
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予算がないインディーズ映画では、よくキネコで仕上げるのが一般的だが、これもスタジオレヴォを通すことで、ほぼ同じ予算でもレーザーレコーディングで仕上げる事ができる。しかもそのクォリティーはハリウッドで通用するレベルのもので、これは日本のように低予算の劇場公開映画にとっても大きなメリットだと言える。

またLAにはもちろんのこと、日本にも事務所があり、まずは日本語で気軽にサポート相談ができるのも便利。スタジオレヴォが提供するこのサポートシステムを利用して日本の作品も世界に通用する品質に仕上げることで、より世界に売っていける作品を制作出来る環境が身近になったと言えそうだ。