CINE GEAR EXPO 2010レポート

デジタルシネマの世界を語るには避けて通れないイベントがこのCINE GEAR EXPO である。今年も昨年と同じく、ハリウッドのメジャースタジオParamaountの中で2010年6月4、5日開催されたCINE GEAR EXPO。会場も昨年と同様のオールド・ニューヨークのオープンセットを中心に、クレーンや屋外照明機材、カメラ、周辺機器などの展示が行われた。今回のメインはやはり3Dステレオスコピックのようで、3D撮影用の各種リグが並んでいた。また初日の6月4日には「3D Symposium」と特別セミナーが1日を通じて開催されるなど、その関心度の高さを示している。

 開催時間は、昨年同様に初日は夕方4時から夜9時までのナイトシーン向け展示、2日目は朝10時から夕方5時までの通常展示という、映画のシーンに合わせた、ハリウッドらしい演出の開催となった。

※ 写真撮影機材:SONY α NEX-5(機材協力:ソニー株式会社)

デジタルシネマ編

デジタルシネマ関係で今年人気を2分していたのは、ARRIFLEXの新型デジタルシネマカメラALEXAと、REDの新機種EPICだ。両機種とも開催日4日の午前中に、それぞれのワークフローなどを紹介する専門セミナーが開催され、その注目度の高さを物語っていた。RED EPICはTATOOモデルと呼ばれる初回出荷モデルがすでに4月上旬に発売されていたこともあり、会場内の随所で見かけられた。

■ARRI

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ARRIのブースはALEXA一色。その多彩な機能と汎用性はハリウッドのDPたちにも大きく注目されているようだ。ARRIは数年前まで、照明機材も含めて会場内最大のブースを誇っていたが、昨年からはこの程度の小さいスペース展示になっている。




■CINEDECK

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NABで初登場して数々の賞も受賞して話題となった、タッチパネル式のモニターが付いたレコーダーCINEDECK/EXTREME。8/10bit-4:2:2、12bt4:4:4の収録が可能、7インチのタッチスクリーン式モニターでは波形モニターなどの機能も有する他、HD-SDI、HDMIなどあらゆる入出力を備えた優れもの。

http://www.cinedeck.com

■Leica SUMMILUX-C Primes

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米国のシネマ系ツール販社bandproのブースは今回、ライカのシネプライムレンズシリーズ”Leica SUMMILUX-C Primes “を前面に押し出した展示となった。NABではモックアップのみの展示だったが、今回は実物レンズが数種登場。アメリカでも映画関係者ではやはりライカファンは多いようだ。



■Tyler

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DSLRなどの小さなカメラではやはり手ブレ問題は大きい。確実なスタビライズを実現するTyler社のMINI GYROがもたらす安定性はかなりのもの。早速 RED EPICで試すデモが行われていた。



■Segway

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CINEGEARではお馴染みとなったハンドフリーセグウェイによるデモ。



■MOTION PICTURE MARINE

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MOTION PICTURE MARINEのPERFECT HORIZONは、船の上からなどの撮影の際に、どんなに船が揺れても水平を保つスタビライズ機能を持たせる事ができる優れもの。デモの映像では、大シケの海上からの撮影でも、水平線が真横に保たれている映像が映し出されていた。



■P+S TECHNIK

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3Dステレオ撮影のリグも今回は数多くの出展があった。P+S TECHNIK社のFreestyle Rigは、下からの装着もOK。