InterBEE2013最終日の11月15日は、次世代放送推進フォーラム(NEXTV-F)事務局の元橋氏圭哉さんをゲストにお迎えして、”4K放送が始まるとどういう未来になるのか”、というお話しを伺った。

映像業界では2年ほど前から、4Kだ4Kだと言い続けてきている現状があるわけだが、それらはすべてデジタルシネマの話であった。つまり24pもしくは30pまでの世界である。だが我々日本が来年から取り組んでいく4Kは、放送だ。すなわち、ベースは60pになる。情報量が倍というだけではない。放送のアドバンテージはライブ中継ができるというところであり、1カットずつ丁寧に撮影して編集で組み立てる映画とは撮り方や現場も違う。それにフィットした4K機材というのは、ほとんど今存在しない状況からのスタートである、ということは頭に入れておいていいだろう。

なぜそんなに急ぐのか。オリンピックが決まったからではない。すでに先進国では、4K放送を2015年あたりから試験放送スタートと位置づけている。それよりも先にノウハウを収集することで、機器開発や番組制作メソッドを構築、世界の放送業界を日本がリードしていくという、国策の要素が強いのだ。もちろんこれは衛星放送が4Kになるというだけではない。IP放送やCATVでも4K、さらには解像度だけでなく、放送と通信を1つの番組の中でどう組み合わせ、ユーザー体験を拡張していくか。それこそが、次の世代の放送に求められる姿である。

txt:小寺信良 構成:編集部


Vol.04 [BrushUP! InterBEE2013] Vol.06