今回のBlackmagic Design(以下BMD)ブースツアー、お楽しみ頂けただろうか。“サムライなのにあんまり切ってない”と不満の声もあると聞いているが、製品のできと価格を聞いてしまうと、文字通り矛を収めざるを得ないというのが正直なところだ。
BMDのInterBEE展示のポイントは、なんといっても6G-SDI対応機種の拡充である。SDI 1本で4K/30pまで伝送するというオリジナル規格まで作って、実際に製品もどんどこ開発し、デファクトスタンダードを狙うという戦略がやれるのは、高い技術力を有しているからに他ならない。
まず注目は、InterBEEで初めて実機を見る事ができた「Blackmagic Production Camera 4K」だ。BMDは従来からデジタルシネマカメラに力を入れているため、これも当然映画向けのDCI 4K(4096×2160)収録かと思いきや、UHDTV 4K(3840×2160)収録だという。もちろんこれで映画が撮れないわけではないが、日本という市場を考えると、テレビドラマやCM撮影という、テレビ向けのフィルム市場がターゲットとして見えてくる。
新たにThunderbolt 2に対応した「UltraStudio 4K」も注目だ。年内のファームアップで、デュアルリンク6G-SDIを使った4:2:2の4K/60pが記録できるようになるという。そのデュアルリンク6G-SDIをどっから持ってくるんだよ、という話はあるにせよ、6G-SDIを2本使えば4K/60P行けるじゃん、という理屈を本当に実現する最初の製品になりそうだ。
もちろんスイッチャー侍としては、大注目の「ATEM 1 M/E Production Studio 4K」も見逃せないが、そちらはじっくり動画を見ていただこう。
txt:小寺信良 構成:編集部