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SHOGUN最上位機種「SHOGUN INFERNO」登場!
ATOMOSは3月に発売になったばかりのSHOGUN FLAMEや、NAB開催日に発表されたSHOGUN INFERNOのほか、PQ in/out(PQガンマ入出力)機能をFLAMEシリーズへ提供するAtomoOS 7.1の発表、ファームウエアアップデートとしてSHOGUN、NINJA ASSASSIN、SHOGUN STUDIO、NINJA BLADE、SAMURAI BLADEへのAtomHDRモードの適用を発表した。また、4K60pの伝送を担保するために、HDMI 2.0に対応したHDMIケーブルの発売や、X-rite製i1Display Proに対応したAtomos Calibratorの提供なども発表された。
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SHOGUN INFERNOは、4K60p収録に対応したSHOGUNシリーズ最上位機種となっており、現行品のSHOGUNの後継機という位置づけ
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SHOGUN INFERNOには、3G SDIx4によるクワッドSDI入力に対応しており、クワッドSDIから12G-SDI変換にも対応。発売時期は2016年7月から9月頃で、希望小売価格は税込み278,000円
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PQ in/out(PQガンマ入出力)機能をFLAMEシリーズへ提供するAtomoOS 7.1。SHOGUN INFERNOに採用されたPQガンマ(SMPTE ST2084)入出力機能を搭載したAtomoOS 7.1によるメニュー画面。AtomHDRモードでは表示されるダイナミックレンジをスライダーバーで変更可能
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X-rite製i1Display Proに対応したAtomos Calibrator。Atomos Spyderの生産終了により、今後のキャリブレーションのソリューションとして、x-riteの社製のカラーキャリブレーションツールi1 Display Proに対応したAtomos Calibrator。すでに発売されている、USBシリアルケーブルを使いPC/MacとAtomosレコーダーを接続し、i1 Display ProもUSB経由で同じPC/Macに接続
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モニター画面にi1 Display ProをセットしてAtomos Calibratorを起動し、キャリブレーションをスタートすると自動的に液晶画面の色を測色、補正データを流し込んで正確な色再現を実現。SHOGUN、NINJA ASSASSIN、SHOGUN INFERNO、SHOGUN FLAME、NINJA FLMAE、SHOGUN STUDIO、NINJA BLADE、SAMURAI BLADE等のキャリブレーション対応のレコーダーすべてに対応している
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ROSSのスイッチャーやJLCのコントローラーと組み合わせたSHOGUN STUDIO。ブース内に設置された4Kのパナソニックのリモートカメラと組み合わせてOBバンでの収録を想定したシステムを披露していた
ブースは例年同様各社のカメラと同社の各種レコーダーとの組み合わせが多数出展されており、今年は4月下旬発売のニコンのD500が早くもブースに並んでいた。なお、隣接するエアードーム内では、バイクと女性モデルが撮影できるスタジオが設営されており、Atom HDR+1500nit高輝度液晶による効果を体験できるようになっていた。
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エアードーム内ではHDRの効果を体験できるようになっていた。すでにSHOGUN INFERNO、SHOGUN FLAME、NINJA FLAMEに採用されたAtomHDRモードだが、今回SHOGUN、NINJA ASSASSIN、SHOGUN STUDIO、NINJA BLADE、SAMURAI BLADEにも機能を拡充するファームウェアアップデートが発表された。これらの機種は、液晶輝度が400nitの為、HDRとして表現できるダイナミックレンジの幅は狭いものの、Logガンマでのモニタリング環境を改善することが可能。5月以降順次無償提供される予定
ATOMOS社長 戒能氏が語るATOMOS新製品情報!
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ATOMOS株式会社 戒能正純社長
(※個人の役職名は取材当時の名称。2017年8月末、戒能氏はATOMOS株式会社 代表取締役社長を退任)
戒能氏:今回のNABに合わせて発表されたのが「SHOGUN INFERNO」です。3月に発売したSHOGUN FLAMEと同じ耐衝撃に優れたボディと1500nitの高輝度ディスプレーを持ちつつ、待望の4K60p対応を実現します。更にHD-SDI×4によるクワッドリックSDI入力にも対応します。発売は、第三四半期中(7月から9月の間)とまだ先ですが、ご期待頂ければと思います。
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戒能氏:また、新機能としてPQガンマ(SMPTE ST2084)の入出力に対応します。これはAtomHDRの機能を拡張して、カメラからのLogガンマの映像入力をリアルタイムにPQガンマに変換してビデオ出力したり、PQガンマの映像を SHOGUN INFERNOに入力しHDR表示するものです。今回のブースでは、Dolbyのリファレンスモニター(2000nit)と同じ映像ソース(PQガンマ)での比較展示も行なっています。
加えて、AtomHDRモードで表示しているダイナミックレンジをスライダーバーで変更する際、輝度(ルミナンス)波形表示上に明度側のクリップラインがモニター上で再現されている輝度ピークに合わせて表示されるようになります。波形で見て、どこから上がクリップされているのか一目で分かりますので、こちらも撮影時の目安になると思います。このPQガンマ対応とクリップライン表示は、FLAMEシリーズに対してもAtomOS 7.1のアップデーターで提供予定です。
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戒能氏:他のバージョンアップ情報として、AtomHDRの対象機種拡大を予定しています。SHOGUNのほかNINJA ASSASSIN、SHOGUN STUDIO、NINJA BLADE、SAMURAI BLADEにAtomHDR機能を拡充するファームウェアアップデートを5月以降順次提供予定です。これら機種のパネル輝度が400nitと高くは無いため、HDRとして表現できるダイナミックレンジの幅は400%程度になりますが、Logガンマでのモニタリング環境を改善することが可能です。ユーザーの皆様には是非楽しみにして頂ければと思います。
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戒能氏:本体のバージョンアップとは違うのですが、モニターキャリブレーション環境もアップデートがあります。キャリブレーション用に提供してるATOMOS Calibratorソフトウェアにて、X-Rite製i1 Display Proがサポートされた新バージョンが提供されることになりました。既に市場で販売されているi1 Display Proが そのままお使い頂けます。モニターキャリブレーションに対応しているSHOGUN、NINJA ASSASSIN、SHOGUN INFERNO、SHOGUN FLAME、NINJA FLAME、SHOGUN STUDIO、NINJA BLADE、SAMURAI BLADEすべてが対象となります。
機能も若干アップデートがありまして、従来はD65(6500K)ホワイトでのキャリブレーションしか対応していませんでしたが、新バージョンではD93(9300K)ホワイトでのキャリブレーションにも対応します。これは、国内のお客さまからの要望をフィードバックして実現したもので、ATOMOSレコーダーがD93モニターとして利用できるようになります。
最後に、新たなアクセサリーとしてHDMI 2.0対応のHDMIケーブルの発売計画が発表されました。4K60pに対応したケーブルで、従来通りコイル状になっているのでカメラとのセッティングでは、使い勝手の良いケーブルです。こちらもINFERNOと併せての発売を予定しています。
2016年も4KやHDR(Logガンマ)に対応したデジタル一眼やビデオカメラの新製品が登場しより身近になっているのでATOMOSとしても期待しています。今後国内でも様々なイベントに出展しますので、AtomHDRの有用性など実際にその目で確認して頂ければ幸いです。
ATOMOSブース動画
ATOMOSブース 360°全天球動画
RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)
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