進化するジンバル、三脚や雲台の成長も負けていない
■スタビライズで業界をリードするDJI話題の新製品
DJIは今年も話題豊富で、2つの製品がノミネートとなった。まず1つが、一眼レフとミラーレスカメラ用に設計された同社初のデジタル手持ちスタビライザー「Ronin-S」だ。3軸ジンバルテクノロジー搭載で、手ブレを抑えた滑らかな動画やタイムラプスの撮影が可能。3.6kgのペイロードまで対応し、キヤノンのEOS-1D XシリーズやEOS 5Dシリーズ、パナソニックのGHシリーズ、ソニーのαシリーズなどと組み合わせで使用できる。
もう1つが、カメラ搭載ジンバルの「Osmo Pocket」。カメラ部門ではなく、3軸ジンバルにカメラを搭載したものとして三脚・ジンバル部門にノミネートした。
左からDJIのRonin-S、Osmo Pocket
■ジンバル専門メーカーからも新製品登場
ハンドジンバルの専門のメーカーでもあるFeiyuTechは、4kgのペイロードに対応した一眼レフ用新型ジンバル「AK4000」を発売。ジンバルハンドル部にLCDタッチパネルを標準装備し、ジンバルのモード変換、バッテリーなどの状態確認、カメラと連携することでカメラのISOやホワイトバランス等も調節することができる。
ZHIYUNも負けてはない。ミラーレスカメラ用スタビライザー「WEEBILL LAB」はワイヤレス高解像度転送技術を搭載しており、各自の携帯しているスマートフォンをモニターとして使用することが可能。ライブビューやリアルタイムパラメーターの設定もスマートフォンの画面をタッチするだけで操作できる。2018年12月発売予定が2019年1月に延期されたが、特別にエントリーとした。
左からFeiyuTechのAK4000、ZHIYUNのWEEBILL LAB
■まだまだ進化する三脚と雲台
Flowtech 75も今年大変話題となった製品だ。三脚の上部にクイックリリースブレーキを搭載することで時間をかけずに高さの調整が可能。ちなみに、ヴァイテックプロダクションソリューションズにはボール径が100mmのFlowtech 100もラインナップされているが、2019年1月発売ということで今年のノミネートからは除外した。
雲台ではヴァイテックイメージングのNitrotech N12が話題になった。Nitrotech N8雲台の上位モデルで、N8と同様にナイトロジェンピストン機構を搭載。雲台上部のカウンターバランス調整ノブを回すと、ナイトロジェンピストンが昇降し、カウンターバランスが4kgから12kg(機材重心高55mm時)の範囲で無段階調整可能。
左からヴァイテックプロダクションソリューションズの「Flowtech 75」、ヴァイテックイメージングの「Nitrotech N12」
PRONEWS AWARD 2018 三脚・ジンバル部門ノミネート製品
以下が三脚・ジンバル部門のノミネート製品となる。
- DJI 「Ronin-S」
- DJI 「Osmo Pocket」
- FeiyuTech「AK4000」
- ZHIYUN「WEEBILL LAB」
- ヴァイテックプロダクションソリューションズ「Flowtech 75」
- ヴァイテックイメージング「Nitrotech N12」
何が受賞するのか…?発表!?
PRONEWS AWARD 2018 三脚・ジンバル部門受賞製品発表
- 三脚・ジンバル部門
ゴールド賞 - Osmo Pocket
DJI
ゴールド賞は、Osmo Pocketだ。Osmo Pocketは、民生向けの機器だが、ジンバルカメラを小型化して誰でも使えるようにした点で受賞とした。
Osmo Pocketは1/2.3インチの小型センサーとf2.0の固定レンズを搭載。実機を初めて見た人は、「スマホのカメラで十分なのでは?」なんて思われるかもしれない。しかし、揺れを抑えた滑らかな映像や100MB/sの4K60P画質を見てしまうと、そんな気持ちは払拭される。BMPCC 4Kはポケットに入らなかったが、Osmo Pocketは高さ121mmで重量は113.4g。実際にポケットに入れることが可能。このいつでも携帯できるサイズ感がOsmo Pocketの最大の魅力といえるだろう。Active Trackと呼ばれる機能を使えば、3軸のジンバルカメラが被写体を常に自動的に追ってくれるところも面白い。
また、Osmo Pocketの興味深いところは、撮影とカメラのコントロールを1つの製品で実現しているところにもある。DJIは今後、国産カメラメーカーでは実現できないもっと凝ったモーションコントロール機能を搭載したカメラを出すのではないか?そんな期待が膨らむ興味深い製品でもある。
- 三脚・ジンバル部門
シルバー賞 - Flowtech 75
ヴァイテックプロダクションソリューションズ
シルバー賞はFlowtech 75だ。ボール径は75mmで最大耐荷重は20kgのミドルレンジのカメラをターゲットにした三脚だ。脚はカーボンファイバーでききており、デザインは洗練されている。
受賞理由は、世界最速の三脚と言われる手軽に高さの調節ができて、2.9kgと軽量なところだ。Flowtech 75にはクイックリリースレバーが搭載されており、レバーを引き上げると三脚の高さを自由に調整ができ、高さが決まったところでレバーを閉じてロックできる。この上げ下げは極めて短時間で調整が可能だ。Sachtlerには、これまでスピードロックと呼ばれる3段三脚を1箇所のレバーで調整できる機能があったが、それよりもさらに改善されている感じだ。
特に、一人で撮って一人で移動しなければならないワンマンオペレーションのカメラマンには、うってつけの三脚といえるだろう。