2018年最高のアクセサリー

■HDMI対応の定番外部レコーダー登場

周辺機器部門は、モニター、外付けレコーダー、SSD、スイッチャーなどを表彰する部門。今年もっとも目立った外部レコーダーはATOMOS「NINJA V」だ。これまでの同社5インチモデルはHDまでの入力だったが、NINJA Vは4K60Pまで撮れる。特に、4K/60PのHDMI出力に対応している富士フイルムのX-T3やパナソニックのGH5との組み合わせに最適な製品といえるだろう。

モニターで話題になったのはEIZOのHDR対応27型液晶ディスプレイ「ColorEdge CG279X」だ。PQ方式とHybrid Log Gamma方式の両方のガンマに対応。HDR対応のモニターはなかなか気軽に導入できるものではなかったが、CG279Xは購入しやすい税込約23万円を実現している。

左からATOMOS「NINJA V」、EIZOのHDR対応27型液晶ディスプレイ「ColorEdge CG279X」

■ワンマンオペレーションや小規模配信のための周辺機器が多数登場

今年は優秀なスイッチャーの発売が多かった。Blackmagic Design「ATEM Television Studio Pro 4K」は、従来機種のATEM Television Studio PRO HDデザインそのままに4Kに対応。すべて12G対応でSDI 8系統のスイッティングをこれ1台で可能にしている。

ATVの「A-PRO-1」は、独特の形をした4K対応のスイッチャーだ。ワイプ、ピクチャーインピクチャーなどの機能が一通り可能。2カメながらワンマンオペレーションのカメラマンが、現場で切り替えるスイッチャーとしても使用できるだろう。

左からBlackmagic Design「ATEM Television Studio Pro 4K」、ATV「A-PRO-1」

ローランドは、今年もビデオミキサー、スイッチャー、ビデオミキサーをリリースした。

「V-02HD」は、マルチフォーマットのビデオミキサー。2チャンネルのHDMI入力と2チャンネルの出力をもっている。世界最小といってもいいサイズを実現し、簡易ビデオミキサーを搭載。ワンマンオペレーションの現場にありがたい機材といえるだろう。

「XS-42H」は、4入力2出力マルチフォーマットマトリックススイッチャー。特長はマルチフォーマット対応で、HDMIケーブルで接続するだけで接続する。会議など進行の妨げにならないのが特長だ。また、スイッチャーは高価で大掛かりなイメージがあるが、XS-42Hは従来よりも少し安くなっている。一般的な企業の小さい会議室に入れて使うと便利だろう。

「VP-42H」は、ビデオプロセッサー。合成に特化している。4つの入力を自由に配置して、合成する。マルチビューとして使えたり、4:3のPowerPointの場合の左右の余白に別のものを出すことができる。

ローランドの「V-02HD」、「XS-42H」、「VP-42H」

PRONEWS AWARD 2018 周辺機器部門ノミネート製品

以下が周辺機器部門のノミネート製品となる。

  • ATOMOS モニター/レコーダー「NINJA V」
  • EIZO カラーマネージメントモニター「ColorEdge CG279X」
  • Blackmagic Design ライブプロダクションスイッチャー「ATEM Television Studio Pro 4K」
  • ローランド マルチフォーマット・ビデオ・ミキサー「V-02HD」
  • ローランド マトリックス・スイッチャー「XS-42H」
  • ローランド ビデオ・プロセッサー「VP-42H」
  • ATV AVミキサー「A-PRO-1」
  • サムスン ポータブルSSD「T5」

何が受賞するのか…?発表!

PRONEWS AWARD 2018 周辺機器部門受賞製品発表

周辺機器部門
ゴールド賞
V-02HD

ローランド

ゴールド賞は、スケーラー内蔵の2チャンネルのビデオ・スイッチャー「V-02HD」だ。受賞理由は、世界最小と言われるコンパクトサイズの中にPnPやスケーラー内蔵、PREVIEW OUTでプレビュー映像出力などやりたかったことがほとんど詰まっているところだ。

まず最初にとにかく小さいサイズに驚く。重量は600グラムで、サイズは3.5ハードディスクや文庫本と同じぐらいだ。

V-02HDは、2台のカメラをワンマンオペレーションで撮る現場に最適だ。フットコントローラーには、いろいろな機能をアサイン可能。カメラマンはいちいちファインダーから目を離さずに切り替えることができるし、足で操作することで振動を押さえられる。本体の裏側には、カメラネジが取り付けてあり、3脚やミキサーに接続することができる。

PinPも便利だ。V-1HDにはPinPが搭載されていたが、子画面の横幅は背景映像の1/2か1/4のサイズに限られていてた。V-02HDは配置やサイズを自由に設定でき、中の映像を拡縮や切り出しエリアも指定可能。さらに、モザイクなどの多彩な映像エフェクトも塔載している。

クロマキー合成や静止画出力もできるので、マルチカメラ撮影以外にもプレゼンやセミナー、配信など、いろんな用途で使える。すでに、ワンマン配信やゲーム配信者たちの間でもV-02HDは話題になっている。出演しながら一人で凝った配信をしたいという方にもお勧めしたいスイッチャーだ。

周辺機器部門
シルバー賞
Portable SSD T5

サムスン

シルバー賞は、Samsung Portable SSD T5だ。USB3.1 Gen2対応で内蔵SSDと変わらない速度と、USBメモリー感覚で使えるポータブル性が受賞理由となった。

最大540MB/sの転送速度を実現し、筐体表面は高級感のあるマット仕上げのメタルボディを採用。最大2メートルの高さからの落下にも耐えうる堅牢性を備えている。

T5は、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kとの相性の良さも話題だ。BMPCC 4KにはUSB-Cポートを搭載しており、外付けSSDドライブに直接映像の記録が可能。CFast 2.0カードを使った場合は、128GB、256GB、最大で512GBなどのメディア容量に限られるが、外付けSSDドライブを使えば、500GBまたは1TB、最大2TBの容量から選べる。特にT5は、Blackmagic Designの推奨するSSDとなっている。

また、TiltaやSmallRigは、T5 SSDドライブをマウントできるBMPCC 4K用のケージを発表。サードパーティー製の対応の良さでも、SSDはT5一択になっている感じだ。


Vol.04 [PRONEWS AWARD 2018] Vol.06