ボディ1台で撮影、編集、シェアができるカメラ「ZEISS ZX1」

展示の目玉は、photokina 2018で発表されたハイエンドのデジタルカメラ「ZEISS ZX1」だ。ガラスケースに入れられて触ることはできない展示だったが、日本初公開とあってたくさんの来場者が注目をしていた。

ツァイスがカメラを発売と聞いて驚くばかりだが、Zeiss Ikonを2005年10月に発売したことがある。しかし、デジタルカメラに限定した話となれば初めてだ。

特徴は、今までとはまったく違うコンセプトのデジタルカメラを目指しているところだ。フォトグラファーが、現在行っている撮影、現像、編集、現像、共有というフローをデバイスを変えることなくすべて1台で行えるのが特徴だ。

一番気になるのはレンズだろう。ZX1用に開発したオートフォーカス対応のDistagon 35mm F2を搭載。レンズ交換には対応しない。センサーのサイズは37.4MPのフルサイズの35mmセンサーで、ZX1用にツァイスが新規に開発。シャッターはレンズシャッターで、液晶パネルやビューファインダーは解像度が高いものを採用している。

特に、現像や編集のところが画期的で、カメラ本体にアドビのLightroom CCを標準で内蔵している。なので、撮ったものをその場で現像を行い、その場でカメラ一台だけで完結することができる。Wi-Fiに対応しており、シェアといったことも可能だ。

カメラには512GBのSSDを内蔵し、メモリスロットを搭載していない。基本的にはSSDに撮り、バックアップはボディに搭載するUSB Type-Cに外付けドライブやUSBドライブを直結してやり取りをする。あるいては、Wi-Fi環境でクラウドにアップするようなやり方となる。

インターフェイスに関しては、写真でもっとも大事な露出をコントロールする三要素、「絞り」と「シャッタースピード」「ISO」をメカニカルなダイヤルで設定が可能。それ以外は全部メニューの中から設定する。

背面の液晶モニターは端が少し折れ曲がっており、この折れ曲がっているところに右手の親指が止まるようになっている。この親指の上下スライドのところに機能が設定されている。

photokina 2018では2019年初頭に発売と発表していた。恐らく2019年夏までにアメリカ、ヨーロッパ、ドイツなどで先に発売されること予定だ。

フルサイズでオートフォーカスに対応したソニーEマウント向けのBatisシリーズが面白くなってきた

交換レンズに関しては、CP+で初公開のような新製品はなかった。そんな中であえて、注目製品を挙げるならば、2018年11月14日に発売を開始したフルサイズ対応のEマウント向けオートフォーカスレンズ「Batis 2/40」だ。

Batisの40mmが出る前までは、18mm、25mm、85mm、135mmというラインナップで、標準的な焦点距離のレンズが存在していなかった。Batisでシステムを揃えづらかった状態だったが、40mmの登場によってワイドから、標準、中望遠まで一通りのラインナップが完成。今後は、ミラーレスEマウントカメラとBatisシリーズを組み合わせた、コンパクトで軽量なレンズ群を揃えていっても面白いのではないだろうか。