ソニーが進む新しい道
アメリカ現地時間・1月4日(火)MediaDay夕方5時、CESの会場で、ソニーによるプレス発表会が行われた。
一般公開に先立って行われた同発表会では、ソニーグループ株式会社 会長 兼 社長 CEOの吉田憲一郎氏が、次のように口火を切った。
この2年間、ソニーの存在意義の重要性を改めて認識した。私たちのあらゆる活動を通じて、同じ興味や関心を持つ人同士がさらに深くつながり、それぞれのコミュニティの中で絆をより強めて欲しい。
東京大学、JAXAとともに宇宙感動体験の創出を目指すプロジェクト「STARSPHERE」、アデルの新アルバム「30」や、映像制作の制約を取り払う「バーチャルプロダクション」、創造力の発揮を支援するプロフェッショナル向けドローン「Airpeak」、最新のスマートフォン「Xperia PRO-I」など、クリエイターを支える技術や取り組みを紹介した。
また、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下、SPE) モーションピクチャーグループ 会長 兼 CEOのトム・ロスマンは、SPEとソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が協業して、「プレイステーション」向けゲームタイトルのIP(Intellectual Property:知的財産)を活用した映画やテレビ作品を制作することを目的としたPlayStation Productionsの取り組みについて紹介した。
PlayStation Productions 初の作品となる「アンチャーテッド」主演のトム・ホランドと、ゲーム開発スタジオ・ノーティードッグ 共同プレジデントのニール・ドラックマンが協業の意義について語った。映画制作の手法がゲームタイトルの中でも活用されているのも興味深いところだ。
続いて、SIE 社長 兼 CEOのジム・ライアンが、これまでにない体験とゲームの世界への没入感を実現するPlayStation®5(以下、PS5™)対応の次世代バーチャルリアリティシステム「PlayStation®VR2」と専用コントローラー「PlayStation VR2 Sense™」の商品名称を初公開した。
さらに、PlayStationソフトとして世界中で大ヒットを記録した「Horizon」シリーズの最新作「Horizon Call of the Mountain」 を「PlayStation VR2」専用タイトルとして発表した。会場スクリーンに流されたトレイラー映像は、バーチャルプロダクションの能力を遺憾無く発揮した素晴らしい出来栄えで、トレイラーを見るだけで映像に引き込まれてしまった。
再び登壇した吉田氏は、スポーツ領域におけるコミュニティ形成のための取り組みとして、グループ会社・ホークアイ(Hawk-Eye Innovations)のトラッキング技術と、仮想空間上の次世代ファンコミュニティの実現に向けたUKプレミアリーグのサッカーチームのマンチェスター・シティとのパートナーシップについて紹介した。
モビリティを再定義する。いよいよ自動車に取り組むソニー
最後に吉田氏は、モビリティの進化への貢献を目指す取り組みである「VISION-S」の進捗を説明し、「ソニーはモビリティを再定義する『クリエイティブエンタテインメントカンパニー』になれると考えている」と述べた。
続けて、モビリティ体験の進化や提案を今後さらに加速させるために2022年春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立することを発表し、EVの市場投入を本格的に検討していくと述べた。ソニーがまた一歩動き始めた。