第一世代からAF速度が約2倍以上となった「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」
CP+2022オンラインや、リアル展示会場で展示予定だった製品についてタムロンの担当者に話を伺った。
――CP+2022の目玉製品(プロダクト/サービス/ソリューション)を教えてください
「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)ソニーEマウント用」です。
――主な特徴や、アピールポイントを教えてください
主な特徴は4点あります。1つ目は大口径ズームレンズでありながら小型軽量を維持しつつ高画質、高解像を実現したことです。
2つ目は、高速・高精度AFリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)の搭載により、AF速度は第一世代Model A036の約2倍以上(Model A036搭載のステッピングモーターユニット「RXD(Rapid eXtra-silent stepping Drive)」比)となっていることです。
28-75mm F2.8のAF比較(初代vs第2世代)
3つ目は新レンズデザインの採用です。レンズを構成する各パーツを細部まで見直すことで、操作性とともに質感も向上(35-150mm F2-2.8(Model A058)共通)しています。ズームリング・フォーカスリングは内部に金属部品を加え、より滑らかな操作性となっています。また、メリハリのあるレンズボディで手にフィットするグリップ感も実現しました。さらに傷や指紋の目立ちにくい新塗装も採用しています。
4つ目は独自開発した専用ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」でレンズのカスタマイズを実現しています。
――どのような現場やシーンでの使用を推奨・想定していますか?
コンパクトな大口径標準ズームレンズとして、風景やスナップ、ポートレートなど、様々なシーンでの活用を想定しています。また、非常に「寄れる」レンズですので、ワイドマクロのような撮影も可能で、バリエーション豊かな撮影を実現します。さらに、性能面も非常に優れてるため、作品撮りから日常使いまで幅広い用途で使用可能です。
――製品の開発コンセプトを教えてください
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)の第一世代である「28-75mm F/2.8 Di III VXD(Model A036)」は、小型軽量な大口径ズームレンズが欲しいという声を受け、一般的な焦点距離に捕らわれず、小型軽量実現のため、ワイド側を28mmまで縮めた結果、大ヒット製品となりました。
第二世代の28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)では、28mmスタートの小型軽量大口径標準ズームというコンセプトはそのままに、第二世代として相応しい性能、機能と品位を持つモデルにするために、上記特徴を持つレンズとしてつくりあげています。
――企画・開発の際に苦労した・こだわったポイントなどを教えてください
小型軽量を維持しつつ光学性能とAF速度の向上を図るところに苦労がありました。まず光学性能として目指したのは第一世代以降のカメラの進化に負けない解像性能です。解像性能を示すMTFの比較を見ていただきたいのですが、第一世代に比べ大幅に改善させています。
また、大口径レンズならではのボケ味も重要な指標として設定しており、解像度の向上とボケ味のバランスに十分配慮しています。これらを実現しつつ第一世代のサイズと重量を維持させるところに設計的な苦労がありました。
次にAF機構です。第一世代の28-75mm F2.8(Model A036)も決してAFが遅いわけではありませんが、写真を撮影していてAFが早いほどテンポよく撮れます。そこで、第2世代の28-75mm F2.8 G2(Model A063)は優れたAFレスポンスと高速・高精度AFを発揮するリニアモーターフォーカス機構VXDを採用し、AF速度を第一世代と比較して2倍早くなっています(Model A036搭載のステッピングモーターユニット「RXD(Rapid eXtra-silent stepping Drive)」⽐)。
ただし、VXDは第一世代で採用されたステッピングモーターユニットRXD(Rapid eXtra-silent stepping Drive)よりも大きくなります。製品サイズをModel A036と同等にするためにレンズの小型化やフォーカスユニットのスペース確保に苦労をしました。