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X-H2Sや交換レンズの新製品を展示

富士フイルムが発表したミラーレスカメラの新製品「X-H2S」。見た目以上に中身が大幅に進化したフラッグシップモデルで、発売は2022年7月14日の予定。製品発表されたばかりだが、6月7日から開催された写真機器関連の展示会「PHOTONEXT 2022」の会場で初公開。一般ユーザーでも手に取って試せるようになっていた。

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PHOTONEXT 2022における富士フイルムのブース

X-H2Sは、有効画素数2616万画素のAPS-CサイズX-Trans CMOS 5 HSセンサーを採用したレンズ交換式カメラ。今回はセンサーと画像処理エンジンが同時に第5世代に進化した、というのが大きなトピックだ。

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FUJIFILM X-H2S。HS(ハイスピード)のセンサーを搭載したハイスピードモデル
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がっしりしたボディで、サイズは大きすぎず、小さすぎず。同時発表のレンズフジノンレンズ XF18-120mmF4 LM PZ WRを装着しても違和感がない

これにより、高速読み出し、高速処理などを実現したことで、AF/AE追従で40コマ/秒ブラックアウトフリー高速連写、ディープラーニングを用いた被写体検出AF、6.2K30Pの4:2:2 10bit記録対応、4K120Pのハイスピード動画対応、4K60P動画撮影で240分の連続記録時間対応、Apple ProRes対応など、盛りだくさん。静止画、動画いずれの場合でも高速性能が実現した。

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センサーが第5世代に。裏面照射型で積層型のAPS-Cサイズセンサーを搭載
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基本的なデザインの方向性は従来通りだが、細部でいろいろと変更がある

縦位置グリップなどのアクセサリーも用意

ハードウェアとしてはさらに5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正に対応。ファインダーは倍率0.8倍、576万ドット・120fpsの有機ELファインダーを搭載して、見やすさや色味などが向上している。背面モニターは3.0型バリアングル液晶だ。

本体サイズは136.3(W)×92.9(H)×84.6(D)mm、約660gと、従来のX-H1よりはわずかにコンパクト。しっかりとしたグリップで持ちやすく、望遠レンズでもがっしりと構えられるサイズであることは変わらない。

基本的なデザインは前モデルを踏襲しているが、シャッター速度ダイヤルが廃止され、天面ディスプレイの位置が左にずれた。代わりに縦に並ぶ3つのボタンが追加された。ジョイスティックとAELボタンの位置が入れ替わったのも大きな違いだろう。やや細かい点だが、ストラップホールが従来のボディから飛び出すタイプではなく、ボディに埋め込まれてフラットになるようなデザインになった。これはセンスがいい。

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天面には左にモードダイヤル、右にディスプレイを配置。その横に縦に並ぶ3つのボタンが新設された
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新設されたボタン。ISO感度やホワイトバランスなどがあり、その前方には動画ボタンも配置されている
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背面モニターはバリアングル式に。ボタン配置は一部異なり、ジョイスティックが上部に移動した
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撮影の自由度が高まるバリアングル式モニター。光軸とずれるというデメリットはあるが、利便性は向上する
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背面のボタン類
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ストラップホールのデザインが大幅に変更
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左ダイヤル周辺のデザイン
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左側面には各種インタフェースを装備。USB Type-C、HDMI、マイク、ヘッドホンの各端子を搭載する
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グリップには前ダイヤル。しっかりとしたグリップのサイズは変わらない
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デュアルスロットで、CFexpress Type B対応
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バッテリーグリップも用意されている

AF/AE追従のブラックアウトフリー連写で40コマ/秒

外観の変更点もいくつかあるが、やはり内部の性能向上が大きい。電子シャッター時のみとはいえ、AF/AE追従のブラックアウトフリー連写が40コマ/秒というのは驚異的。

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電子シャッターのみに設定するとAF/AE追従で最大40コマ/秒の連写

実際に連写をしてみたところ。AF/AEがきちんと追従しているのが分かる

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被写体を検出してAFを合わせられるようになった。被写体は選択式
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猫のぬいぐるみだが、瞳にAFを合わせてくれている

外付け冷却ファンを用意

動画性能が大幅に改善した点もポイントで、Apple ProResコーデックもサポートし、F-Log2にも対応。240分という長時間の連続録画に加えて、別売の冷却ファン「FAN-001」も面白いアイデア。ファンの回転速度もコントロールで、「高速」設定にしても作動音はさほどでもなく、低速にしていれば録画中に音が入ってしまうことはなさそう。実際、PHOTONEXTの会場のような環境だと、「高速」でも作動音は聞こえなかったので、それほど心配はなさそうだ。

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6.2K30fpsの場合は3:2のアスペクト比
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4Kだと120fpsまでサポート
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FAN-001を装着したところ
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背面モニターに隠れてネジ穴と接点が用意されている
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FAN-001の背面。ネジ山と接点があり、ここから電力を供給してファンが駆動する
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ファンの設定画面。AUTOに加えて高速、低速のコントロールが可能

動画撮影時に最適な高倍率ズームレンズにも注目

センサーとエンジンを同時に新世代に引き上げるという力の入りようで、フルサイズセンサーが市場を席巻する中、APS-Cサイズセンサー搭載カメラの雄として、期待度の高い製品。実際に触ってみても性能の高さが感じられ、製品発売が待ち遠しくなったぐらいだ。

同時発表の交換レンズ「フジノンレンズ XF18-120mmF4 LM PZ WR」も、27〜183mm(35mm判換算時)をカバーする高倍率ズームながら、非常に軽量。電動ズームなので、X-H2Sの液晶モニターからズームをコントロールできるほか、「ズーム/フォーカスコントロールリング」を搭載し、リングを軽くひねった状態でゆっくりとズーミングし続けたり、ゆっくりとフォーカシングしたりといった操作ができる。特に動画撮影時に便利な機能で、とにかく利便性は高いだろう。

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同時発表のフジノンレンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」。スペックに比べて軽量
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大きすぎず、扱いやすい
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前方からフォーカスリング、ズームリング、そしてズーム/フォーカスコントロールリング。他のリングとは異なり、回転はせずに少しひねるだけで、その角度でフォーカシングやズーミングのスピードが変わる
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側面のZ/Fボタンは、フォーカシングとズーミングの切り替えスイッチ
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展示されていた超望遠ズーム「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」

4000万画素高解像度モデル「X-H2」の登場も

9月には、4000万画素の「X-Trans CMOS 5 HRセンサー」を発表予定で、「高速(ハイスピード)」のX-H2Sと「高解像度(ハイレゾリューション)」のX-H2という2モデルが併売されるようだ。

スポーツ撮影などで高速性能が必要な場合はX-H2Sで決まりだし、おそらく動画性能もX-H2Sの方が上だと考えられるが、高解像度のメリットもあるので、両製品が登場してからじっくりと比較してもいいかもしれない。X-H2Sを触ってみると、X-H2の登場も楽しみになる製品だった。

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背面モニターの映りは一般的な印象。電動ズームを装着すると、右下の「ZOOM」アイコンからズーミングも可能
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ファインダーは有機ELのため、コントラストが高く、色鮮やかで見やすい
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ブースではさまざまな外部機器を搭載したモデルも展示され、動画性能がアピールされていた