パナソニック コネクトブースでは、既存のリモート(PTZ)カメラに加えて最新機種である「AW-UE160W/K」が展示された。
コロナ禍で映像制作をより効率的に行うため、少人数、リモートでの制作の重要性が高まっている。従来であればスタジオカメラが使われていたような放送局のスタジオでも、リモートカメラが使われるようになってきている。
今までのリモートカメラでは、例えば出力系統や色調整機能などの一部の機能でスタジオカメラとの併用には物足りない部分があったという。今回、この点を踏まえてAW-UE160W/Kはスタジオカメラと一緒に使えることをテーマに開発された。
スタジオカメラ並みの高画質
新開発のセンサーを採用してスタジオカメラ並の高感度となるF11/2000lx(Normal)、F14/2000lx(Low Light)を実現。今までのリモートカメラは従来機種から好まれていた濃い色使いに設定していたが、AW-UE160W/Kでは画作りもスタジオカメラに合わせてデフォルトをナチュラルなものにしている。
ブースではAW-UE160W/Kと4KスタジオカメラAK-UC4000の各映像を並べて展示していたが、AW-UE160W/Kの映像は遜色のないものだった。
像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた新AFに対応
フォーカスを合わせる際のウォブリング動作が軽減され、移動する被写体に対しても高速かつ高精度にフォーカスする。
光学ローパスフィルター搭載
近年では背景としてLEDディスプレイが使われることが多く、モアレが出やすい環境だが、光学ローパスフィルター搭載したことでモアレを大幅に軽減することができる。
SMPTE ST2110に対応
放送局で使用されているIP規格ST2110にリモートカメラでは世界で初めて対応し、KAIROSをはじめとした様々な機器との連携が可能だ。また、ST2110機能使用時には、リターン映像機能にも対応し、スイッチャー側からリモートカメラに映像を送り、それをリモートカメラから出力できるようになった。リモートカメラの横などにモニターを置いて、プロンプター用情報や、バーチャルスタジオでの撮影時に合成した映像などを映して確認することができるようになった。
背面にもタリー搭載
カメラ前面だけでなく、背面にもタリーがあり、カメラの後ろにいるスタッフ側からもわかりやすくなった。
USBテザリング
USBテザリングに対応し、5Gモバイルルーターが使えるため、スタジアムなどケーブルの敷設が難しい場合にも活用できる。
他にも、FHDで120Pのハイスピード撮影、水平レベルゲージ、波形表示など数多くの新機能が搭載されている。スタジオのみならず、今後ますます広がっていくリモートカメラの様々なニーズにいち早く対応した製品と言えるだろう。