パナソニック コネクト:「KAIROS クラウドサービス」ライブ配信をリモートで実現するワークフロー一式を提供[Inter BEE 2022展示レポート]

パナソニック コネクトブースでは「KAIROS クラウドサービス」の展示を行った。KAIROS オンプレミスは2020年9月から提供を開始しており、KAIROS クラウドサービスは2022年6月末にサービス開始となった。

KAIROS クラウドサービスは「撮る、創る、映す」をクラウドを介して行う。KAIROSだけでなく、周辺のソフトなど、ライブ配信をリモートプロダクションするワークフロー全体をセットとして顧客にサービスを提供する。

「撮る」

カメラからSRT、RTMPのストリーム信号が出ていれば直接サーバーと繋ぎ、専用のアプリを使用すれば、iPhoneでの撮影も可能。SDI、HDMIのみのカメラの場合はテクノロジーパートナーであるMEDIAEDGEのストリームエンコーダーが使える。さらに、車載カメラなど無線での転送が必要な場合は同じくテクノロジーパートナーであるLiveUのLiveU Soloを使うことで、IPボンディング技術を活用した安定した転送が可能になっている。

「創る」

Kairos Creatorを使って手元のパソコンでマルチビューなどの画作りの事前準備をしたり、配信のスイッチング、録画設定、オーディオのミキシングなどを行う。もちろん既存のコントロールパネルでの操作も行える。コントロールする端末を複数台用意すれば、各端末でオーディオと映像をコントロールすることも可能。手元に使用する映像ファイルがある場合は、クラウドにアップすることでストリーミング映像と合わせて活用することができる。

また、テクノロジーパートナーであるSimplyliveのシステムを使って、スローモーション映像を手元のコントローラーで制御可能。こちらもクラウド上でデータを生成しKAIROS クラウドサービスとやりとりをするので、遅延などはほぼない。

テクノロジーパートナーであるBONXのスマートフォンアプリを利用すれば、インカムのように使用可能。離れたところでもスムーズにコミュニケーションができる。また、専用のイヤホンなら、ハンズフリーなどに対応し、より便利に

「映す」

KAIROS クラウドサービスでは、12インプット、6アウトプットが可能となっている。多元中継の場合、今までの考え方では画作りをする人材と機材を各現場に用意し、そこからマスターに送るが、クラウドをベースにすれば、全ての映像がKAIROS クラウドサービスに集まる。これだけでも大幅なコスト削減に貢献できるだろう。

また、複数のアウトプットがあるので、放送用と配信用でテロップなどを変えたり、サイネージ用の縦長フォーマットにしたり、スポーツ中継などではそれぞれのチームにフォーカスした映像を個別に配信するといったことも可能だ。

配信したいコンテンツホルダーと配信できる映像制作会社を比較的ローコストで実現できるソリューションで繋げるのもリモートプロダクションの役割の1つだろう。また、近年は配信もファンエンゲージメントを意識して工夫を凝らした映像が求められる。KAIROS クラウドサービスはこのようなニーズにマッチしたソリューションと言えるだろう。