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音声機材部門のノミネート発表

音声機材部門はショットガンマイクロホンやワイヤレスマイクのほか、レコーダーやインカムを含めたオーディオ、ワイヤレスの総合部門としている。

マイク関連製品は、2022年も活況だった。新たな動きとして、ソニーは「ECM-G1」や「ECM-B10」、キヤノンは「DM-E1D」などのアクセサリーシューのみで完結する小型ガンマイクを発売。デジタル信号のダイレクト伝送や電源共有対応などの使い勝手の向上を実現しており、ユーザーから高い評価を得ている。ガンマイクもカメラメーカー純正を選ぶ傾向がどんどん高まるかもしれない。

マイクメーカーも負けていない。アツデンの指向性マイク「SGM-250H」や持ち運びやすく品質の高いゼンハイザーの「MKE 400-II」シリーズなどが発売され、さらに成熟化しつつあるようだ。

ワイヤレスマイクは、マイクメーカー以外からの発売が相次いだ。「DJI Mic」やHollyland LARKシリーズからも登場し、こちらも競争が激化しつつある。

2022年は、ZOOMのレコーダー「F3」登場で圧倒的に盛り上がった。音割れなしを実現する32bitフロート録音が大好評で欲しくても手に入らない、入手困難な状態が続いたのも話題になった。ZOOMはレコーダー機能付きステレオショットガンマイク「M3」を発売し、こちらも話題だ。

音声機材部門にノミネートされた製品は以下の通りだ。

■DJI Mic

希望小売価格:DJI公式ストアの価格は税込49,720円

PRONEWS AWARD 2022 / Vol.03「マイク部門」説明画像

DJI Micは、軽量コンパクトな無線マイクシステムで、最大250m先からでも収録可能。トランスミッターは、ボーカル、周辺音、楽器の音を、クリアに捉えることができる。ストレージが内蔵され、主音声を録音したり、録音中にバックアップ音声の録音も可能。それぞれマイクが内蔵された2つのトランスミッターが付属し、これらのトランスミッターは無指向性オーディオ録音に対応。複数の人をインタビューする時や、小さなスタジオでのオペレーション時に活用することができる。

■アツデン SGM-250H

発売日:2022年9月30日
希望小売価格:オープン、市場想定価格は税込53,900円

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SGM-250Hは、全長250mmファンタム電源駆動の超指向性ショットガンマイクロホン。より鋭い指向性を実現させるため長い干渉管の設計、ECMユニットもSGM-250で使用されるものを基に改良を加えたハイパーカーディオイドショットガンマイクとなっている。ハイパーカーディオイド特性により、周囲の雑音が多いフィールドや残響音の多い会場等でも狙った音を収音可能としている。RFノイズへの耐性と耐久性のためにアルミケースを採用し、広い周波数特性と優れた軸外特性によりリアリティのある収音、またモーター音など不要な低域のノイズを軽減するためのローカットフィルターを装備し、クオリティの高い収音を実現するとしている。

■ゼンハイザー MKE 400-II

発売日:2022年1月27日
希望小売価格:オープン、市場想定価格は税込28,600円

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MKE 400-IIは、コンパクトで指向性の強いオンカメラショットガンマイクロホンだ。指向性は、音響干渉管によって実現されており、カメラが向いている方向からのピックアップを確保し、クリアな音質を実現する。ショックマウントカプセルを採用し、ハンドリングノイズを最小限に抑制。MKE 400-IIはウインドプロテクション(風防)とショックマウント(衝撃吸収)を内蔵し、高品質の録音を実現するため機能をさらに充実させている。ウインドプロテクションはハウジング内部にメッシュレイヤーを一層設けることにより、本体だけでノイズ対策を可能としている。

■ZOOM F3

発売日:2022年1月
希望小売価格:税込35,000円

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F3は、32bitフロート録音に対応した、2チャンネル入力のフィールドレコーダーだ。失敗のないレコーディングを目指して開発された、2系統のXLRバランス入力を備える業務用フィールドレコーダーで、ローゲイン用とハイゲイン用2つのADコンバータ(デュアルADコンバータ)を搭載し、大音量でも音割れなく、微小な音でも高いS/N比を実現。入力信号は録音時の解像度を保持できる32bitフロートのWAV形式で記録され、録音後にノーマライズ処理を行っても、元の解像度を保った劣化のない音の再現を特徴としている。デュアルADコンバータ&32bitフロート録音の組み合わせと、誤操作を防ぐ徹底したシンプル設計により、誰でもRECボタンを押すだけで、ゲイン調整不要で音割れのないオーディオ録音を可能にしている。

■ソニー ECM-B10

発売日:2022年7月29日
希望小売価格:税込29,590円

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ECM-B10は、小型筐体(全長79.3mm)ながら鋭指向性を含むショットガンマイクロホン。また、対応するソニーのαシリーズと組み合わせることで、ケーブルレスで高い機動力を生かしながら高音質な収音を実現。これに伴い、より高音質で音声を収音したいというニーズも増加している。ECM-B1Mの技術を継承しており、多様な撮影シーンにおいて、コンパクトな撮影装備で、高音質な収音を実現している。

■Hollyland Solidcom C1

発売日:2022年2月25日
希望小売価格:税込143,000円

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Solidcom C1は、DECT 6.0暗号化技術を搭載した同時通話ワイヤレスインカムヘッドセットシステムだ。マスターヘッドセットは、最大350mの視線範囲で信頼性の高いワイヤレス通信を実現。マスターヘッドセット構成を使用したくない場合は、オプションのベースステーションで同じ通信範囲を提供できる。バッテリー作動のベースステーションは、最大3つのシステムのIPカスケード接続、A/Bグループ化、すべてのヘッドセットと即座に通信するワンキーミュートおよびアナウンス機能などの追加機能も提供するとしている。

■Hollyland Lark M1

発売日:2022年7月5日
希望小売価格:Hollyland公式ストアの価格は税込23,100円

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Lark M1は、小さなボディと充電ケースを備えた新しいワイヤレスラベリアマイクシステムだ。無指向性マイクは、最大48kHz/16bit音声を伝送可能。HearClearノイズキャンセリング搭載で、周囲の音をフィルター処理して音声をさらにクリアできる。コンパクトなポータブル充電ケースは、送信機と受信機の充電と保護を兼ねており、送信ユニットと受信ユニットごとに最大8時間の駆動と最大20時間の連続動作を可能にしている。

■OMデジタルソリューションズ LS-P5

発売日:2022年9月9日
希望小売価格:オープン、市場想定価格は税込23,000円前後

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LS-P5は、指向性制御が可能な3つの大型高性能指向性マイクを搭載した新マイクシステム「TRESMIC II」を採用。それぞれのマイクが指向性をバランスよく制御することで、低音域から高音域まで原音に忠実な高性能録音が可能となり、繊細な音も捉えることが可能。さらに、3つのマイクからの入力をミキシングし、音質を維持したまま指向性を21段階まで調整できる「ズームマイク」機能を搭載。また、マイクは125dB SPLの高耐音圧の特性を持ち、飛行機やライブハウスなどの大音量やクラシック音楽のような広いダイナミックレンジを持つ音源でも歪むことなく、忠実に音を取り込むことが可能としている。

以下が音声機材部門のノミネート製品となる。

■PRONEWS AWARD 2022音声機材部門 ファイナリスト

  • DJI Mic
  • アツデン SGM-250H
  • ゼンハイザー MKE 400-II
  • ZOOM F3
  • ソニー ECM-B10
  • Hollyland Solidcom C1
  • Hollyland Lark M1
  • OMデジタルソリューションズ LS-P5

はたして何が受賞するのか…?いよいよ発表!

PRONEWS AWARD 2022 音声機材部門 ゴールド賞

Hollyland Solidcom C1

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受賞にあたり、Hollyland プロダクト・ディレクターChris ZHU氏よりコメントをいただいた。

Solidcom C1が、業界を代表するメディア「PRONEWS」に認められ、金賞を受賞したことは、Hollylandにとって大変光栄なことです。

このインターカム製品のきっかけは、2019年末の製品インタビューで、映画・テレビレンタルのお客様から「撮影現場で、スタッフ間の効率的なコミュニケーションをサポートする適切なツール製品がない」と言われたことでした。そこで、HOLLYLANDチームは、市場調査や技術的な議論を重ね、通話用ヘッドセットとしての需要シナリオと開発計画を明らかにしました。

この間、技術的な壁、製品のフォームファクター、性能と重量のバランス、さらにはコロナ間のサプライチェーンの問題まで、さまざまな困難がありました。山あり谷ありでしたが、2年がかりで優れた性能を持つ「Solidcom C1」を作り上げることができました。

最も印象に残ったのは、DECT 6.0に関する技術的なブレークスルーです。一部のサプライヤーもこの技術を採用していると主張していますが、私たちはこの技術を初歩的な利用にとどめるのではなく、その可能性を最大限に活かし、コアレベルから同時通話容量を拡大し、通信距離、安定性、音質を大幅に改善し、総合力で欧米の一流ブランドを凌駕することを目指します。この点は、お客様から非常に高い評価を得ています。他の業界パートナーのマスターヘッドセットは最大5台のリモートヘッドセットしか制御できませんが、Solidcom C1のマスターヘッドセットは、リモートヘッドセット7台を簡単に持ち運べるようアップグレードされています。また、距離と音質の分野では、Hollylandこれまでのワイヤレスオーディオ・ビデオ伝送技術の経験を生かし、超長距離での安定した伝送と優れた音質体験を実現しました。

さらに、ヘッドセットの素材選びにもこだわり、最終的に軽量で耐久性のある複合素材を選び、イヤーカップの取り外しなど、ユーザーの装着感を高めるためのさまざまなアプリケーションオプションを用意しました。

発売後、PRONEWSをはじめとする多くのメディアパートナーの綿密な宣伝と、日本の代理店パートナーのプロモーションにより、Solidcom C1は日本の現地の映画・テレビプロデューサーやCMチームなどのターゲットユーザーに素早く理解・体験され、撮影現場で使用されて多くの良いコメントをたくさんいただいています。皆様の日頃のご支援とご信頼に感謝するとともに、これからもクリエイティビティを高めるため、より良い製品の開発に取り組んでまいります。

PRONEWS AWARD 2022 音声機材部門 シルバー賞

ZOOM F3

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受賞にあたり、ZOOM F3開発チームよりコメントをいただいた。

「32-bitフロート録音の魅力をより多くのお客様に届けたい」と開発したZOOM F3が評価されたことを、開発チーム一同大変光栄に思います。

F3は失敗のないレコーディングを目指して開発した製品です。ゲイン設定不要なデュアルADコンバータと32-bitフロート録音機能の搭載に加え、誤操作防止HOLDキーと一体型のRECキー、操作ミス防止のためのシンプルな操作性、堅牢性の強化など、「失敗をしない」ためのアプローチには妥協しませんでした。その苦労の甲斐あって自信を持ってお勧めできる製品を開発することができました。

最後に読者の皆様へのメッセージですが、マイク側でクリップしない限り音割れせず、小型で頑丈なZOOM F3。ぜひ様々な現場で使用していただきたいです。