PRONEWS AWARD 2022大賞は…!?
いよいよPRONEWS AWARD 2022大賞発表となる。今年はどのような1年だっただろうか?まずは2022年の映像業界を振り返ってみよう。
2022年は、デジタルトランスフォーメーションの取り組みが一段と加速した年だった。Inter BEE 2022の展示会場ではクラウド関連のソリューションを前面に押し出したブースが多く、ソニーブースでは撮影機材の展示以上にカメラやスマートフォンなどをクラウドでつなぐ制作プラットフォームの展示に力を入れていた。映像業界はハードウェアから少しずつソフトウェアの業態にシフトしつつあるようだ。
今年はAIの話題も花盛りだった。画像生成AIは必要とする実現可能なレベルに近づいており、日常使いのツールへ進化しようとしている。映像業界でも、クラウド上の自動編集サービス、AIカメラ、AI音声認識文字起こし、AI画質エンジン技術や、ソニーのミラーレスカメラ新製品もAIプロセッシングユニット搭載が話題になった。今後、撮影、カメラアングル、編集まで完全自動でできる時代は遠い未来の話ではないだろう。
縦型動画コンテンツも見逃せない新潮流だ。様々なメディアが縦型コンテンツに新規参入し、各SNSが取り入れているショート動画もその視聴体験がスマートフォンによるものが多く、身近なものになりつつある。
今年のPRONEWS AWARD 2022大賞は、そんな変化の年を映し出す製品を選出した。PRONEWS AWARD大賞に向け、編集部の2022年の答えがこれだ。
PRONEWS AWARD 2022 大賞
ソニー FR7
ソニーのFR7は固定式PTZカメラであり、Webアプリケーションやリモートコントローラーで制御する。これまでのPTZカメラはレンズは交換不可で、1インチ以下のイメージセンサー搭載が一般的だった。しかし、FR7は、その常識を書き換えようとしている。
FR7はソニーEマウントに対応し、ソニー製の全Eマウントレンズが装着可能。イメージセンサーはシネマカメラ「FX6」と同じ裏面照射型の有効画素数約1030万の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載。型破りという表現が似合うパン・チルト機構を備えたFR7にPRONEWS AWARD大賞を贈りたい。
受賞にあたり、ソニー株式会社 IP&事業本部 商品企画部門 高柳道寛氏よりコメントをいただいた。
この度は大賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。
「リモート撮影の新境地を切り開く」という我々のチャレンジを高く評価いただき、大変喜ばしく思っております。
FR7は世界初のフルサイズセンサー搭載レンズ交換式の旋回型カメラとして、様々なレンズを装着しながらも高品位なカメラワークを実現する旋回機構や、リモートであることを感じさせない操作性を追求して開発してきました。また、このカメラのコンセプトを体現するデザイン、ユーザーインターフェイスについても多くの議論を重ねてきました。コロナ禍での開発は苦難の連続でしたが、このカメラに携わった一人一人のこだわりが凝縮された良い商品に仕上げることができたと思っております。
FR7はCinema Lineの一員として、シネマのような映像表現とリモート撮影の運用性を兼ね備えたこれまでにないカメラです。
これからもまだまだ進化を続けていきたいと思いますので、ぜひ様々な撮影の場でご活用いただき、お客様の新しい映像表現の実現をサポートすることができれば幸いです。
2023年の展望
2022年の映像業界も、クラウド、リモート、ネットワーク、IPなどのキーワードが入り乱れる1年となった。ソニー FR7のように新しいスタイルのシネマカメラ登場は、まさに2022年の新しいスタイルを象徴しているといえる。さて、2023年は、多視点、自由視点などこれまでにない映像などがいっそう当たり前になるだろう。2023年の映像業界はどういう年になるのか?思いを馳せつつ、1年の幕を下ろしたいと思う。