「Final Cut Camera」と「Final Cut Pro 2」レポート。このFinal Cutコンビの実力はいかに?[Modern Smartphone Shooting]メイン写真

PRONEWSの読者の皆さま、初めまして、iPhoneographerの山﨑拓実と申します。私はFX3やFX6、BMPCCなどのシネマカメラを使用しつつ、個人のお仕事では主にiPhoneで撮影をしている人間です。

おそらく、iPhoneの撮影に関することはハードウェアからソフトウェアまで、かなり詳しいと自負しています。これからもしかしたらPRONEWSにて記事を書かせていただくかもしれないので、その時は何卒よろしくお願いいたします。

iPhone 12 miniとiPhone 13 Proで撮影した作品のリールです。今はiPhone 15 Pro Maxを使用しているのでさらに綺麗な映像が撮影できます。

今回は早速、2024年5月の新型iPad発表会時に発表された「Final Cut Camera」のレビューをしていきたいと思います。ついにリリースされたので実際に使用してみました。

Final Cut Cameraとは?

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Final Cut Camera Image:Apple

Final Cut CameraはApple初の本格撮影カメラアプリです。ホワイトバランスやISO、フォーカスを調整できるアプリです。UIのデザインもみんなが慣れ親しんだ純正のカメラアプリの兄弟のようなデザインでわかりやすいです。

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Image:Apple
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左上から下にFPS(後述するライブマルチカム不使用時は60FPSを選択可能) Image:山﨑拓実
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画素数(ProRes選択時は720p選択不可) Image:山﨑拓実
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SDR、HDR、Logの選択(HEVC選択時はLog選択不可) Image:山﨑拓実
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HEVC、ProResの選択 Image:山﨑拓実
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ライブマルチカムの選択 Image:山﨑拓実
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画面ロック Image:山﨑拓実
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AF、MFの選択 Image:山﨑拓実
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露出 Image:山﨑拓実
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ホワイトバランス Image:山﨑拓実
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ズーム Image:山﨑拓実
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設定ページでは以上の項目のみならず手ぶれ補正やミラーリングなども変更できます Image:山﨑拓実
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構図を確認するためのグリッドオーバーレイやアスペクト比ガイドのオンオフ、露出の確認のためのインジケータやフォーカスピーキングのオンオフも可能です Image:山﨑拓実
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オーディオの設定も Image:山﨑拓実

カメラを知らない人や初心者の人でも扱いやすいUIになっていますね。

ただ、Final Cut CameraのUIはカメラ初心者にとっては優れているものの、プロ向けのカメラアプリとしては少し物足りないです。例えば、今のバージョンではLUTをアプライしながら撮影をすることができない点。Apple Logで撮影をする際のみならず、Log撮影の際に言えることですが、モニターの色がフラットになるのでパッと見た時にどこが黒く潰れていてどこが飛んでるかわかりにくいですよね。露出オーバーインジケータをオンにすればなんとなくわかりますが、それでも少し使いにくい…。

その点、いまや無料でダウンロードできるプロ向けの撮影カメラアプリの代表格であるBlackmagic CameraではLUTをアプライしながら撮影ができるので、可変NDを装着して光量を調節しながらでも比較的簡単に撮影をすることができます。

また、Final Cut Cameraには設定項目にシャッタースピードがないのも特徴的です。これは動画カメラアプリとしてはかなり珍しいと思います。

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Image:山﨑拓実

ここで自分は思いました。このFinal Cut Cameraはアプリ単体での撮影より、iPadのFinal Cut Pro 2との組み合わせによるライブマルチカムにミソがあるのではないかと。iPhoneの映像を飛ばす撮影はかつてはFiLMiC Proで可能でしたが、今やこのアプリは風前の灯です。

Blackmagic Cameraでも映像をiPhoneから他デバイスに出力することは可能ですが、今のところ、HDMIケーブルでデバイスを接続することが必須です。

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Blackmagic CameraのHDMI設定画面 Image:山﨑拓実

実際に撮影してみた

そこで実際にFinal Cut CameraとFinal Cut Pro 2のライブマルチカムを試してみました。今回のセットアップは1つのiPhone 15 Pro Max(上)にはTilta Khronosを、もう1つのiPhone 15 Pro Max(下)にはBeastgrip ProにNiSiのTRUE COLOR ND VARIOを装着しています。

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Image:山﨑拓実

前述のiPhoneのFinal Cut Cameraのライブマルチカムのボタンと、iPad ProのFinal Cut Pro 2のライブマルチカムボタンを押すことで接続することができます。なお、接続を行うには全てのデバイスでWi-FiとBluetoothがオンになっていて、Apple IDでサインインしている必要があります。

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Image:山﨑拓実

接続した後の画面。遠隔でシャッターボタンを押すことができます。

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Image:山﨑拓実

撮影が終了すると、Final Cut Pro 2の編集画面に素材が表示され、iPhoneのFinal Cut Cameraからデータが転送されます。

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撮影している様子 Image:山﨑拓実

大きな画面でiPhoneのアングルを確認しながら撮影できるのは便利ですね。様々なアングルが必要なライブ撮影などには持ってこいかもしれません。

いかがでしたでしょうか。iPhone 15 ProシリーズによるApple Logでの撮影が可能になって以降、急速にスマートフォン界隈の撮影がポピュラーになりつつあります。今後の動向に注目ですね。

山﨑拓実|プロフィール
映像制作Mc代表。1998年生まれ、明治大学国際日本学部卒。日英バイリンガル。新卒で太陽企画株式会社に入社した後、フリーランスのiPhoneographerに。現在はBusiness Insider Japan、Gizmodoを運営する株式会社メディアジーンに所属。Business Insider Japan、Gizmodoの映像・記事制作を行いつつ、個人の兼業でのPV、MV制作、配信なども行っている。https://mc19851026.org/