KIPONブースは、展示会ごとに常に新たな驚きを提供している。Cine Gear Expo LAにおいても、新開発の映画関連光学アダプターとレンズが展示され、特に対角視野角を維持する製品が注目された。

対角視野角を維持するアダプターに注目

展示された製品の一つに、「Baveyes Pentax67-Fuji G 0.62倍 焦点距離短縮マクロアダプター(ヘリコイド付き)」がある。これはGFX 0.62倍焦点距離短縮レンズシリーズに属し、オリジナルの画角に近い感覚で撮影を可能とするアダプターだ。

3月に発売されたペンタックス67レンズを富士G中判カメラで使用するための「P67-GFX 0.62倍焦点距離短縮アダプター」とは異なる製品であり、内蔵ヘリコイド設計により最短撮影距離が大幅に短縮され、撮影の利便性が向上している。光学設計にはModule 8チームとの共同開発による技術が採用されている。

KIPONは、GFX 0.62倍焦点距離短縮レンズシリーズとして、ハッセルブラッドVシステムに対応するアダプター「Baveyes ハッセルブラッド V-Fuji G 0.62倍 フォーカルレデューサー」の発売を開始した。このアダプターもハッセルブラッドVレンズの画角をカメラセンサー上で再現できるのが特徴である。同社は特に「FE 110mm F2」との組み合わせに注目している。KIPON公式サイトでは、周辺減光を考慮し、「100mm/f2」「80mm/f2.8」「50mm/f2.8」のレンズを推奨している。

また、ブースにあったMamiya645レンズをLPLマウントに変換するアダプター「PRO BAVEYES マミヤ 645-LPL 0.8倍 フォーカルレデューサー」も気になった。このアダプターは、ARRI ALEXA 265、ALEXA 65、BMCC 17K、GFX ETERNAといった最新のLPLマウントカメラ(またはLPLマウントアダプターを使った場合)向けに設計されている。焦点距離を0.8倍に短縮することで、クロップファクターによる画像損失が実質的になくなり、対角視野角が維持されるという。

それにしてもKIPONが過去の中判レンズに対応する製品をリリースしている点は興味深い。これにより、フルフレーム以上のセンサーでこれらのレンズを有効活用できるのは歓迎すべきことだ。KIPONは、ユーザーに高品質な動画や写真を撮影してもらいたいという意図で開発を継続しているという。

新ティルトシフトアダプターを公開

ティルトシフトアダプターもまた注目すべき製品である。これは動画と写真の両方に対応し、あおり補正によりパースペクティブを直線にすることが可能だ。レンズマウントはハッセルブラッド、ペンタックス67など、多様な組み合わせで提供される予定である。このアダプターは非常に精密であり、製造と組み立ての両面で高い技術が要求される。建築物、インテリア、コマーシャル写真の撮影者にとって推奨される製品である。

中判プライムレンズ「CINESPEED65」の可能性

さらに、「CINESPEED65」は、現時点では情報が少ないレンズだが、中判に対応する68mm T1.4のプライムレンズである。今後は40mmや50mmといった前後焦点距離の製品も発売される可能性があり、その動向が注目される。展示されていた現物はLPLマウントであった。