もはや機材展ではない。Inter BEE 2025が示す、コンテンツ制作の未来像
2025年11月19日から21日にかけ、メディア総合イベント「Inter BEE 2025」が千葉県の幕張メッセで開催される。昨年、1,058社もの出展社を集め、最新のカメラやレンズ、照明機材が会場を席巻したInter BEE 2024。しかし、今年のInter BEE 2025は、単なる機材の祭典に留まらない。ソフトウェア化、クラウド化、そして自動化といったIP技術を基盤とした、次世代のコンテンツ制作効率化を提案するソリューションが、会場で注目を浴びるだろう。開催の枠組みは踏襲しつつも、時代の潮流を鋭敏に捉えたテーマ設定と出展内容は、昨年のそれとは一線を画し、まさに未来を映し出す鏡となるだろう。
もちろん、毎年恒例の「ロケ弁グランプリ」や、会場内を巡る「ARスタンプラリー」といった、来場者が楽しめる企画も用意されている。商談や視察の合間には、好みに合わせて一杯ずつ丁寧に抽出する「Coffee Marche」で一息つくことも可能である。
今年の見逃せないブースはこれだ!
今年もPRONEWSでは、Inter BEEを効率的に視察するためのガイドマップとして、ジャンル別の推奨コースを提案する。用意したのは、今注目すべき製品・ソリューションを厳選した6つのコースだ。多忙な来場者でも短時間で主要な展示を巡回できるよう、ブース数も考慮したルートとなっている。このコースガイドが、Inter BEE 2025で最新の業界動向を把握するための一助となれば幸いである。
- A.カメラコース:最新の撮影技術を体感
Inter BEE 2025のカメラエリアでは、ラージフォーマット機の進化と、ハイブリッドシネマの潮流が交錯する。富士フイルムの新機種「GFX ETERNA 55」を筆頭に、キヤノン「EOS C50」、ニコン「ZR」など、シネマカメラの新しい方向性を確認できる。Pixboomといった新興メーカーの動向も注目される。 - B.レンズコース:光の描写力を比較
各ブランドが独自の描写力を追求した最新のシネマレンズ群が展示される。伝統的な描写を受け継ぐLeitz Cineの製品から、コストパフォーマンスの高さで注目されるNiSiのATHENAシリーズまで、多様な製品が揃う。LAOWAやSigmaといった個性的なレンズも出展予定で、多彩な映像表現の可能性を比較検討できる。 - C.ライティングコース:LED時代の照明技術
高出力、高演色、軽量化を実現した最新のLEDライトが多数出展される。AputureやNANLITEといった定番メーカーの製品に加え、GODOXやProfotoなど、写真と映像の領域を横断するブランドの製品も展示され、現場照明の新たな基準を提示する。 - D.オーディオコース:録音技術の進化
撮影現場に不可欠なマイクロホンやレコーダーが集結する。Sennheiser、Shure、TASCAMといった実績のあるメーカーに加え、Saramonicの新製品も登場する。ポータブルレコーダーからブームマイクまで、録音品質を向上させる製品群が展示される。アツデンの展示も注目である。 - E.放送関連コース:ライブ制作と伝送技術
IP技術による映像伝送・配信の最前線を提示する。IP設定簡略化スイッチ、ローランドとヤマハの連携スイッチャー、Dante AV Ultraによる低遅延4K伝送、高密度コンバーターやモジュール型プラットフォームなど、運用の簡素化と多機能化を追求した次世代ワークフローが満載である。効率的な放送制作の未来を体感できるだろう。 - F.映像制作コース:ポストプロダクションの進化
2025年の映像制作機材は、機動性と効率性の追求がトレンドだ。三脚はカーボン化で軽量・高剛性を両立。モニターレコーダーはクラウド連携やワイヤレス機能を統合し、多様なワークフローに対応する。ストレージは転送速度が飛躍的に向上し、編集ソフトでは生成AIの活用が進むなど、制作プロセス全体の変革が加速している。
「Inter BEEの歩き方2025」Mapを会場配布
今年も幕張メッセの展示会場にて、この一大イベントをより深く、効率的に楽しむための必須アイテムとして、PRONEWS編集部制作のオリジナルガイドマップ「Inter BEEの歩き方2025」を会場で限定配布する。本ガイドマップには、編集部独自の視点で厳選した注目ブースやセミナー情報、会場を満喫するためのモデルルートなど貴重な情報が満載である。来場の際はぜひ手に取られたい。
また、会場配布に先駆けPDF版の先行配布も実施する。事前にダウンロードし、スマートフォンやタブレットで活用すれば、当日のスムーズな移動や訪問計画を練るのに役立つだろう。