ジャパンマテリアルブースでは、同社取り扱いブランドであるMatroxの高品質・低遅延・安定性を兼ね備えたIP映像ソリューションが中心に展示された。
放送・映像制作業界におけるIP化をはじめ、医療・教育分野まで多様な現場に向けたソリューションを展開。既存設備を活かした段階的IP化から、SMPTE ST 2110やIPMX、JPEG XS、NMOSといった最新オープン規格への対応まで、柔軟な選択肢を提示している。
安全かつ効率的な映像ネットワークとして、低遅延・高信頼な伝送やルーティング制御、マルチ表示など、実運用を想定したデモンストレーションが展開された。
Over IP変換・伝送機器「Matrox ConvertIPシリーズ」
HDMI・SDI・HDBaseTなどの信号をSMPTE ST 2110、IPMX、JPEG XS、Colibriなどへ相互変換できる柔軟性の高いOver IP変換シリーズ。最大25Gbps接続をサポートし、非圧縮4K映像のIP伝送も可能だ。複数のConvertIPからの映像を、1台の4KディスプレイにFHD×4分割で表示できるマルチビュー機能も搭載。さらに、SFPポートによるデイジーチェーン接続や、SDMスロット対応モデルもラインナップする。
ConvertIP-SDM
ブースでは、4K非圧縮やJPEG XSを用いた高品質IPストリーム、「Matrox ConductIP」との組み合わせによるルーティング制御、マルチビュー表示など、多様な環境への適用を体験できるデモが行われた。シンプルなGUIで直感的に信号の流れを制御できる点が印象的だった。
IP KVMエクステンダー「Matrox Avio2シリーズ」
4K映像をゼロレイテンシーで伝送可能なIP KVMエクステンダー。IPMXやSMPTE ST 2110などのオープン規格に対応し、コントロールルームや放送スタジオ、医療・ライブ制作など、リアルタイム性能が求められる環境に最適な製品だ。
会場では、非圧縮伝送とConductIPによるNMOS制御を組み合わせたゼロ遅延KVMデモを実施。遠隔操作でも遅延を感じさせないリアルタイム性を体感できる構成となっていた。
Over IP変換器「Matrox Vionシリーズ」
ライブ制作やコラボレーション用途に向けた、コンパクトなマルチチャネル4K IP-to-IPゲートウェイ。H.264、H.265、JPEG XS、NDIなど多様なコーデックをサポートし、エンコード／デコード／トランスコード／クロスコンバージョンを1台で実現する。12G-SDI、HDMIのローカル接続に加え、クラウドと接続するこれからの新しいワークフローを強力にサポートできる製品だ。
ブースでは、ST 2110、JPEG XS、NDI、SRT、RTSPなど複数プロトコルを相互変換するデモを展開。小型ながら豊富な入出力とプロトコル対応が特徴で、今後のリモート制作現場にも活躍が期待される。
SRT対応エンコーダー・デコーダー「Matrox Monarch EDGEシリーズ」
最大4K（4:2:2 10bit）1系統、または3G-SDI 4系統を同時エンコード可能なエンコーダー/デコーダー。リモートプロダクションやクラウド配信に対応し、最小限の撮影機材で高品質な中継を実現。ネットワーク経由でのタリーおよびトークバックにも対応し、現場スタッフのリソースをスタジオ側に集中させることが可能。リモートプロダクション用途に加えて、クラウド製品との間でSRTプロトコルによる映像の送受信を行う環境構築にも最適だ。
会場では、12G-SDI映像をSRTやMPEG-2 TSで伝送・受信し、Web UI上で制御するワークフローを再現。4KおよびFull HD映像の安定したSRT伝送を実演し、高品質かつ信頼性の高いIP伝送環境をアピールした。
IPベースのビデオウォール構築用デバイス「Matrox Mura DVW」
HDMI×4出力を搭載した高性能なIPベースのビデオウォールソリューションを提供するアプライアンス製品である。構築するビデオウォールの規模に応じて、複数のユニットを柔軟に組み合わせることで、任意のサイズや配置で完全に同期したビデオウォールを容易に構築できる。入力されたIPストリームをリアルタイムで処理し、高解像度でHDMIディスプレイへ出力。小規模な設置から大規模なビデオウォールまで、ニーズに応じたスケーラブルなシステム構築が可能だ。
ブースでは、RTSP信号やWebページを受信し、シンプルな操作でビデオウォールを構築するデモを実施。映像設備のIP化に伴う新しい運用の形を示していた。
