九州メディア総合展のストロベリー・メディアアーツブースは、昨年と同じくシステムファイブが協賛ということである種の面白さがあった。メーカー単独の展示とは違い、「いま現場で求められているもの」を組み合わせて提案するスタイルだ。今回、特に印象に残ったのはDJIの最新アクセサリーを組み合わせたOsmo Pocket 4Pのシステム提案と、縦型コンテンツ制作を見据えたワイヤレスモニタリングシステムだった。
Osmo Pocket 4Pはアクセサリーでさらに化ける
まず目を引いたのは、Osmo Pocket 4Pをベースにした展示。本体には広角レンズ、LEDライトなど純正アクセサリーを組み合わせType-CからHDMI出力も行っていた。特出したいのは広角コンバーターを装着することで、ワイドな画角から望遠まで1台で幅広い撮影スタイルを実現できるシステムになっていたことだ。小型ジンバルカメラというカテゴリーを超え、ちょっとしたイベント収録やセミナー撮影でも十分に戦力になる構成に仕上がっていた。
ワイヤレスリモコンで運用の幅が広がる
さらに興味を引いたのはBluetooth接続のワイヤレスコントローラー「Osmo Frame Tap」を組み合わせた展示だ。手元からジンバル操作だけでなくズーム操作まで行え、離れた場所からカメラをコントロールできる。固定カメラとして設置し、必要に応じて構図を変更するような運用にも向いている。とは言えBT接続なので大きく距離を取るのは環境によってはやや危険だ。せいぜい3m圏内位が安全圏だと個人的には考えている。このワイヤレスコントローラーはVlog向けセットに付属する構成も用意されており、12万円を切る価格は中々良い。とは言え残念ながら人気の高さから現在は品薄状態が続いているそうだ。
中国で広がる縦型"ショートドラマ"制作スタイル
もうひとつ興味深かったのが、3台のワイヤレスモニターを組み合わせたシステム展示だ。実はこのシステム、中国で急速に広がっているショートドラマ制作の現場から生まれたものだという。撮影現場では複数のカメラ映像を同時にモニタリングしながら、ディレクターがリアルタイムでカットを確認するスタイルが主流になりつつあり、その需要に合わせて専用キットとして製品化された。
驚いたのは、単なる寄せ集めではなく専用ケースの中には3台のモニター、リグ、アンテナ、配線まで組み込まれた状態で収納されており、現場ではケースから取り出してすぐに運用できる"システム"として完成している。※アンテナとそのワイヤーの取り回しも利得に反映するのでユーザーが変更するのはNG。
日本でも活躍の場は広がりそう
もちろん、このシステムはショートドラマだけのものではない。ライブ配信やイベント収録、縦型動画制作など、日本でも活用できる場面は多そうだ。送信機を追加すればカメラ台数を増やすこともでき、運用スタイルに合わせてシステムを拡張できる。ワイヤレス伝送の到達距離も十分に確保されており、今回の展示会場クラスの広さであれば安定した通信が期待できるという。ボクもこのシステム単体では使ったことがありその飛び具合は野外でもラグビー場クラスなら雨天じゃない限り問題なかった。
"売る"だけではなく、"組み合わせて提案する"
システムファイブは機材販売店だが、今回の展示を見て感じたのは、単に製品を販売するだけではないということだ。「この機材と、このアクセサリーを組み合わせれば現場でこう使える。」そんな運用まで含めた提案が随所に見られた。これはハリウッドではよく見られる形式なのだが日本の販売店では珍しい。正直言えばほんの10年前では考えられなかったことだ。
映像制作の現場では、単体の性能よりもシステム全体の完成度が重要になる。今回のシステムファイブブースは、そのことを改めて感じさせてくれる展示だった。