北陸放送機器展2026のRAIDブースでHollylandのインカムを見ていると、これまでのSolidcomシリーズとは少し雰囲気の違うヘッドセットが目に入った。
「これは何ですか」と聞いてみると、紹介されたのが「Solidcom C1 Air」だった。Hollylandはすでに製品名と概要を公開しているが、ブースでの説明によれば、取材時点では価格や販売構成など国内向けの詳細は正式発表前だった。展示機は製品版として紹介され、発売に向けた準備が進められていた。
まず気になったのは、その形である。一般的なインカムのように耳をイヤーパッドで覆うのではなく、耳の近くにスピーカーを配置するオープンイヤー型を採用している。従来のSolidcom C1とは装着スタイルが大きく異なる。そこで、実際に装着してみることにした。
42gのインカムを実際に着けてみる
手に取った時点で軽さは分かるが、装着すると耳を覆うタイプとの違いがよりはっきりする。ブースでの説明によると重量は約42g。耳をイヤーパッドで覆わないため、従来型のヘッドセットとは装着感が大きく異なっていた。
映像制作の現場では、インカムを数時間装着したまま作業することも珍しくない。通信性能だけでなく、長時間装着した際の負担も実際の運用では重要になる。C1 Airを装着してみると、軽さに加えて耳を塞がない構造が印象に残った。
Hollylandが公開している情報では、C1 Airはオープンイヤー型を採用し、デュアルマイクENC(環境ノイズキャンセリング)を搭載する。周囲の音を確認できる構造としながら、通話時の環境ノイズを抑える仕組みである。
ブースでは、ヘルメットなどほかの装備と組み合わせた使用も想定していると説明していた。放送・映像制作だけでなく、工場など従来型のヘッドセットでは装着しにくい環境での利用も視野に入れているという。
小さくなったのはヘッドセットだけではなかった
C1 Airでは、バッテリーも小型化されている。ブースでの説明によると、連続使用時間は約6時間。長時間の現場では、交換用バッテリーや充電環境を含めた運用がポイントになりそうだ。
そこで見せてもらったのが、複数のバッテリーをまとめて装着できる充電器である。ブースでの説明ではUSB Type-Cから給電する構成で、交換用バッテリーを用意しながら運用できるという。本体の軽さだけでなく、長時間使用する場合にどのようにバッテリーを回していくかまで確認できた。
既存のC1システムと組み合わせて使う
ここで気になったのが、「これだけ買えば使えるのか」という点だった。
RAIDブースで確認したところ、C1 Airはリモートヘッドセットとして動作し、単体でマスターにはならないという。既存のSolidcom C1シリーズのマスターヘッドセットやハブベースと組み合わせて使用する構成で、今回の展示機も既存のマスターヘッドセットとペアリングした状態で動作していた。
ブースでは、既存のC1シリーズと組み合わせて使用できると説明していた。すでにC1シリーズを運用している現場であれば、C1 Airを追加し、従来型のヘッドセットと使い分ける運用も考えられる。スタッフの役割や作業環境によって装着スタイルを選べる点は、今回の展示で気になったポイントの一つである。
「インカムは耳を覆うもの」から少し離れてみる
今回C1 Airを実際に装着してみて印象に残ったのは、42gという数字だけではなかった。
これまでインカムといえば、耳にイヤーパッドを当て、マイクブームを口元まで伸ばすスタイルを思い浮かべることが多かった。C1 Airは耳を塞がないオープンイヤー型とすることで、その装着方法を変えている。
周囲の音も確認しながらスタッフ同士で会話したい撮影現場や、ヘルメットなどほかの装備と併用する環境では、この形が選択肢の一つになりそうだ。RAIDブースで実際に装着したことで、「インカムをどう身に着けるか」という部分にも、まだ別のアプローチがあることが見えてきた。
国内での価格や販売構成など、今後明らかになる詳細も確認していきたい。