10月31日はハロウイーンのお祭りですが、毎年その夏のシーズンに栽培される大きなカボチャの中身を繰り抜いてその外側の皮の部分に目や鼻、口などの形に切り抜き,中にローソクを灯して家の入り口に飾るのが習慣となっています。

ハロウイーンまではまだ期日がありますが、その前に毎年恒例となっているのが巨大カボチャのコンテストです。

コロラドでは「Rocky Mountain Giant Vegetable Growers」という団体があって その年の夏に育った巨大カボチャを持ち寄ってその重さとサイズの計測を行いその年のチャンピオンを決めるという催しを行っています。

今年はコロラドでは8月に華氏90度(摂氏32度)以上の気温の高い日が24日間も続いて、観測史上の新記録を示しましたので、カボチャの生育が良く重さの新記録が出るだろうと予測されています。

9月27日(土)午前11時からデンバーの南のLittletonの町に在るJered’s 老人ホームでそのコンテストが開催されます。

周囲の長さが12フィート(3.65m)、重さが1000ポンド(455kg)を越えるカボチャがあちこちから沢山持ち込まれて大勢の見物の人達の前で計測されます。昨年は1200名以上の見物の人達が参加しました。

この様な巨大カボチャはその生育スピードが一日に約40ポンド(18kg)の増加をすると言う驚きの生長ぶりですが、今迄のコロラドの記録は昨年Wheat Ridgeの町に住むJoe Scherberさんが育てたカボチャでその重量は1075ポンド(488kg)でした。

ちなみに今迄のその世界新記録は昨年ロードアイランド州に住むJoe Jutrasさんのカボチャで、なんとその重量1689ポンド(768kg)だったとしています。この様な巨大カボチャはどの様に育てるのかなどの情報提供も行われます。収穫の秋の始まりを告げる催しとなっています。

シアトル紀行 「DAY FIVE」

今年の8月下旬に訪れたアメリカ西海岸の最も北に位置するシアトルの町の様子についての報告は今回がその最終稿です。アラスカとハワイを除くアメリカ本土で日本に最も近い都市ですので観光で訪れる日本の人達も毎年大勢にのぼりますが、まだ訪問していない人達にとってシアトルへの旅行を検討されるご参考となれば幸いです。

シアトルPike Place Market通りの公共市場
シアトルの海岸通りから一本山手に在るPike Place Market通りには定期的にテントが道の両側に沿って張られていろいろな露店が店を出しています。このPike Place Marketは90年以上継続しており、アメリカ内で開設以来継続している市民市場としては最も古い市場と言う事です。毎日大勢の観光客や市民が訪れて週末などではその数4万人にもなると言っています。
Farmers Marketの入口の混雑
Pike Place Marketには常設のアーケード街の両側に多くの野菜や果物などの農産物を販売する店や、海産物を販売する店、チーズや乳製品の店などが軒を連ねており、Farmers Marketと言われていますが、通路が狭い事もあって大勢の見物客や買い物客でゴッタ返しており、ちょうどシアトルの「アメヤ横丁」と言った感じです。何故か?この入り口部分に大きな豚の銅像が在って写真では子供2人がその銅像に跨がろうとしています。
Farmers Marketの中の八百屋
Farmers Marketの中の一店です。野菜と果物の専門店と言う事で、新鮮な野菜や果物を沢山扱っています。
Pike Place Marketの通りから一本隣り通り
Pike Place Market通りの混雑に比べて一本海岸側から反対に入ると、ガランとした細い通りとなっていますが、この右側には、非常に沢山の種類のチョコレート専門店「チョコレート・バーの店」や非常に豊富な種類のお茶を在庫している「テイーショップ」などユニークな小さな店が並んでいて、無料で試飲や試食をすることが出来ます。店内の看板に「いらっしゃいませ!」と日本語で書かれたポスターが有りましたので、日本からの観光客も訪れるものと想像されます。 小さな規模のレストランもあって、道端にテーブルと椅子を並べて昼食を楽しんでいる観光客のグループが見られました。
Pike Place Marketにある昔ビール工場だった跡のレストラン
Pike Brewing Companyと言う名称で現在でも一部ビールの醸造をしていますが、その製造設備を残しているバーレストランです。食事をしながら珍しい原材料を使った多くの種類のビールを楽しむ事が出来ます。
Elliott湾に入港の大型クルーズ客船と大型フェリー船
シアトル港に入港している外洋航海の大型クルーズ客船が見られます。この時は写真の大型船の他にほぼ同じ大きさのノルウエイからのクルーズ船も入港しており、その乗船客でシアトルの町が混雑していた様です。写真の右に見える大きな船はシアトルの桟橋からPuget Soundの入り江の主要な島の町や、同じ入り江に在るカナダのバンクーバーなどを結んでいるフェリーボートです。フェリーには多くの自動車を積む事が出来て、船の船首側から車を順々に詰めて積載して、到着後は船首側のハッチを開けて前から車を降ろせる様になっていてご覧の様にどちらが船首でどちらが船尾か分からない様に対称に作られています。
観光船の発着桟橋「Pier 56」
今回私たちは一つの島全体が州立公園となっているBlake Islandへ渡る観光船でElliott湾からPuget Soundの航海を楽しむ事にしました。ここは観光船が入る56番埠頭の様子です。右側が野外レストランとなっていて大勢の人達が食事をしていますが、沢山のカモメが飛び交っていますので、その糞がかからないかと心配になる程です。 そんな事故を防ぐ為に各テーブルの上にはテント地の屋根が設置されているのかもしれません。
観光船が桟橋へ入って来ました。
 観光船が入って来ました。フェリーボート程大型では有りませんが300名程の定員の船で一階の客室の上はデッキとなっていて、沢山の椅子も備え付けてあり、風に当たりながらのクルーズも楽しめる様になっています。
観光船から見るシアトルのビル群
私たちを乗せた観光船がシアトルの埠頭を離れて行きます。シアトルの町のビル群が望めますが、一番右側の高いビルがシアトルで一番の高層ビルとの事です。スペースニードルやKerry Parkの展望台はこの左側に見えますが、写真に入りきれませんでした。
Blake IslandのTillicum Village
観光船の到着したBlake Islandは島全体がワシントン州の所有地で州立公園となっています。テントを持ち込んで海岸でのキャンプを楽しんだり、魚釣りをしたり、海水浴も出来る様になっていますが、シアトルとの往復は観光船又は自分の所有するボートで行う事になります。

観光船の到着した桟橋のところがTillicum Villageと言うアメリカインデイアンの一種族の記念村となっていて、観光船が到着すると、その桟橋のたもとで大きな鍋に蛤やアサリなどの貝を豊富に使ったスープが船客に振る舞われます。

少し塩味ですがたいへん美味いスープで、大き目なカップの中に入っている貝類はその身を食べて、貝殻は通路に吐き出して靴で踏みつけて割ると言うのが習慣となっているということで、桟橋からの道は割れた貝殻で埋まっています。ちょうど現代の「貝塚」という雰囲気です。

このTillicum Villageでは大きなレストランに舞台が付いた建物となっていて観光客は大きな鮭を主体とした昼食を楽しみますが、同時に昔の原住民のアメリカインデイアンの子孫の人達による当時のダンスを見物しながらの昼食です。 この写真はその舞台レストランの裏庭の様子で、トーテンポールが建っていました。また、大型の花を付けたあじさいが見事に開いていました。

以上で今回私と家内とで訪れたシアトルとその周辺の5回に分けて報告した観光のレポートは終了です。日本でも多くの素晴らしい観光地がありますが、日本と一風変わった雰囲気のシアトルの観光を楽しまれる様に皆さんが訪れる時のご参考として頂ければ幸いです。

あとがき

コロラドに居る時はあまり感じませんでしたが、デンバー地区でも海抜1600mという高さですが、シアトルはまさに海抜ゼロに近い、と言う事で空気が濃いためでしょうか、呼吸が楽で、更に湿度がコロラドの乾燥状態に比べて高い事からしっとりとした雰囲気を感じさせられました。海無し州のコロラドと異なり、もちろん海産物は豊富で、日本食レストランでの美味いお寿司も充分楽しみました。

次号より再び本来の「コロラド紀行」に戻りますが、この「シアトル紀行」をお送りしている間にコロラドでの状況もいろいろと変化して来ています。そんな様子を皆さんに注目して頂ける様な題材を中心に継続してお送りして行く積もりですので、今後も継続ご愛読頂ければ幸いです。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。