10月ともなるとめっきり日が短くなって冬の訪れを予感させられる最近ですが、 10月8日現在のコロラドでの公式な日の出時間は朝7時04分で、日没時間は午後6時30分となっています。 現在でもアメリカではDaylight Saving Time(夏時間)が進行中で、通常時間に戻るのは11月2日(日)の未明からとなっています。

今迄夕方は8時半頃迄明るくていろいろな活動が出来ましたが、早く暗くなってしまうので戸惑わされる最近です。 また、朝は6時頃から出勤と言う人が大勢居ますが、まだ暗いうちに家を出ると言った最近のコロラドの状況です。

アメリカの次期大統領を決めるElection Day(選挙投票日)迄はいよいよ1ヶ月を切って11月4日(火)となっていますが、共和党のJohn McCain氏と民主党のBarack Obama氏の決戦も最終段階となって、既に両候補のTVを通じてのDebate(公開討論)も2回行われて更に両党の副大統領候補のDebateも行われ、何れも主要TV各チャンネルでの中継放送が全米に向けて行われています。

また、選挙の有権者を確定する為の登録も10月6日(月)をもって締め切られて、いよいよ11月4日を待つばかりとなっています。

両大統領候補の州別の支持率についての各メデイアによる予測調査の結果も刻々と発表されていますが、コロラド州では民主党支持と共和党支持とが拮抗しており、最近の結果の一つでは次の様になっています。

Barack Obama 支持 44%
John McCain 支持 44%
その他の3rdパーテイの候補支持 4%
まだ決めていない人 8%

全米で見てみますと、まだ決めていない人の比率がかなり高いもののBarack Obama候補がわずか優勢と伝えられています。

どちらの候補が大統領となったとしても大変困難な時期での就任となりますので 将来のアメリカの方向を決める上で重要と言えますが、アメリカでは大統領がアメリカの軍隊の総司令官(Commander in Chief)も務めますので、今後の米軍の世界各地での活動を決める上で、世界的にも非常に重要と言えます。

Best Buyの新規店がAuroraに開店

アメリカのこの経済金融不調の折に全米チェーンの家電販売店のBest Buy新店が私の住んでいるAuroraの町に10月4日(土)に開店しました。 家電小売業界の中では元気印のBest Buy店ではありますが、選りによって、アメリカの経済が不調となって来ていて、消費者の購買力がいろいろな分野で落ち込んで来ていると言う時に、どうして新しい店を開店するのだろうか? と言った疑問を感じていますが、まずは現場を見て来よう、と言う事で、10月7日(火)に行って見て来ました。 以下、その状況について報告します。

Best Buyが新店を開いたショッピングセンターの遠景
今迄既にBest Buy Aurora店は私の家から近くに在って以前のこの「コロラド紀行」でもご紹介しましたが、今度開店した新店はAurora市のほぼ南東の端に在る主要道路Parker RoadとArapahoe Roadの交差点の近くの広大な土地を開拓して一大ショッピングセンターを建設する造成が始まっており、Best Buy店はその中でも主要な位置を占める百貨店のSuper Target店に隣接した大きな建物に出店しています。
Best Buyの新店の正面
ベストバイ店の共通な外観の正面入口の様子です。 店の前は広大な駐車場となっていて、この日は開店から4日目で火曜日でしたのでガランとしていますが、開店日の土曜日にはかなりの数のお客が集まったと言っています。この広い駐車場は同店だけで利用するわけではなく、周囲の各店へ来たお客が利用する訳ですが、周辺のお店はまだ建設工事中で開店していないところが殆どです。この広大な駐車場が訪問客で埋まる様になるのは何時の事でしょうか?
入口を入った売り場正面の様子
「Winning with Women & Family」という大きな看板が目につきますが、同店のフロアーマネージャーの説明によると、「この店の開店する主要ターゲット顧客層は家庭の奥さんと家族に当てているのだ。」と言う事で、この地域は新興住宅地であり、住民の多くが高額所得層である事と商品の購入に当たってその購入選択について女性の発言力が強い、という調査結果から女性及び家族連れに焦点を当てて売り場の展示構成を行ったとしています。商品のカテゴリー別に大きな標識を設置して、直ぐにどの商品が何処に有るかを示す様にしているのも同店としては新しい試みです。
DVDそしてBlu-rayデイスク売り場の様子(1)
ベストバイの他の店でもDVD映画デイスクの展示はかなり充実していますが、この新しい店でも多くの新型の陳列棚が並べられていてその数は膨大です。
DVDそしてBlu-rayデイスク売り場の様子(2)
膨大なDVDの陳列棚の中にBlu-rayデイスク専用の棚が設けてあります。まだ、Blu-rayについては盛り上がりが今ひとつで顧客がDVDでいまだに満足している状況が伺われます。陳列棚の数にしてBlu-rayはこの3基とその裏側の3基の合計6基のみとなっています。この数がDVDの陳列棚の数と逆転するのは何時の事になるでしょうか?
DVDそしてBlu-rayデイスク売り場の様子(3)
前の写真のBlu-ray映画デイスクの陳列棚の裏側に配置されたBlu-rayデイスクの陳列棚です。こちら側にも3基が設置されています。
「Family Room」の主役はやはりTVです
大画面から小画面迄非常に沢山のフラットパネルTVセットが動作展示されていますが、その手前に「Family Room」という看板とともに空間が設けられており、長椅子や安楽椅子などの家具とともに家庭の居間でTVを楽しむモデルルームが構成されています。
「Home Audio」のコーナーです
ホームシアターを構成するもう一つの主役はオーデイオシステムです。オーデイオ機器類で単独の展示と言うのは見られなくて、TVシステムと組み合わせての展示となっています。また、iPod などの携帯型のオーデイオシステムはこのコーナーとは別の場所に展示されています。
「Video Game」のコーナーです
WiiやXbox, Playstationなどのゲーム機やパソコンベースのゲーム機関連の商品がいろいろと陳列されています。
「Car Electronics」のコーナーです
車載用のいろいろな機器が沢山展示されています。
「Home Office」のコーナーです
以前でしたらパソコンコーナーと言うべきですが、今やパソコンもホームオフィースを構成する1部品となっています。一時はやり言葉となったSOHO ( Small Office Home Office )と言う表現も最近は聞かれなくなって、家の中にオフィース空間を設けるのも普通となって来ています。
「Kitchen」のコーナーです
洗濯機、乾燥機、電子レンジ、オーブン、皿洗い機、冷凍冷蔵庫といったいわゆる白物家電のコーナーです。台所のモデルルーム構成した展示が中心に配置されていて、周囲に個別の商品が並べられている、と言う構成です。 一頃の白物と変わって外観デザイン的にモダーンな商品が多くなって来ているのを感じさせられました。
「Customer Kiosk」という商品検索システム
店内に展示されている商品やBest Buy店として扱っている商品の総合データーベースの検索システムとも言うべき装置が売り場の中に設置されています。お客が自由に使用する事が出来ますが、フロアーセールスマンがお客の質問に対して回答するのにも使われています。 例えば非常に沢山のDVD映画デイスクやCD音楽デイスクの各タイトルの検索などには威力を発揮します。
「Customer Service」コーナー
顧客相談コーナーとも言うべき窓口が設けられており、顧客のクレームだけでなく、返品の扱いや品物交換の扱いなどもここで対応しています。このコーナーの左側にはBest Buyが以前に買収して同店のプレステージ商品としての別格販売を行っている高級AVシステムを扱っている「Magnolia」ブランド商品の顧客相談コーナーが設けられています。

以上が今回訪問したオローラ市内に新しく出来たBest Buy店の様子ですが、顧客にこの店に見に来るだけでも楽しみとなる様な構成展示に苦心した様子が伺われました。 フロアーマネージャーの人の話によると、地元の家庭の主婦40名に協力を願って、今年の2月から店内の構成に付いて同店の従業員と一緒に検討をした結果を反映した、としており、これからの売り上げ実績が楽しみです。

また、今年の年末商戦にはギリギリのタイミングでの開店ですが、同じ新しいショッピングセンターの中の他の店の殆どがまだ開店出来ずに準備中で、この新しいBest Buy店が今後の集客力の中心となるかどうかも楽しみなところです。

コロラド州内の移民統計

アメリカ国勢調査局とPEWヒスパニックセンターの統計によりますと、コロラド州内の移民の統計数値は次の様になっているとしています。

  • 2005年に於けるコロラド州の住民人口のうち約10%に当たる46万人が外国で生まれた人々となっています。
  • 46万人のコロラド州内の外国生まれの人々のうち28.1%に当たる約12万9000人の人達が2000年以降にアメリカへ入国しています。
  • 2005年の外国生まれ46万人のうち22万5000人から27万5000が不法入国してコロラドに居住していると推定されています。

2007年の統計によると、コロラド州の総人口の約20%弱がヒスパニック系、特にメキシコや中米の国からの移民の人達となっており、今回訪問したBest Buyの新店でも、各商品の取り扱い説明書に始まって、商品展示コーナーの表示にもスペイン語で併記されているのが目につきます。 こうしたヒスパニックパワーに押されてコロラド州も遠からず白人や黒人がマイノリテイとなってしまって、スペイン語でなければ通じなくなってしまうのではないか、と懸念する人達も出て来ている程の最近の状況です。

アメリカの家庭でのエネルギー消費の内訳

調査会社のEnergy Star及びアメリカエネルギー省の2004年の調査統計によると、アメリカの平均的な家庭でのエネルギーの用途別の消費比率は下記の様になっているとしています。

暖房及び冷房 45%
温水器 11%
洗濯機及び乾燥機 10%
照明 10%
冷蔵-冷凍庫 7%
自動食器洗い機 6%
パソコンとモニターデイスプレイ 2%
TV、VCR、DVDなど 2%
その他 15%

その他の内訳は2%以下の電子レンジ、ガスオーブン、ガスレンジなどの合計です。

あとがき

10月に入ってデンバー地区では例年と異なりいまだに降雪が有りませんが、気温の方は急速に下がって来ており、朝の最低気温では摂氏0度に近い日が多くなって来ています。

我が家でもいよいよ冬支度をしなくてはならない、と言う事で、夏の間に活躍した家の屋根にのっているスワンプクーラーを水抜きして、ズック地の布で出来た覆いを被せました。 また、庭の芝生に自動散水をするスプリンクラーの水抜きも行っています。 芝生は年内あと一回くらい芝刈りを行う事になりますが家の前の街路樹の2本あるメイプルツリーの葉が枯れてきて落ち葉となって芝生の上に散乱する様になり間もなく電動の吸引機でそれらを吸い集める作業を何回か行なわなくてはなりません。

この「コロラド紀行」も振り返ると最初の号が昨年の10月21日の発刊でしたのでちょうど一年を迎えます。 その間皆さんにはご愛読頂き大変有り難うございました。 これからもコロラドらしいユニークなテーマで皆さんにご紹介をして行きたいと思いますので引き続きご愛読の程をお願い致します。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。