5月5日はスペイン語でCinco de Mayo (the 5th of May) と言ってメキシコ系のアメリカ人の間で毎年盛大に行われるお祭り日となっています。 特にデンバーでは全米の中でも特に大きな行事で、市当局が応援して、いろいろな多数の企業がスポンサーとなってお祭りを盛り上げていますのでデンバー市での年中行事の一つとなっており、毎年大変な盛り上がりを見せます。
今年は公式にコロラドでのお祭りとなってから21回目のシンコデマイヨとなっており、5月3日(土)の午前11時からデンバーのダウンタウンでのパレードから始まってDenver Civic Center Parkでの「Celebrate Culture Festival」が5月3日(土)と4日(日)2日間にわたってアメリアッチバンドの演奏やメキシカンハットダンスなどメキシコの文化を紹介する各種の催しが開かれました。
この日は今から150年程前の1862年5月5日に現在のメキシコの首府のメキシコシテイの南東にあるPueblaの町で攻め上る圧倒的な軍勢の6000のフランス軍に対峙してBenito Juarezをリーダーとする2000のメキシコ軍が向かい打って、押し戻してメキシコシテイへフランス軍が攻め入るのを防いだ日で、最終的にはフランス軍が勝利したのですが、この「Pueblaの戦い」を契機に3年間のみフランスの統治は行われただけに終わりました。
元々1821年9月16日にメキシコはスペイン統治下から独立を果たしていたのですが、アメリカ/メキシコ戦争などで疲弊していた国家を立て直す為に、資金を多額に必要とした事から、スペイン、イギリス、フランスの3カ国から多額の借金をしています。
まもなく、この3カ国はその貸したお金の返済を迫る事になったのですが、メキシコでは返済出来ないと言う事から、3カ国はメキシコへ攻め入る事を決めてメキシコ湾岸の町Veracruzに軍隊を上陸させます。
イギリスとスペインはその後間もなく軍隊を自国へ呼び戻すのですが、フランスは当時の皇帝のナポレオン3世がメキシコ軍と戦ってメキシコを統治下にしようとします。やがて、Pueblaの戦いへと進展するのですが、この時のメキシコ軍のしぶとさと独立心、そして勇敢さとをメキシコ人達のシンボルとして讃える様になった訳です。
当時のアメリカの大統領はAbraham Lincolnでしたが、南北戦争が継続中だった事も有ってフランスのメキシコへの侵略を危険視していましたが、メキシコ軍にアメリカが加担すると南軍の方へフランスが加担する事になると思われたので手を出さなかったのですが、やがて南北戦争が終結したので、アメリカ軍はメキシコ軍の援助側にまわった為フランス軍は敗退してメキシコの真の独立が計られた訳です。
そうした背景からメキシコの独立記念日は本国のメキシコでは9月16日となっているのですが、アメリカのメキシコ移民達の間では5月5日をシンコデマイヨとして祝う様になったという経緯が有ります。
コロラドの2007年の総人口は500万人に
アメリカの全国的な国勢調査は10年毎に行われ、前回は2000年に行われましたが、次回は2010年に実施される事になっています。
4月30日(水)にアメリカ国勢調査局(U.S. Census Bureau)から2007年の人口動態の発表があって、コロラド州の人口の状況に付いての中間報告が行われています。
それによりますと;
2007年のコロラド州の総人口は486万1515人となっていて、その人種別の内訳は、
白人 | 71.3% |
ヒスパニック | 19.9% |
黒人 | 3.8% |
アジア系 | 2.7% |
混血 | 1.6% |
アメリカインデイアン | 0.7% |
となっています。
- コロラド州全体の平均年齢は35.6才で、全米各州の中でも若い順番で9位となっています。
年齢別にコロラドの構成比率を見てみますと、
5才以下 | 7.2% |
18才以上 | 75.5% |
となっており、いわゆるベビーブーマーと呼ばれる人びと構成比は
45才から64才 | 25.9% |
65才以上 | 10.1% |
となっています。
- 特にアジア系人口とヒスパニック人口の増加率は3.6%と急速な伸びを示しており、それらに次いでいわゆるベビーブーマー世代の増加率は3.5%となっています。
- 65才以上のSeniorと呼ばれる人びとの構成比はコロラド州は全米で5番目に少ない州となっています。
ヒスパニック人口が全体の20%に近づいたと言う事で、コロラドの5人に一人はヒスパニック系の人達だと言う事ですが、特にメキシコなどの中米からの出身の人達が多く、私も日常生活を通して実感として多くなったなあ、と感じさせられるこの頃です。
フォトギャラリー ~Aurora周辺 その1~
Fortune 500にリストされたコロラドの会社
雑誌Fortuneが毎年行っているアメリカの会社のランキングで知られる「Fortune 500」ですが、その2008年版が発行されました。
順位付けはアメリカの株式公開している会社の2007年の売上金額をベースにランク付けしており、トップから10位迄は毎年その社名が出て来る大会社ばかりですが、下記の様になっています。
1位 | Wal-Mart | 小売店チェーン |
2位 | Exxon Mobil | 石油/エネルギー |
3位 | Chevron | 石油/エネルギー |
4位 | General Motors | 自動車 |
5位 | Conoco Philips | 石油/エネルギー |
6位 | General Electric | 電機 |
7位 | Ford | 自動車 |
8位 | Citigroup | 銀行/金融 |
9位 | Bank of America | 銀行/金融 |
10位 | AT&T | 電話/通信 |
一方コロラドに本社を持つ会社の上位10社をリストアップしてみますと、下記の様になっています。
2008年版ランキング | 2007年ランキング | 会社名 | 業種 | 2007年売上げ(単位:10億ドル) |
187 | 178 | Qwest | 電話/通信 | 13.8 |
240 | 252 | DISH Network | 衛星TV | 11.1 |
275 | 281 | Liberty Media | メディア持株 | 9.5 |
292 | 340 | Liberty Global | メディア持株 | 9.0 |
315 | 331 | First Data | データ処理 | 8.1 |
336 | 348 | Ball | 金属ガラス容器 | 7.4 |
387 | 743 | ProLogis | 不動産投資 | 6.2 |
392 | 386 | Molson Coors | ビール | 6.2 |
430 | 447 | Newmont Mining | 金鉱山 | 5.6 |
473 | 492 | Western Union | 電子送金 | 4.9 |
Fortune 500のトップ10にリストされている大会社はその殆どがコロラド内で活動していますが、コロラド内に本社を持つ企業となるととたんに200位以下となってしまう、と言う事でこれがコロラドが「アメリカのハイテク田舎」と言われる由縁となっています。
フォトギャラリー ~Aurora周辺 その2 ~
あとがき
デンバー国際空港からアジアの主要都市を結ぶ直行便の開設はデンバー市にとって空港開設以来の念願となっていましたが、デンバー市のDenver Metro Economic Development Corporationが中心となって視察団を編成して今迄に何回か東京、北京、上海、台北、香港、シンガポールなどの各都市を訪問して、アジア各国の政府、都市の担当部門や旅行エージェント、航空会社などとの協議を重ねて来ました。
5月下旬にはデンバー市長のJohn Hickenlooper氏が東京を訪問して日本の関係先への挨拶と公式なデンバーへの直行便開設の詰めを行う事になっています。
また、今年の11月にはデンバー市からの公式な訪問団が東京へ行く予定となっています。
デンバー市当局の話ではANA(全日空)が現在最も有力な直行便開設航空会社で、デンバー空港をハブとしていて最も多くの発着便を運行しているユナイテット航空とのスターアライアンス会社で協同運行便等も多く運行しているANAはデンバーでの乗り継ぎ便客にとっても大変便利と言う事になるとしています。
また、ANAはボーイングの新型機787Dreamlinerの最初の顧客であり、延べ累計で60機という多数の注文を行っており、この機体はデンバー/東京間の運行に非常に適した性能の航空機であるとしています。
デンバー市では東京とのこの直行便の開設の向けてのキャンペーンを今後展開する事にしており、その為のポスターが今回公表されました。
「Ascent to ASIA」Denver-Tokyo Nonstopという表示となっており、富士山と桜の花そしてデンバー空港を象徴する白いテント張りのターミナルビルとが描かれています。
デンバー市当局では、2年から4年中にこの東京/デンバー間の直行定期便が開設される事を目標としており、うまくすると今年の12月からのスキーシーズンには羽田空港からのスキー客に特化したチャーター便が飛ぶ様になると期待しています。
また、Hickenlooper市長は直行便の開設とともに、日本でのデンバーとの人的交流を盛んにする事によって、将来日本の企業のコロラドへの進出や資金投資などの活動が行われる様になることも期待しており、その為にも直行便の開設は大変重要との意向を表明しています。
ところで、コロラドの人達は外国へはどのくらい出かけているのか?という調査結果がAAA (American Automobile Association) から先週発表されていますので紹介します。
今年の夏のレジャーシーズンには約50万8000人のコロラドの住民がアメリカ以外の外国へ旅行すると予測され、この数字はアメリカ内の他の地域と比べても最も多く、昨年の夏に比べて3.6%の増加となるとしています。
また、この人達がその旅行に使う金額は総計で6億2200万ドルにのぼるとしており、コロラドの人達の生活レベルが高い事と何か変わった土地への興味深さがこうしたコロラドから外国への旅行者を多くしているのだ、とAAAでは言っています。
デンバー/東京間の直行便が開通すれば、こうしたコロラドから日本への観光客やビジネス客がかなり増加するのではないかと思われます。